12月15日(月) 9:00
正社員は月給制で収入が安定しやすく、一般的に社会保険や雇用保険への加入を前提とした雇用形態となっています。給与からこれらの保険料と税金が差し引かれるため、額面より手取りが少なく感じられますが、その分、病気や老後などに備える公的な保障が受けられる仕組みが整っているといえます。
一方、パートの収入は働いた時間に比例するため、「時給1500円×1日8時間×月20日=約24万円(額面)」となり、手取り17万円の正社員より収入が高く感じられる場合があります。ただし、勤務時間が減れば即収入に反映されるため、季節や体調などによって左右されやすい点には注意が必要です。
正社員の手取りが少なく感じる最大の理由は、税金と社会保険料にあります。社会保険料は会社と折半で負担しているとはいえ、給与から天引きされるため、月17万円という金額は控除後の実質的な可処分所得となります。保険料が引かれているのは、将来の年金や保障を充実する仕組みがあるためです。
一方、パートも一定の勤務時間や収入を超えると社会保険加入が義務化されるため、保険料負担が発生します。それによって手取りは想像より減り、フルタイムのパートで働く場合、正社員との差は縮まりやすくなります。
また、勤務先の状況によっては賞与の対象外、昇給の機会が少ないといったことも多く、長期的な年収の伸びは正社員より不利になるケースが多いです。
働き方の比較では目に見える収入額だけでなく、収入以外のメリットにも注目する必要があります。
正社員の場合、有給休暇や病気休暇を取得しても給与が減らない仕組みがあるほか、各種の福利厚生を利用できる企業が多くあります。これらは直接給与に計上されないものの、生活費の節約につながるため、実質的な収入増と捉えることができます。
また、パートでは働かない日は無収入になりやすく、有給以外で休みを取るほど年収が下がってしまいます。また、雇用契約が短期更新の場合、収入の安定性という面では正社員に劣る傾向があります。
単純に月の手取りだけを比べれば、時給1500円で安定して働けるパートのほうが有利に見える場合があります。しかし、正社員には社会保険や賞与・昇給、休暇制度、雇用の安定といった金銭的価値の高いメリットが多く、これらを踏まえると全体としてパートが有利とは言い切れません。
一方、「短期間で収入を増やしたい」「柔軟な働き方を優先したい」という人には、パートのほうが適している可能性があります。働き方の得損を判断するうえでは、手取り額だけでなく、将来の保障や安定性まで含めて総合的に比較することが重要です。
正社員とパートのどちらが得かは、収入の単純比較では決められません。税金や社会保険、福利厚生、休暇制度、そして将来の収入見通しまで含めた総合的な観点で判断する必要があります。
自分がどのような生活設計を描き、どの程度の安定性や保障を求めるのかを明確にすることで、より自分に合った働き方を選択しやすくなります。働き方に関する判断は長期的な視点を持つほど、後悔のない選択につながるでしょう。
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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