トム・クルーズが長年計画してきた宇宙空間での撮影映画が、実現困難な状況に陥っている。ドナルド・トランプ大統領に協力を求めることを拒否したことが原因だという。
クルーズは2020年、ダグ・リーマン監督とタッグを組み、宇宙空間で撮影する前代未聞の映画企画を発表した。リーマン監督とは「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や「バリー・シール アメリカをはめた男」で組んでおり、今回はスペースXとアメリカ航空宇宙局(NASA)の協力を得て、国際宇宙ステーションでの撮影を予定していた。しかし、発表から5年が経過した現在も、プロジェクトは実現に至っていない。
米Page Sixが報じたところによると、映画関係者に近い関係者は「私が理解している限り、この映画を作るにはNASAの協力が必要で、トム・クルーズはドナルド・トランプに協力を求めたくなかったようだ。連邦政府の許可が必要になる」と明かした。
関係者はさらに「トムは政治的理由で頼みたくなかったのだ」と付け加えた。クルーズは長年にわたって政治的に中立を保ってきており、今になって政治的な立場を明確にすることでファンを疎外したくないという意向があるという。実際、クルーズは今年、トランプから2025年のケネディ・センター名誉賞を打診されたが、「スケジュールの都合」を理由に辞退している。
トランプ大統領は、常に見返りを求めることで知られている。1992年の「ホーム・アローン2」の撮影では、自身が所有するプラザホテルの使用許可と引き換えに、自身の出演を要求。また最近では、親友の億万長者ラリー・エリソンに働きかけ、ブレット・ラトナー監督による「ラッシュアワー」シリーズの復活を推進。パラマウント(エリソンの息子デビッド・エリソンが率いる)が配給することになった。ラトナーは2017年に6人の女性からセクハラで告発されハリウッドから追放されていたが、メラニア夫人の4000万ドル規模のAmazonドキュメンタリーを制作し、業界復帰を果たしている。こうした背景から、クルーズはトランプに関わらない判断を下したとみられる。
一方、リーマン監督は最近のインタビューで「宇宙に行くことへの興奮は以前よりも増している」と語りつつも、慎重な姿勢を示している。「多くの人が『宇宙で撮影する』というギミック的なことをやろうとしているが、私は単なる宣伝目的のギミックには興味がない。100年後、宇宙で撮影された映画が何百本もあって、宇宙で撮影されることが特別ではなくなった時でも、人々が観る作品を作りたい。それが私のすべての仕事の目標だ」と述べている。
【作品情報】
・
バリー・シールアメリカをはめた男
【関連記事】
・
【最新版】本当に面白いおすすめ映画ランキングTOP30絶対に何度も見るべき“傑作”を紹介
・
Netflixで観てほしいおすすめの人気映画30選~編集部厳選~
・
【本当に怖い映画30選】トラウマ&衝撃作を“ジャンル不問”で編集部が厳選
Photo by Shane Anthony Sinclair/Getty Images for BFI