細田守監督が自ら小説化「時をかける少女」と「果てしなきスカーレット」の共通点を編集者がトーク

編集者が作家・細田守の魅力をトーク

細田守監督が自ら小説化「時をかける少女」と「果てしなきスカーレット」の共通点を編集者がトーク

12月21日(日) 7:00

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愛知県名古屋市で開催された第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル(ANIAFF)のディレクター・フォーカス 細田守監督特集部門で、「時をかける少女」(2006)が109シネマズ名古屋で上映された。

上映前には「作家・細田守」と題したトークイベントが行われ、映画「時をかける少女」を細田監督が自ら小説化した『時をかける少女 A Novel based on the Animated Film』の編集を担当したKADOKAWA山本有希子氏、藤田孝弘氏と映画のプロデューサーを務めた井上伸一郎氏が映画と小説、それぞれの立場から作品の成り立ちと魅力を語った。

細田守監督による「時をかける少女」は、テレビドラマや映画で何度も映像化されてきた筒井康隆の名作小説を、初めてアニメーション化した作品。ひょんなことから過去へ飛べる「タイムリープ」の力を手にした女子高生・真琴が、過去を何度もやり直すうちに、人生のかけがえのない時間の尊さに気づく姿を描く青春SFドラマだ。

井上氏はまず、アニメーション版「時をかける少女」が筒井康隆氏の原作をそのまま映像化したものではなく、続編的な位置づけのオリジナル作品として構想された経緯を明かす。企画段階で筒井氏本人に直接会い、その後シナリオを送り、「原作と全然違う」と言われながらも、最終的には「違うのがいい」と、許諾をもらったというエピソードを披露する。

細田監督が小説を書くことになったきっかけも、メディアミックスを売りとするKADOKAWAで長年活躍した井上氏のアイデアだった。「細田監督が宮本輝さんが好きだという話をしていたのを覚えていて、以前から文章も読んでいましたし、小説を書けるんじゃないかと思ったんです」と振り返り、「おおかみこどもの雨と雪」で小説家デビューを果たした背景には、映画の物語を最も深く理解している本人が書くからこそ、映像と地続きの小説になると考えたそう。

そして、「今回の小説版『時をかける少女』も書き下ろしで出していただいたんですが、実はこれも数年前に私がお願いしていて、その時も最初は嫌がられるだろうなと思ったので、先に筒井先生に許諾を取ってしまいました」と明かす。

その後、編集担当となった藤沢氏は、「今回『果てしなきスカーレット』を作る過程で、監督の方から『時をかける少女はどうやったら(小説として)書けますかね』という相談を受けたんです。時間もかなり経っていて、当時のノリをどう小説にするかが一番引っかかっていたんだと思います。そこで私が、回想形式にしたらどうですか、という提案をしましたがうまくいかなくて。その後、どうしようかという話になった時に、スタジオ地図の高橋プロデューサーに『スカーレットのヒロインと時かけの真琴は通じるものがある』と言われたんです」と、「果てしなきスカーレット」がきっかけになったというエピソードを明かす。

「最初は半信半疑だったんですけど、話していくうちに、未来に向かって決断していくヒロイン像や、時空を超えた出会いという点で、確かに通じるものがあることに気づき、もう一度やってみましょう、ということになって、非常にいい小説に仕上げていただきました」と振り返る。

もともと映画版の大ファンだったという山本氏は、細田監督による小説版について「実際に読んでみると、映画のコミカルなテンポ感やセリフの生き生きした感じがそのまま文章に残っていて、さらに真琴たちがその時どう思っていたのかがより深くわかる、小説ならではの面白さがありました」と語り、編集者として表紙、装丁、黒板の色と“Time waits for no one.”という言葉、背景美術を多用するなど、映画と文学の橋渡しになるよう意識した装丁、デザインにこだわったそう。

最後に山本氏は、「細田監督がお書きになった小説版はとても味わい深いです。もちろん筒井先生の原作も含めて、ぜひ読んでいただければと思います。アニメーション映画版も本当に傑作」と称えて重層的な楽しみ方を観客に呼びかけ、トークを締めくくった。

【作品情報】
時をかける少女(2006)

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