圧倒的に結果を出している人は、他の人と何が違うのか?
経済レポーターとして活動していた頃、大型連休に、著名な投資家の方々と食事会をしようという話になったときのことです。
みんなが盛り上がる中、桁違いの結果を出されていた資産20億円超の投資家さんだけが、こう言って参加を渋ったのです。
「休み明けの決算の予習をしないといけないから…」と。
そのときに痛感しました。
結果を出している方ほど、みんなが休んでいるときに地味な作業をコツコツとされているのだな、と。
誰も動かない時間にこそ、動くだけで一気に差をつけられるーーそう考えると、実は効率のいい話かもしれません。
今回は「誰も動かない時間の行動」が最強のチート術である理由をお話しします。
売れっ子ホステスはお正月休みにとにかく動く
夜の世界でも、お店が完全に休みとなる年末年始にどれだけ動いたかによって、翌年の売上に大きく差が出ます。
お客様全員に、年の瀬や新年のごあいさつは当たり前。売れっ子であれば、一人一人にその年の思い出話を添えたLINEを送るなど、丸1日~数日かかる作業になることもめずらしくありません。
1年に1度の営業電話で差をつける
私自身も、この「みんなが休んでいる時間に動くこと」の効果を実感していました。
銀座で働く前、東京郊外でキャバ嬢をしていた頃。
私は普段、お客様への営業電話は一切しないタイプでした。でも年に1度だけ、必ず電話をかけていた唯一のタイミングが年越しでした。
カウントダウンで0時を迎えた瞬間、お客様にひたすら電話をかけるのです。既婚者のお客様は除き、50人ほど。
「年越しにまでお客様に電話なんて、大変…」と思われるかもしれません。
でも実はこの方法、最高に効率のいいチート術なのです。
新年のごあいさつはLINEで送るのが普通で、あえて電話をかけてくるキャバ嬢などいないので、意表を突けるからです。それだけで格段に差がつきます。
30秒の価値が最大になるタイミング
さらに、最高に効率がいいと言える理由。それは、年越しは電話がとにかく短く済むということです。
普段は、お客様に電話をかけたら切りづらくなってしまい、30分、1時間と続いてしまうこともあります。
でも、年越しだけは例外です。
「新年一番にあいさつしたくて」
とだけ伝えて、小声で「(帰省中で)隣で母が寝ているから、切るね」と言えば、引き留めてくるお客様はいらっしゃいません。30秒もあれば電話を切れるのです。
普段、お客様50人に電話をしようと思ったら、話す内容も時間帯も個別に考えなくてはならず、数日かかります。
それが、年越しだけは1人あたり30秒。50人に電話をしても計30分で完了です。
普段の営業電話を30秒で切ろうとしたら「雑だな」と思われてしまいますが、この日だけは同じ30秒がこの上なく価値あるものに変わります。
着信履歴を残すだけで十分
また、年越しはご家族や仲間と過ごす方も多く、電話に出られないお客様も少なくありませんが、それでも効果は変わりません。
着信履歴を残し、「おめでとうを直接言いたかっただけ」とLINEを入れておくだけで十分です。
年越しにわざわざ電話をしてきてくれた、という事実だけで、お客様はとても特別に感じてくださるからです。
閑散期に一人勝ちできる“たった30分”の威力
年越しの“たった30分”の威力は絶大で、私は毎年、夜の店が閑散期となる1月に突出して指名が増え、No.1を取りやすくなっていました。
銀座に移ってからは、既婚者のお客様が大半なので、この方法は使えなくなってしまいましたが…。
実はこの儀式、私が編み出したものではなく、もともとは先輩世代のあるNo.1キャバ嬢の方から学んだものです。昔から結果を出されている先輩方には、見習うところがたくさんありました。
朝5時前から動き出す証券マンの勝算
みんなが休んでいるときこそ、大きく差をつけられるーー昼のビジネスでも同じことは言わずもがなです。
私の周りには仕事柄、証券マンの方が多いのですが、人一倍稼いでいる方はみんなが寝ている早朝から当たり前に動いています。
以前、SHOWROOMの前田裕二社長が『人生の勝算』という著書の中で、投資銀行の証券マン時代、毎朝5時前に出社していたと書かれていました。
始業時間である9時までに日経新聞を読み込み、相場の下調べを完璧にして仕事に臨んでいたそうです。それも、どんなに寝不足な日も絶対に。
同じ作業を、みんなが出社してからしていたら埋もれてしまうのでしょう。誰もが真似できない時間にやるからこそ、圧倒的に勝つことができるのですね。
誰も動かない時間が勝敗を分ける
投資でも、夜の世界でも、昼の仕事でも――勝つ人は「誰も動かない時間に動いている」ということ。
華やかな結果の裏にある地味な行動の積み重ねで、静かに差をつけているのです。
<文/山崎みほ>
【山崎みほ】
経済レポーター。証券外務員一種/行動心理士。株式投資情報のレポーターとして、上場企業の取材記事や経済ニュースを執筆。Yahoo!ファイナンス、YouTube等メディアでは上場企業社長のインタビューも行う。また、銀座の高級クラブでホステスとしても勤務、心理学と行動経済学の知識を基にNo.1を獲得。経済レポーターの深い洞察力と人気ホステスとして培った対人関係術を融合し、夜の世界では1日40組、昼間の営業職では成約率90%の成績を上げるなど、昼夜問わず結果を出すスタイルを築いている。Xアカウント:@mihoy001
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