クラシックカー2台を日常の足にしてみる|『Octane』UKスタッフの愛車日記

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クラシックカー2台を日常の足にしてみる|『Octane』UKスタッフの愛車日記

12月18日(木) 12:11

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『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。ここ数年、身近にクラシックカーがなく寂しい思いをしていたマーク・ディクソンが、1970年ローバー3500Sと1998年いすゞ・トルーパー(ビッグホーン)3.1Tdの2台を手に入れることになった顛末を語る。

【画像】波乱に満ちたヒストリーをもつ1970年ローバー3500S。スペインでのテスト走行時の写真も(写真5点)


振り返ってみれば、あれは運命だったのかもしれない。オークションに出品されるクラシックカーを見に行く途中のこと。2006年ボルボXC70のオートマチックトランスミッションが滑り始めた。9年前にも同じ症状が一度だけ出て、その時はトランスミッションを完全に分解して修理したが、2000ポンドの請求書が届いたのだった。私は引き返し、かろうじて自宅まで戻り、翌日のオークションへは格安のレンタカーで向かった。

実を言えば2023年初旬に1966年マスタングを手放して以来、実際に使えるクラシックカーが身近にないことが寂しかった。そこで考えた。いっそのこと、クラシックカーを日常の足として使って、モダンな車(=現代車)の方をすべて手放すことはできないだろうか、と。うちのボルボは19年落ちとはいえ、私にとっては間違いなく「モダン」のカテゴリーに入る。

問題なのは、私のように田舎に住んでいると、故障で車が動かなくなった場合に移動手段が完全になくなってしまうことだ。そこでまた考えた。導き出された男らしい明快な解決策は「クラシックカーを2台買うこと」。片方が修理中でも、もう片方は必ず走れる、というのが根拠だ。私はその解決策を選ぶことにした。

ボルボとお別れすることにしたことで、チェシャー州のマンナー・パーク・クラシックス社のオークション出品車に入札する決心がついた。その車とは1970年ローバー3500Sで、かなり特別な一台だ。同社初のマニュアルトランスミッション搭載のV8車であり、元々は北米仕様の左ハンドルのP6だった。ローバーのエンジニアが生産ラインから引き抜いて、3500Sのプロトタイプへと改造したものだった。その後5年間、開発車両として使用され、最終的には実験的なSD1エンジンと5速のLT77ギアボックスを搭載した。現在も、その両方を保持している。

シャシー番号0001Mは、1975年にローバーが売却した後、波乱に満ちた生涯を送った。少なくとも2回はレストアされ、内装は3回か4回ほど変更されている。ただし、外板がボルトで固定される最も重要なベースユニットは、オリジナルのままだ。ボンネットのパネルがその証拠で、中央部が切り取られ、ボルトで再度固定されている。これは、開発中にエンジンの載せ替えを容易にするためだ。両側の切断面とボルトは、現在も残っている。

そのローバーを私は8600ポンド(購入手数料と付加価値税込みで合計9890ポンド)で落札し、2日後にはその車を運転して自宅に持ち帰った。最初の数マイルは、まるで豚のような走りっぷりだった。エンジンが不調で失速を繰り返しながら、ガソリンスタンドを探した。ああ、自分はいったい何をやらかしてしまったんだ?と悔やんだりもした。しかし給油後、二車線道路へ入った途端、エンジンは瞬く間に滑らかになり、後悔は喜びへと変わった。その後の4週間で、ノートラブルで1800マイルも走行している。気になるのは、ホイールベアリングが少しうるさいことくらいだ。

ローバーは現在ベアリング交換のため工場に入庫中だ。代わりに、最近購入したもう一台の車を使っている。いすゞ・トルーパー(ビッグホーン)の、第二世代の後期型SWB(ショートホイールベース)モデルだ。3.1リッターの力強い直列4気筒ターボディーゼルエンジンとセパレートシャシーを装備した、昔ながらの正統派4WD。排気音が最高だ!

1990年代のレンジローバーのクラシックと同様、トルーパー(ビッグホーン)はあまり注目されておらず、大半が農場で酷使されて朽ちかけていると思われる。この極めて状態の良い個体を、私は3750ポンドで購入した。ほとんどオフロードもしないままカーポートに10年間保管されていた。トルーパー(ビッグホーン)に思い出をお持ちの読者がいたら、ぜひエピソードをお聞かせいただきたい。

文:Mark Dixon
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