「カッコつけていられない」呂布カルマが「恥を忍んで」語ったこと

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ

「カッコつけていられない」呂布カルマが「恥を忍んで」語ったこと

12月11日(木) 17:30

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『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ





ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『最新EP』について語った。

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★今週のひと言「最新EP『SS+』リリース。恥を忍んで書かせてほしい」

今回は私事ではあるが、先月配信が開始された最新EPについて書いていきたい。

私事と書いたが、エッセーなんかほぼすべて毎回私事なんだけど、今回は特に自分の作品について誰も聞いてくれないから自分で語るというね、これには多少の恥ずかしさはありますよ。

ということで、恥を忍んで......。

5曲入りのEP『SS+』(エスエスプラス)は、DJ Whitesmith(以下ホワイトスミス)との共作となった。

俺は今までにフルアルバムを6枚作っているのだけど、どれも核となる曲の大半は、ホワイトスミスによるトラックだった。MVになっている曲も多い。

そんな中、ホワイトスミスからEP制作を持ちかけられたのが、おそらく3年前ぐらいか?

たった5曲を作るのに単純に3年かかったということではない。EP制作だけに集中していたわけではなく、その間に別でシングルや客演などをやりつつ、ホワイトスミスとの曲がたまったら出そうかぐらいの緩いペースでやっていたら、3年かかったというわけだ。

実際、EP制作に入る前のコロナ明けに個人名義でアルバムを1枚出して、その半年後に「nue(ヌエ)」というユニットでも1枚アルバムを出している。

どちらもいいデキだと確信しているのだが、満足のいく反応があったとはとても言い難い。

ヒップホップの移り変わりは目まぐるしく、コロナ以降特に顕著だが、じっくり10曲前後作り込んだアルバムよりも、インスタントであってもスピード感を持って単曲を配信で出しまくるのが現在のトレンドだ。

初期衝動と承認欲求に任せて玉石混交で出しまくれる新人ラッパーや、セミプロ未満の若者たちとそのゲームで競うのは、今の俺にはもう不可能だ。

そう感じた頃からここ数年は、曲作りこそ趣味なのでやめることはないものの、フルアルバムを作って出すというカロリーの高い仕事へのモチベーションが下がってしまっていたのだ。

そんな中、気軽に作れるEP制作を持ちかけてくれたホワイトスミスには本当に感謝している。

EPの内容に関しては、音楽を言葉で説明するほどやