大事件ばかりがニュースではない、身近な小さな事件の方が人生を左右することも。注目のテーマを取り上げ大反響を呼んだ2025年の仰天ニュースを特別セレクション!(初公開2025年8月1日記事は取材時の状況)
***
どんどん進化するIT革命。スマホひとつで簡単に会計ができる手軽さは、今や多くの国民が利用しています。ただ、そのような便利なサービスは、数多くの企業が参入し、複雑化していることも否めません。
今回取材したのは、ランチタイムのファストフード店で起きた、老人とハイテクノロジー端末にまつわるエピソードです。そこには微笑ましい結末もありました。
ランチタイムのファストフード店にて
「まさか、あんなに列ができるなんて思ってもみませんでした」
と語るのは、近くのスーパーに勤める
佐々木さん(29歳)
です。
その日、佐々木さんは昼休みに一人でファストフード店に立ち寄りました。店内には数組の客がいる程度で、レジ前も空いていたため、すぐに注文できると思っていたそうです。しかし、異変に気づいたのは、注文カウンターの前に立つ一人の高齢男性の様子でした。
「店員さんが何度も説明していて、老人の方もスマホをいじっていたんですが、うまくいっていない様子でした。だんだんと声が大きくなって、最終的にはちょっと怒鳴るような感じで…」
どうやらその男性は、財布を持たずにスマートフォンでの支払いを希望していたようです。
店員は何度も操作を手伝ったものの、決済が完了せず、支払いは一向に進みません。そのうちにレジ前には人が溜まり、気がつけば10人以上の行列ができていました。
店員も困惑し客のイライラもMaxに
「最初は、まぁ仕方ないなって空気だったんですけど、5分、10分と過ぎるうちに、明らかに後ろの人たちもイライラしてきて…。お店の人も、何度も『ここを押してみてください』とか声をかけていたんですが、うまく通じていなかったようです」
佐々木さん自身も、その列の中で「これはいつ終わるのか」と不安を抱えていたそうです。
列がどんどん伸びていくなか、店員の対応にも限界が見え始めていました。注文ができないお客が出てくることで、店内の空気は張り詰め、どこか居心地の悪さが漂いはじめます。
「レジ係の方もすごく丁寧に対応していたんですけど、もうどうしようもないって顔をしていて…。下手に怒るわけにもいかないし、店としても限界だったと思います」
このままでは営業自体にも支障が出かねない、そんな状況が続いていたそのとき、列の最後尾にいた一人の女性が静かに前に進み出たといいます。
解決へ導いた中年女性の正体
「その女性、最初はただのお客さんかと思ったんですが、突然スッと前に出て、何か老人の耳元でささやいたんです。そしたら急に、さっきまでキレ気味だったおじいちゃんが、表情を和らげて、そのまま彼女と奥の方に歩いて行ったんですよ」
落ち着いた雰囲気の優しそうな感じの女性が老人に声をかけたのは、騒動が始まってから約15分が経過したころでした。あれだけ店員の説明に耳を貸さなかった老人が、彼女の一言で素直に従った姿に、店内の誰もが驚いたといいます。
「店の奥に案内されたあと、老人は商品を手にしたまま椅子に腰掛けて、その女性と何か話していたんです。その間にレジは再開して、私たちもようやく注文できました」
実はその女性、隣の携帯ショップで働くシニア向けサポートを担当している方とのこと。佐々木さんが座ったテーブルの横で優しくレクチャーしているその女性の胸には携帯電話ショップの名札がついていたそうです。
「良く考えてみると、私も機種変するときにそのお店に行ったとき、その女性が受付をしてくれたことを思い出しました。とても親切な方でしたね」
トラブルの先に見えた“日常”と温かい配慮
「その後、気になってチラッと様子を見たら、あの怒っていたおじいちゃんが、その女性と並んでハンバーガーを食べていたんですよ。すごく穏やかな顔で…なんだかほっとしましたね」
女性はレジでの支払いをいったん現金で肩代わりし、席についてからゆっくりとスマホでの決済方法を説明したようです。後日、佐々木さんが同じ店を訪れると、再びその老人が姿を見せていたとのこと。
「今度は、ちゃんとスマホで”ピッ”と支払ってて、すごく得意げな顔をしてました。あぁ、あのときの努力が実を結んだんだなって、ちょっと感動しました」
この一件は、単なるトラブルではなく、現代社会が抱える“デジタルと高齢者”の課題を象徴するような出来事でもありました。
「技術って、使えるか使えないかじゃなくて、つなげてくれる人がいるかどうかが大事なんですね。あの女性の行動がなかったら、もっと大きなトラブルになっていたかもしれません」
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
【関連記事】
・
「あんた若いんだから、窓際のベッド譲れよ」同じ病室に入院する“ワガママ老人”を成敗した男性の行動――仰天ニュース特報
・
原付バイクを“あおり運転”した他県ナンバーの車が、警察の取り締まり“定番”スポットで捕まるまで――大反響セレクション
・
高額な“インプラント”を抜くはめに…歯医者が明かす、インプラント治療の“落とし穴”――大反響セレクション
・
“写真と違う”メニューを提供する居酒屋店主と大モメ。顛末を口コミに書いたら、「訴える」と激怒され…警察に相談した結果――大反響セレクション
・
「檀家からのカスハラ」に苦しむ僧侶の嘆き。四十九日を“タイパで処理”しようとする罰当たりも――大反響セレクション