日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『エディントンへようこそ』をレビュー!

監督のアリ・アスターは「コロナ禍を舞台にした新時代の西部劇」を目指したという

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『エディントンへようこそ』をレビュー!

12月19日(金) 17:00

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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。『ミッドサマー』アリ・アスター監督の新作!***

『エディントンへようこそ』

評点:★3点(5点満点) ©2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.

©2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.



ブラック・コメディの登場人物は我々自身だ久しく会っていない知り合いをSNSで見つけたと思ったら、とんでもない陰謀論者になっていて驚いた経験のある人は結構いるはずだ。

あるいは過激なソーシャル・ジャスティス・ウォリアーや「IGアクティビスト」(インスタグラム上で活動する「在宅アクティビスト」のこと)の場合もあるだろう。

もちろん、社会の不正や政治の腐敗に対して怒り、声を上げることは重要だし本質的でもある。

だが、どういう立場であれ「敵対勢力との戦い」が高揚感と熱狂に包まれるとき、人の目は往々にして曇るものだし、そうやって言動が先鋭化する中において、彼らの集合的な精神は現実から乖離してしまう。

本作の舞台はアメリカの小さな田舎町。世界的な新型コロナウイルスのパンデミックから取り残されたような、そんな小さな町が、オンライン上で形成されるイデオロギーや陰謀論の直撃を受けて文字通り殺伐とした戦場へと変化していく―我々が暮らす世界そのものと同じように。

本作の舞台は2020年5月だが、当時は実際、あらゆる熱狂が人々を突き動かしていた時代であり、世界はまだその余波のうちにある。我々は皆、このブラック・コメディの登場人物なのだ。

STORY:2020年、ニューメキシコ州の小さな町、エディントン。コロナ禍生活の中、住民たちの不満と不安は爆発寸前。保安官ジョーは市長テッドと"マスクをするしない"の小競り合いで対立。「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補する



脚本・監督:アリ・アスター

出演:ホアキン・フェニックスほか

上映時間:148分

全国公開中

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