314km/hの世界へ!驚嘆のハイパーカー、パガーニ・ウアイラR Evo ロードスター

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314km/hの世界へ!驚嘆のハイパーカー、パガーニ・ウアイラR Evo ロードスター

12月13日(土) 12:11

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パガーニ・アウトモビリが顧客向けに開催しているサーキットイベント、「Arte in Pista(アルテ イン ピスタ)」。イタリア語でArteは芸術、Pistaはサーキット、つまり「サーキットの芸術」だ。 ”走る芸術” と呼ばれるパガーニが展開するサーキットイベントの世界観をあらわすのにこれ以上相応しい言葉はない。

【画像】究極のハイパーカー、パガーニ・ウアイラR Evoが富士スピードウェイに集結(写真20点)

●パガーニ・ウアイラR Evo ロードスターに同乗

2025年11月。富士スピードウェイで開催されたArte in Pistaの場において、パガーニ・ウアイラR Evo ロードスターがアジアプレミアを果たした。ウアイラRをさらに改良した究極のハイパーカーである。今回、一部のメディア向けに、このモンスターマシンの同乗走行の機会が与えられた。

パガーニV12-R Evoエンジンを搭載したサーキット専用車、8750rpmで900馬力を発揮、770Nmのトルク、乾燥重量は1,060kg、最高速度は350km/h、まごうかたなきモンスターマシンだ。600もの専用パーツを備え、すべてが計算され尽くした、見るからに美しい姿態。ロングテールは伝説的なレーシングカーを参考にしたもので、スタンダードなウアイラRと比較してダウンフォースを45%向上させることに貢献しているという。

とんでもないハイパーカーゆえ、自身でハンドルを握るのではなくパッセンジャーシートでの同乗となったが、同乗とはいえウアイラR Evo ロードスターなのだ。緊張と期待を胸に抱きながら助手席に乗り込んだのは言うまでもない。ヘルメットやハンスを装着して乗り込むと、6点式シートベルトで体をしっかり固定された。

コースインしてからは異次元の世界だった。オープントップということも相まってV12-R Evoエンジンのサウンドがダイレクトに体に響く。「90年代のF1のように、音が美しいこと」を目指したというサウンドは、130dBのレベルで耳をつんざく。

富士スピードウェイの名物でもある1475mの長いホームストレートでの加速時はコクピットのスピードメーターに目が釘付けになっていた。300km/h超までは目視できていたが、1コーナーでの減速時の強烈なGに備え、スピードメーターからは目をそらしてしまった。あとでオンボードカメラやテレメトリーデータを見ると、314km/hまで出ていたそうだ。「朝いちばんの走行でタイヤが冷えていたから、まだまだだね。あなたの次のスティントでは320km/h出ていたんだよ」とはテレメトリーデータ担当者談。

しかし、いちばん驚嘆したのはスピードではなかった。恐怖感がまったくなかったことに驚いた。乗車前には若干の緊張を覚えていた300km/h超・900馬力の世界が、いざ実体験してみると、ストレートでも、どのコーナーでも、あり得ないほどスムーズだったのだ。もちろんドライバーのスキルによるものが大きいとはいえ、「予測可能な挙動」「運転しやすい」「ドライバーフレンドリー」な車であることを強調されていたのは、なるほどこういうことなのかと納得した次第。

●「Arte in Pista」とは

パガーニの創造物は単なる車ではなく芸術作品といえるものだ。「デザインとは、夢と創造力を形にすること」という信念のもと、繊細で複雑な作品をひとつひとつ手仕事で創り上げている。細部に宿る美と最先端の技術や科学との融合は、レオナルド・ダ・ヴィンチの芸術と科学に対する哲学を体現したものだといえるだろう。

そんな芸術作品がサーキットに集うイベント、Arte in Pistaは2021年、ウアイラRの発売に合わせてスタートした。世界トップクラスのFIA公認サーキットで開催される一連のサーキットイベントで、年に4~5回開催されている。2025年の開催地はスパ・フランコルシャン(ベルギー)、モンツァ(イタリア)、シルバーストン(イギリス)、そして富士スピードウェイ(日本)である。富士スピードウェイには世界各国からなんと11台ものパガーニ・ウアイラRが参加した。

Arte in PistaはゾンダR、ゾンダ・レボリューション、ウアイラR、ウアイラR Evoのオーナーのみが参加できる非常にエクスクルーシブなプログラムで、パガーニ・チームがオーナーのドライビングスキルの向上を包括的にサポートする。プロのドライバー、データ分析を担当するテクニカルディレクター、レースエンジニア、メカニック、理学療法士、そしてモータースポーツ専門の栄養士からサポートを受けながら、自分自身を高められるプログラムが用意されている。今回の富士スピードウェイでは、11台の車両に対して70名近くの専属スタッフが付いていた。そのためオーナーは身も心も車も、安心して委ねることができる。

「安心」は、パガーニにおけるキーワードのひとつ。パガーニ・ファミリーの一員として、ビギナーからプロフェッショナルまで様々なレベルのオーナーが安心してパガーニで走行できるよう、あらゆるサポートが用意されている。それはサーキット走行時だけではなく、自宅にいても同様だ。ウアイラRにはシミュレーターも付属しており、リモートで専属コーチによる指導を受けることもできる。人間的な結びつきを大切にするパガーニでは、同じコーチが年間を通してサポートする。レース経験や知識の有無に合わせて適切なアドバイスをおこなうのみならず、メンタル面へもアプローチし、ケアしてくれる。依存心があったり、心に迷いがある状態では安心して車両を運転することはできない。オーナーに恐怖心があれば、それに打ち勝つために、安心して自信をもって一人で操縦できるようになるまで、苦楽を共にして寄り添ってくれるのだ。パガーニではそれを「コーチング・ジャーニー」と呼んでいた。

これらのシミュレーターでのリモートレッスンの内容はパガーニのオフィスやアンドレア・モンテルミニ ヘッドコーチ等にも共有され、車両開発にもダイレクトにフィードバックされる。車両オーナーもパガーニ・ファミリーの一員として車両開発に寄与するという関係性に、少量生産ならではの細やかな相互コミュニケーションの一端をみることができた。

Arte in Pistaのモットーは、顧客と共に自分たちを高め「ベストを尽くし、さらにそれを超えていく」ことであるという。他者と競うのではなく自分自身を高める。それは、ブランド創設者のオラチオ・パガーニ氏が、熱心な研究と努力により、スーパーカーをハイパーカーへと昇華させたこととも見事にオーバーラップする。


文:湯淺央子(オクタン日本版編集長)写真:パガーニ・アウトモビリ
Words: Chikako YUASA (Octane Japan)Photography: Pagani Automobili
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