【写真】病に倒れ、最期の時が近づく蔦重(横浜流星)
横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第48回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」が12月14日に放送された。1年にわたる長き放送の最終回とだけあって、期待と寂しさが渦巻いていた中、始まりに描かれたことが多くの視聴者を驚かせた。(以下、ネタバレを含みます)
■数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く
森下佳子氏が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。
蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎の一つといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。
美人画が大評判となる喜多川歌麿役で染谷将太、蔦重の妻・てい役で橋本愛らが出演。語りを綾瀬はるかが務める。
■最終回で最期を迎えたもう一人の人物
主人公・蔦重が、別名・江戸患いと呼ばれる脚気(かっけ)となり、最期のときを迎えるまでが描かれた最終回。その始まりは、もう一人、最期を迎えることとなった人物の描写からだった。
蔦重も協力した定信(井上祐貴)らの治済(生田斗真)への仇討ち。阿波の孤島に送られることになった治済だったが、その道中で「用を足したい」と願う。そのすきをついて、見張りの者の刀を奪い、逃げ出した治済。
必死の形相で川の中を突き進み、追手の声が聞こえなくなると、笑い声を上げた。そして奪った刀を振り上げ、「待っておれよ、傀儡ども!」と叫んだ。すると、雷鳴とともに、治済の脳天に雷が落ち、絶命した。
■先代将軍や源内を思い起こさせる、治済への天罰
そのころ、江戸では、治済の“替え玉”となった治済そっくりの男、能役者の斎藤十郎兵衛のもとを蔦重が訪れていた。そこに本物の治済が命を落としたとの知らせが届いた。
報告によれば、「かたわらには変わった髷(まげ)の男がたたずんでいた」が、見張りの者たちがやって来ると「消えた」のだという。
治済のなりをした斎藤は「天罰」とつぶやいた。そこで思い返されるのは、第31回。大10代将軍・家治(眞島秀和)が死の間際、「天は見ておるぞ!天は、天の名を騙(かた)る、おごりを許さぬ!これからは余も天の一部となる…。余が見ておることを、ゆめゆめ忘るるな」と治済の胸倉をつかんで告げていた。企みにより嫡男が家治の後継となり、権勢をふるい始めようとしていた治済への忠告だった。
そして「変わった髷の男」というと、治済に排除された一人と思われる、亡き平賀源内(安田顕)だ。海外から伝わったエレキテルの装置の復元をしていた源内。第35回では、歌麿の師である鳥山石燕(片岡鶴太郎)が雷鳴のとどろく日に、庭先に“妖(あやかし)”を見た。その姿を、石燕は息絶えるそのときまで描いた。描かれていたのは雷獣。雷を起こす妖だ。その絵を見た蔦重は「源内先生っぽいな」と言っていた。
視聴者から「憎々しい」「ゾッとする」という声がたびたび上がっていた治済。これまでの悪行を、亡き者たちの総意でもあるというように、天罰というかたちで成敗する、痛快エンターテイメントドラマならではの結末だった。視聴者からも「スカッとした」「まさに天罰」「そうきたか!な展開に、思わずうなってしまった」といった反響が寄せられた。
■史実を交えた脚本の妙
最終回では、治済の替え玉となった斎藤についても驚きの秘密が明かされた。
治済が亡くなって戻ってくることもないとあれば、斎藤が替え玉を続ける用もないのではと思った蔦重。しかし斎藤は、お抱えの能役者だった蜂須賀家ではすでに代わりのものがいて戻るところがなく、今の暮らしも悪くないと思っていた。
そこで蔦重が思い付いたのは、斎藤を写楽につなげる案。蔦重は、写楽を作り上げてくれた歌麿ほか、重政(橋本淳)や政演(古川雄大)、喜三二(尾美としのり)ら絵師や戯作者たちに、「陰で骨を折ってくださった方」として斎藤の名をあげ、相談を持ち掛けた。「東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)」に「さいとうしゅう=さいとうじゅう=斎藤十」がたまたま入っているとして、「このお方も後の世で写楽の一人って名があがるような仕掛けができねぇかって」と言い、喜三二たちはその面白さに乗り気になるというところまでが映し出された。
先に蔦重が会っていたシーンで、絵を習ったことがある斎藤は、写楽絵も見事に模写していた。実は、現代ではその斎藤が写楽だという説が有力だともいわれる。それを含めて、謎多き絵師を物語と鮮やかに組み合わせて面白く、興味深く見せた、脚本の森下氏の手腕が光る。
また、ナレーションで、これまで斎藤が江戸市中の“流行(はや)り場”に姿を見せていたと明かされた。例えば、歌麿が描いた看板娘のいる店にできた行列の中など。治済だと思っていたのは斎藤だったとなると、また見返してみたくなる作りのうまさにもうならされた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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