電車のドア前から絶対に動かない迷惑客“ドア地蔵”に声をかけた結果「え、わざわざ出んといけん?」と返されて…――大反響セレクション

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電車のドア前から絶対に動かない迷惑客“ドア地蔵”に声をかけた結果「え、わざわざ出んといけん?」と返されて…――大反響セレクション

12月22日(月) 8:43

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大事件ばかりがニュースではない、身近な小さな事件の方が人生を左右することも。注目のテーマを取り上げ大反響を呼んだ2025年の仰天ニュースを特別セレクション!(初公開2025年7月1日記事は取材時の状況)
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移動に欠かせない交通手段のひとつである電車。しかし、通勤や通学の時間帯は混雑するため、殺伐とした雰囲気がある。車内では譲り合いの精神を持って、お互い気持ちよく過ごしたいものだ。

電車内で何かあった際、他人に声をかけるのは勇気がいることだ。“ちょっとした気遣い”があれば、モヤモヤせずに済んだかもしれない2人のエピソードを紹介する。

鋭い視線の“お願い”に戸惑い

鹿間美紀さん(仮名・40代)は、姉とともに地下鉄に乗り込み、車内の隅に立っていたという。

「それなりに混雑していたのですが、普通に立っていられる程度でした。私たちは静かに話しながら目的地に向かっていたんです」

すると突然、座っていた中年の男性が立ち上がり、鹿間さん姉妹のほうへまっすぐ歩み寄ってきた。目は鋭く、なにかを訴えているような雰囲気に、思わずたじろいてしまったそうだ。

「いきなり私たちに向かって『あの女性を私の席に座らせてやって!』と、命令口調で言いました。意味がわからず、呆然としました」

“あの女性”というのは、近くに座り込んでいた若い女性。鹿間さんたちの視界には入らなかったが、どうやら気分が悪くなってしまったようだ。

男性は自ら声をかけるのではなく、「女性の介抱を代わりにしてほしい」と訴えてきたのだ。

「ありがとう」も言わずに去る男性

「女性に『大丈夫ですか?』と声をかけたところ、『次で降りるので大丈夫です』とのことでした。でも、かなりふらついていたので、次の駅で私たちも一緒に降りて、ベンチまで案内することにしました」

鹿間さんたちは、女性の様子を見守りながらホームに降り、椅子に座らせて駅員に状況を説明。やっと安心できたという。

しかし、そのとき、ふと先ほどの男性の存在を思い出した。

「男性がこちらを見ていたので、『もう大丈夫ですよ』と伝えたんですが、無言のまま、なにも言わずに立ち去ったんです。言いたいことがありそうな表情でしたが、最後までわかりませんでした」

おそらく、今の時代の空気もあって、男性が女性に不用意に話しかけることへの躊躇があったのだろうと鹿間さん。たしかに、困っている女性を助けたはずが、逆に痴漢や不審者として扱われてしまったという話も聞く。

「男性の気持ちも理解できるのですが、手伝ったことに対する『ありがとう』の一言もなかったので、少しモヤモヤしてしまいました。こちらの心が狭いのかもしれませんが……」

「出んといけん?」無神経な一言に沈黙したホーム

通勤電車に乗った高瀬健二さん(仮名・30代)は、その日の車内で忘れられないやり取りを経験した。

「ちょうど通勤ラッシュの時間帯で、車内はすでにぎゅうぎゅうでした。どうにか滑り込んだものの、息苦しいほどでした」

乗ってすぐに目に入ったのは、ドア前にぴったりと張りつくように立つスーツ姿の男性。スマートフォンを片手に夢中で操作しており、カバンはぶら下げたままだった。

「人の流れを完全に遮っているその姿にイライラしましたね」

高瀬さんは次の駅で降りる予定だった。駅が近づくにつれ、男性に声をかけるタイミングをうかがっていたという。そして、できるだけ“ていねい”に、やわらかい調子で……。

「すみません、次の駅で降りるんじゃけど」

その言葉にようやく反応した男性は、ちらりと高瀬さんのほうを見た。

「……あ? ワシ、次じゃけど?」

一瞬、耳を疑ったという高瀬さん。相手が降りるかどうかではなく、“自分が降りる”ために通してほしいだけなのに、まるで迷惑そうな返事が返ってきたのだ。

ドア前は“自分専用のエリア”じゃない!

「もう一度、落ち着いてお願いしました。でも、彼は露骨にイヤそうな顔をして、ため息混じりに『え、わざわざ出んといけん?』と言ったんです」

最近では、ドア前から頑なに動こうとしない迷惑客をネット上では“ドア地蔵”と呼ぶらしい。男性は、まさにドア地蔵。その態度に、苛立ちが爆発しそうになったが、高瀬さんは怒鳴ることもなく、男性の肩の隙間をすり抜けて電車を降りた。

すると、ホームに足を踏み出した直後、背後からはっきりと「チッ……」という舌打ちが聞こえたのだとか。

「驚きというより、呆れました。あの場所は誰か一人のためのスペースではないのに、あまりにも無神経すぎますよね」

今でも、あの瞬間を思い出すと心がざわつくという。以来、高瀬さんは同じような場面では、遠慮せずに少し強めに声をかけるようにしているそうだ。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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