「GREEN OCEAN」は東映アニメーション、DeNA、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻企画開発研究室の3者により、今年10月27日に設立されたクリエイターズレーベル。その名称は、東京藝術大学出身で日本のアニメーション黎明期から活躍した小田部羊一氏、およびそのスタッフが『どうぶつ宝島』(1971年/東映動画 ※現・東映アニメーション)で、海の色を敢えて青ではなく鮮やかな緑で表現したことから着想、命名された。 設立と時を同じくして、「GREEN OCEAN」の第1弾プロジェクトとして、川崎市をホームタウンとするB.LEAGUE所属のプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」のマスコットである「ロウル」とコラボレーションし、川崎の街をテーマにしたアニメーション映像『ロウルと名前のないものたち supported by 川崎ブレイブサンダース』(クリエイター:植草航)を発表。
今回はその第2弾プロジェクトとして、『銀河鉄道999』を題材に採ったMVが制作され、12月13日(土)より横浜スタジアムと横浜公演を中心に開催中のクリスマスイベント「BALLPARK Xmas YOKOHAMA KANNAI 2025」でお披露目となった。
イベント開始日には、東映アニメーションブースに制作スタッフの1人でディレクションを担当したクリエイター・G子さんも来場、その場で制作の過程や内容についてのこだわりなどを伺った。

▲(右)G子さん、(左)東映アニメーション プロデューサー/野口光一氏。
まず映像を観てすぐに気になったのは画面サイズが4:3であることで、これは若いクリエイターとしては意外な印象でもあったのだが、G子さんは「私たちの世代的にはもう画面サイズの制約があまりなくて、スマホなんかでももう16:9ですらない比率だったりするんですね。だから逆にどんな比率でもいい。だったら、比率として16:9より美しいと思っている4:3を使いたいと。それに、今回は作品の文脈としても一番適していると思いました」とその理由を語ってくれた。
また、特に力を入れた点については「『銀河鉄道999』のTV版や劇場版を観て、綺麗だなと思った要素を入れようということで、透過光の表現を取り入れています。といっても、私たちにはそのまま昔のようなやり方は難しいので、画面を直撮りして合成するという透過光のジェネリック表現みたいなことをやっています。チーム内にそういったことが得意な人がいて」と、独特の手法で制作された過程を明かした。
『銀河鉄道999』を題材としながらも登場するのがオリジナルキャラクターであることについては「ストーリー仕立てにしたいというのは最初からあったんですが、メーテルと鉄郎のアナザーストーリーみたいなものにしてしまうのは違うよねというか、それは恐れ多いというか(笑)。じゃあ、あの空間にいたかもしれない別の誰かの話にしてしまおうと。『銀河鉄道999』の魅力は地球とは違う別の星々を訪ねて、そこにはいろいろな世界が広がっていることだと思いますし、 ”別れ” とか ”青春” というのもテーマの一つだと思うので、そこをフィーチャーしてみたかったんです。 彗星の子どもみたいなイメージで、軌道に乗って地球の子どもと交流するんだけれど、時期が来るとまた宇宙に戻っていく、みたいな感じですね。「Orbital Resonance」っていうタイトルは、2つの軌道がある点で交差するといった意味の言葉なんですけれど、それは(チームの一員である)午菴(クルミ)さんが提案してくれました」とその背景を説明してくれた。
チーム内での役割分担については「私は監督とメインのキャラクターを主に担当していて、白都(凡老)さんが水彩を使った背景と一部のキャラクター、あとは先ほど言った透過光の表現をはじめ、貼り込みとか合成とかの部分で手伝っていただきました。午菴さんはサビのエフェクト表現とか、背景の星空ですね。アルミホイルに穴を空けて裏から光を当てて、それを撮影してデジタル上で合成することで星の瞬きを表現しています。そういった ”藝大らしさ” みたいなものを私がまとめるみたいな形でしたね」と語る。
さらに、オールドファンにはなじみ深い楽曲『GALAXY EXPRESS 999』のアレンジについては「まずアレンジを担当してくれた田川(めぐみ)さんにストーリーを説明して、素朴な感じであんまり作り込みすぎない感触の歌い手さんはいませんか?と尋ねて紹介してもらったのが(歌唱担当の)KOCHOさんだったんですね。素晴らしい歌を歌ってくださって、聴いた瞬間にすごくよくなって感動しました」と、Adoの楽曲などのMV制作を中心に活動しているG子さんならではのディレクションがなされたことがうかがえる。

▲実は、東映アニメーションとDeNAが関わった、こういった未来あるクリエイターを応援する取り組みは「GREEN OCEAN」が初めてではない。2023年には今回と同じく『銀河鉄道999』の新MV制作プロジェクト、2024年には『楽園追放 -Expelled from Paradise-』のプロモーション映像と、その設立前から継続してきた延長線上に「GREEN OCEAN」があると言える。
ブースでは今回制作されたMVのデモ上映が行われるほか、『銀河鉄道999』の鉄郎・メーテル・車掌さんと一緒に記念写真が撮れるフォトスポットはもちろん、上記のこれまでの取り組みについてのパネル展示、東映アニメーションと円谷プロダクションが共同製作する新作アニメ『怪獣デコード アイダラの指輪』や来年11月公開の『楽園追放 心のレゾナンス』、東映アニメーションが手がけるメタバース空間「ONNON STUDIOS」などの展示も。立ち寄った来場者には、お帰りの際に特製トランプが配付される。
イベントは21日(日)まで開催中。20日(土)・21日(日)の2日間は『楽園追放』のカード配布も行われるとのこと。お近くの方はぜひ足を運んでみてほしい!
>>>会場の様子をチェック!(写真8点)
(C)松本零士/零時社・東映アニメーション
(C)GREEN OCEAN
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