「僕が見たかった青空」、2023年6月15日に乃木坂46の公式ライバルグループとして結成したアイドルグループ(通称:僕青)だ。
同グループはセカンドシングル以降、シングル選抜システムを採用。メンバー22人(1名活動休止中)は、表題曲やメディア出演をしていく選抜の「青空組」と、ライブなどを中心に活動する「雲組」の2つチームに分かれて活動している。
この連載「あの日夢見た雲組」は、7枚目シングル「あれはフェアリー」で構成された雲組単独公演のライブとともに、雲組で切磋琢磨するメンバーに注目していく。今回は、7枚目シングルに収録される雲組の新曲「カイロに月」のMV撮影に完全密着。新体制の雲組10名に今シングルへの意気込みやMVにまつわるエピソードなどを語ってもらった。
安納蒼衣「ファンの方にしっかり見えもらえる位置」
――初めての雲組として参加したMV撮影はどうですか。
安納:
私を応援してくれてるファンの方からしたら、ここまでしっかり見えもらえる位置でパフォーマンスする楽曲はなかったので、今後のライブやイベントで皆さんの前でパフォーマンスするっていうのがすごく楽しみです。校庭で踊っているときに皆さんの顔を想像しながら踊りました!
――青空組での経験が雲組で生きていることはありますか。
安納:
今年9月の青空組単独公演は準備期間がタイトだったので、振り入れの時間が1曲30分ぐらいで仕上げていったんです。今回、雲組に初参加するときに新しい曲を覚えることは大変だったんですが、青空組の経験で得たことを基準に考えることができたのでやっていてよかったなって思いました。
――自主練する機会も多かったと聞きました。自宅ではどのように練習してるんですか?
安納:
楽曲のオリジナルメンバーの振り動画を保存して、ひたすら繰り返し見て、頭の中で振り付けが完璧に踊れる状態にして。それから立ち位置表を見ながら曲を流して、イメージトレーニングと同じように体を動かすっていう感じでやってます。人それぞれだと思うんですけど、私は振り先行型です。
レッスン中に苦しくなる時も「ニコニコ担当で」
――青空組と雲組だとレッスンも違うんですか。
安納:
結構違いますね。私もまだ慣れてないので、レッスン中に苦しくなっちゃう時もあるんですけど、ここで勝手に苦しくなってたら 10人しかいないから。一人がそういう思いをしてたら、全体の空気も悪くなっちゃうんですよ。だから私は今回、ニコニコ担当で頑張ろうっていうのを心掛けてレッスンに励んでいます。
――雲組はシャイな方は多いような気がしていたので。
安納:
私が変えたいです。
――今回のMVで見てほしいポイントはありますか。
安納:
今回はドラマ仕立ての部分もたくさんあるので、私たちと一緒に学園生活を過ごしてるような感じで観ていただけたら、たくさん可愛いポイントが見つかるんじゃないかなって思ってます!
――この期間で安納さん個人として注目してほしいところは?
安納:
今まであまり表に出なかった私の一面というか、感情を雲組単独公演などを通して見てもらえたらいいなと。そういう魅力もあるんだよっていうことに気づいてもらえる期間にしたいです。
萩原心花「学生時代は一日5食の生活」
――撮影は順調でしたか。
萩原:
順調です!久しぶりに学校に来たんですけど、やっぱり僕青は学校だな!と感じました。みんな似合うから。
――萩原さんも似合う?
萩原:
それはちょっとわからないです。だって私の制服姿を見た美伊咲がさっきイジってきたんです!ちょっと許せません!(笑)
――どんな学生だったんですか。
萩原:
勉強はあまり好きじゃなくて。基本的にボーっとしていたのと、めっちゃ食べてましたね。朝ご飯を食べて、学校に行くまでの通学路でお菓子をつまんで、二限目が終わった頃に購買に行ってパンを買って食べて、ちゃんとお昼も食べてました。だからもうめっちゃ太ってたんですよ。
――今聞いてるのは二限目が終わるぐらいの時間なんで、本来は買い食いをしている時間だったんですね(笑)
萩原:
授業のシーンで、私の机のなかにおにぎりかパンが入ってないかなーと思って探してましたけど何もなかったです。本来ならポテトを忍ばせて、つまみ食いしたかった(笑)
――ちなみに学校帰りはどこか寄り道したり?
萩原:
ご飯を求めて、定食屋さんとかファストフードとかに行ってましたね。で、帰ってから夕ご飯も食べてたので、一日5食の生活でした……。でも安心してください、あの頃に比べたら今は3分の1ぐらいになってます!
寂しいけど笑っているのも僕青らしさ
――新体制の雲組の感触は?
