今年の医療費を合算したら“9万円弱”でした。「10万円ルール」に当てはまらない場合でも、控除が使えるケースはある?

今年の医療費を合算したら“9万円弱”でした。「10万円ルール」に当てはまらない場合でも、控除が使えるケースはある?

12月15日(月) 4:20

1年間にかかった医療費を合算してみたら約9万円――この金額だと「医療費控除の10万円」に届かないため控除対象にならないと思っていませんか。実は、「10万円ルール」に当てはまらない場合でも、条件を満たせば控除が受けられる可能性があります。 本記事では、医療費控除の基本とともに、10万円に満たない場合でも控除が受けられるケースについて分かりやすく解説します。

医療費控除とは

医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その医療費を基に計算される金額の所得控除が受けられる制度です。
 
国税庁によれば、医療費控除の金額は「(その年に実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円」で計算されます。
 
通常、総所得金額等が200万円以上の人は「10万円」が基準となります。これが一般にいわれる「10万円ルール」です。
 
この控除は、自分自身や生計を一にする配偶者、その他の親族のために支払った医療費が対象になります。対象医療費には、病院での診療費・薬代のほか、一定の通院交通費なども含まれますが、美容目的の治療費など一部は対象外です。
 

「10万円」に満たない場合でも控除が可能なケースとは

医療費控除の計算において重要なのは、「10万円ルール」がすべての人に当てはまるわけではない点です。国税庁によれば、総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく「総所得金額等の5%の金額」が控除計算の基準となります。
 
例えば、総所得金額等が150万円の場合、5%は7万5000円です。この場合、年間医療費の合計が9万円であれば、医療費控除の対象となる可能性があります。
 
具体的には、保険金などで補てんされる金額がない場合、「医療費合計9万円-7万5000円=1万5000円」が医療費控除の金額となる計算です。これにより、所得税および住民税の負担が軽減される可能性があります。
 
なお、総所得金額等には給与所得、不動産所得や雑所得などを合算した所得全体が含まれるため、給与所得だけでなく副収入なども含めて総所得金額等を確認することが重要です。
 

「セルフメディケーション税制」という別の選択肢

また、「セルフメディケーション税制」という医療費控除の特例もあります。
 
これは、疾病予防や健康の保持増進のための一定の取り組み(定期健康診断、予防接種、特定健康診査など)を行っている人が、一定の医薬品(スイッチOTC医薬品および令和6年以降に購入された医薬品でスイッチOTC医薬品と同種の効能・効果を有する一定の医薬品)を購入した場合、その購入額が一定基準を超えていれば所得控除を受けられる制度です。
 
セルフメディケーション税制の対象となるのは一定の医薬品の購入費用で、年間で合計1万2000円を超える部分が控除対象となります。
 
ただし、この制度を利用する場合には、医療費控除とは別の計算ルールがあり、医療費控除とセルフメディケーション税制のいずれか一方のみを選択して適用することが必要です。同じ年に両方を併用することはできません。
 
どちらの制度を使うかは、実際の医療費・薬代の合計や所得金額を踏まえて、申告時に有利な方を選ぶ形になります。
 

実際に控除を受けるための手続き

医療費控除やセルフメディケーション税制を受けるためには、確定申告が必要です。近年はスマホやパソコンなどからe-Taxによる申告も可能で、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で「医療費控除の明細書」または「セルフメディケーション税制の明細書」を作成し、確定申告書に添付します。
 
セルフメディケーション税制を選択する場合には、対象医薬品の購入を証明するレシートなどを基に作成した「セルフメディケーション税制の明細書」と、一定の取り組みとして行った予防接種や健康診断などを証明する書類が必要になりますので、事前に準備して申告に臨むことが重要です。
 
医療費(病院・薬局分)とセルフメディケーション税制の対象となる医薬品分の領収書・レシートを区分して整理しておくことが、明細書作成や申告手続きをスムーズに進めるうえで有効です。
 

まとめ

医療費控除は「1年間の医療費が10万円を超えた場合に受けられる控除」という印象が強い制度かもしれませんが、総所得金額等が200万円未満であれば10万円ではなく「総所得金額等の5%の金額」が計算基準に用いられるため、9万円程度の医療費でも控除対象となる可能性があります。
 
また、セルフメディケーション税制という別の選択肢もあり、特定の医薬品の購入費用が一定額を超えた場合、その部分を控除対象とすることができます。どちらの制度を利用するかは、年間の医療費や薬代、所得金額を勘案したうえで、申告時に有利な制度を選ぶことがポイントです。
 
医療費控除やセルフメディケーション税制はともに確定申告が必要ですので、領収書やレシートなど必要書類を整理し、正確な申告手続きを行って負担軽減につなげましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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