萩原:
変わらずに素敵なメンバーですし、単独公演に向けて一致団結にしてるなっていうのは感じますね。6枚目の期間にグループとして変化はあったんですけど、いい意味で変わらないというか。ただ、レッスン中に「このメンバーで踊れるのはあと何回なんだろう」って急に寂しくなるときはあります。寂しいけど笑っているのも僕青らしさかなと思います。
――7枚目の期間が始まるときにブログに熱い言葉を書かれていて、少し意外な一面でした。
萩原:
私は感情が伝わりづらいって言われることが多かったから、ちゃんと気持ちを伝えたいと思ってブログは書くようにしてます。ファンの方は優しいので、「一緒に頑張ろうね。期待してるから」と受け止めて求めてくださるから、もっと頑張ろうって思えます。
――徐々に変わってきた感覚なんですか?
萩原:
そうですね。僕青に入る前と後で考え方も大きく変わったなと思うし、こういう活動のなかでさまざまな人と出会って考え方の幅が広がりました。以前よりもポジティブに捉えられるようになったかな。
――MVの見どころはどこですか。
萩原:
歌詞に感情を乗せた表情に注目してほしいなって思います。
――萩原さんはメンバーとの距離がめちゃくちゃ近いように思うんですけど、その距離間はグループ内だけですか?
萩原:
そうですね。僕青になってそのあたりの性格も変わったというか、ベタベタするようになりました(笑)。私の彼女だったひとみん(長谷川稀未)が青空組に行ってしまったので、今は振付師の先生にくっついてます。メンバーだと、(伊藤)ゆずちゃんかな。最近は諦めて受け入れてくれてる気がします。
八重樫美伊咲「今までとは違う雲組に」
――現役JKということで、さすがに制服姿も馴染んでますね。そのなかで、萩原さんの制服姿をイジっていたと。
八重樫:
……イジってません!(笑)
――萩原さんがイジってきたと。
八重樫:
えー、いつのだろう(笑)
――廊下のシーンではジャスチャーしりとりで盛り上がっていましたけど、あれは普段の僕青の雰囲気に近い?
八重樫:
結構そのままだと思います。だけど、まだ少し緊張気味だったかも。今回のMVでは初めてのシチュエーションもあったので。
――新体制の雲組の印象はどうでしょう。
八重樫:
めっちゃ良いメンバーだなって思います!6枚目でまとめ役だった(塩釜)那菜ちゃんとひとみんが青空組に移動したので、(伊藤)ゆずちゃんがメンバーのことをまとめてくれていて、今までとは違う雲組に仕上がっていきそうだなという期待があります。
――伊藤さんはどんな風にまとめてくれますか?
八重樫:
とにかく優しいです。私とは年齢が9歳離れているんですけど、話を合わせてくれるんですよ。話しやすいし、ひとりひとりをしっかり見てくれて接してくれるので姉貴って感じです。ゆず姉って呼んでいます。
――どんな会話で盛り上がってるんですか。
八重樫:
会話というよりもゆず姉が私の話を引き出してくれるんですよ。聞き上手だからなんでも話したくなっちゃう。
少しでも和らげられるようにみんなで支えたい
――7枚目の雲組はどんな期間になりそう?
八重樫:
まだ活動は始まったばかりなんですけど、雲組に初めて参加する安納蒼衣ちゃんもいるので、どう引っ張っていくか、どんな単独公演にしていくのかっていう話し合いを重ねています。すごく楽しみですね。
――「カイロに月」の印象は?
八重樫:
僕青で冬っていう感じの曲がなかったので、今回はTHE・冬っていう感じでMV撮影も新鮮でした。
――6枚目の「虹を架けよう」では八重樫さんとダブルでメインメンバーを務めていた工藤さんがソロでメインメンバーを務めます。
八重樫:
私が(工藤)唯愛の立場だったら、不安というより怖さのほうが勝つと思うので、少しでも和らげられるようにみんなで支えたいです!
――今回のMVの見どころは?
八重樫:
前作のMVは1つの家でみんなが生活しているような内容でしたが、今回はまた新しい雲組の魅力が溢れている作品です。唯愛が主人公の物語なのですが、私の成長した姿も見てもらえたら嬉しいです!
伊藤ゆず「積極的な性格ではないけど、ここで変われたら」
――新体制の雲組が動き始めましたね。
伊藤:
個人的には、結構ほんわかした子たちが集まったなという印象です。でも自分を持っているというか、内に秘めた気持ちは強いと思っているので、各々が自分を出せる期間になったらいいなと思ってます。
――7枚目の雲組のまとめ役を伊藤さんが担っているという話を聞きました。
伊藤:
選抜発表があった日に雲組だけで集まって話をしたときに、スタッフの方から「7thシングル雲組のリーダーをしてもらいたい」というふうに言っていただきました。ただ、その話がある前から菜那ちゃんと稀未ちゃんが青空組に移動して、その役割を自分がやりたいと思っていたので。そんなに積極的な性格ではないんですけど、ここで変われたらいいなと思ったんです。
――メンバーから“ゆず姉”って呼ばれてるんですよね?
伊藤:
人によるんですけどね(笑)。初期の頃に持永真奈ちゃんと安納蒼衣ちゃんから「ゆず姉って呼んでいい?」って聞かれて、そこから呼ばれるようになりました。
――実際にご兄弟はいらっしゃるんですか?
伊藤:
いないです。ひとりっ子だから妹や弟がほしいなと思っていたので、今の環境はすごく嬉しいですね。
――工藤さんが伊藤さんの肩に寄りかかるようなシーンなど、雲組の関係性がMVからも感じとれそうですね。
伊藤:
普段の雰囲気があのままで、それを汲み取って入れてくれたのかなって。唯愛ちゃんも素の感じで楽しんでいた気がします。
「自分なんか」をなくしていきたい
――「カイロに月」の魅力は?
伊藤:
今までキャッチーで元気な曲っていうのが雲組楽曲では続いていたので、初めての冬の楽曲で、その世界観に合ったMVだなと思います。ダンスシーンでは歌詞とリンクしているしなやかさ。1サビとラストのサビは同じダンスのように見えて、少しずつ変化している振り付けや表情にも注目してもらいたいです。
――萩原さんから聞いたのですが、伊藤さんが新体制の雲組のいちゃつき相手になってるとか。
伊藤:
そうなんですよ。今まで長谷川稀未ちゃんがその役だったんですけど、7枚目シングルで離れちゃったので、私に抱きついてきて「稀未ちゃん!あ、間違っちゃった~」とかふざけて言ってきたりします(笑)
――まとめ役の伊藤さんが雲組に取り入れたいことは?
伊藤:
もっと素直に意見してほしいなって。今までは「自分なんか」と思って勇気が出なかった子が私以外にもいたと思うから、もっとラフに話してもらえるような環境を作れたらいいなと思います。
――まずは、ゆず姉の胸に飛び込んで来いと。
伊藤:
そうですね(笑)
持永真奈「卒業を実感し始めていて寂しい」
――3枚目シングル以来の雲組、そして、年内いっぱいで卒業を控えています。今の心境から聞かせてください。
持永:
発表してから少し時間は経ったんですけど、卒業することを実感し始めていて寂しくなっています。私の好きなこと、得意とすることが歌とダンスなので、雲組だと定期公演があってファンの方と身近にお会いできますし、パフォーマンスも届けられるのが嬉しいですね。ワクワクした気持ちで頑張ってます。
――ブログでも触れられていましたけど、卒業を発表したから雲組に移動してきたわけじゃないと仰っていましたね。
持永:
そうですね。そこはスタッフの方が考えてくださったのかなと思いました。もちろん、青空組にいたときに十分にアピールができなかったこともあって、それは反省点として持っているんですけど、最後は雲組でパフォーマンスできることを嬉しく思っています。
――持永さんが今回の雲組に参加するときに掛けてもらった言葉は覚えてますか?
持永:
青空組のときもダンスのことを聞いてくれるメンバーが多かったんですけど、雲組に来てからも頼りにしてくれるような言葉をくれたのが嬉しかったですね。3枚目シングル「スペアのない恋」で雲組にいたときもそうなんですけど、青空組とは違う空気感があって、みんなで助け合って絆を深める意識は強いかもしれない。今回久しぶりに帰ってきて、ほっとしたところもあります。
高校時代は「とにかくアルバイト」授業中は…
――高校生の頃はどんな学生生活を送っていました?
持永:
とにかくアルバイトを頑張ってました。ファストフード店とか和菓子屋とかカラオケ屋とか綿菓子の専門店とか、数えきれないぐらいやってました。部活も軽音部とダンス部に所属してたので、部活とバイトで大変でしたね。
――そうなると、授業中は?
持永:
寝てしまうこともありましたね(笑)
――撮影中に印象に残ったことはありますか。
持永:
英語の授業を受けている教室のシーンを撮っていて、監督さんから「ノートに書き写しながらでもいいよ」って言われたんですけど、猫ちゃんの絵を描いてました(笑)
――今回のMVの見どころは?
持永:
ダンスもですし、教室シーンが今までよりもリアルな雰囲気だと思います。個人的にはMVのなかで、3種類の衣装(制服・私服・シングル衣装)を着るのが初めてだと思うので、それがどう合わさっているのかも楽しんでいただきたいです。あとは、今年で22歳なんですけど……、髪型はツインテールの希望を出しまして。アイドルっぽい私を見てもらいたいです!
――たしかに制服でツインテールはプライベートだと……。
持永:
絶対にできない、完全にコスプレになっちゃう(笑)。今回は制服も私が学生時代に着ていたカーディガンと似てたりするんですよ。懐かしい気持ちになりました。
【僕が見たかった青空】
2023年6月15日に結成したアイドルグループ、通称は「僕青」。7枚目シングル「あれはフェアリー」が発売中。僕が見たかった青空の2025年を締め括るワンマンライブ「BOKUAO青春納め2025」が12月28日(日)に東京・TACHIKAWA STAGE GARDENで開催決定。最新情報は公式HPをチェック
<取材・文/吉岡 俊撮影/星 亘(扶桑社)>
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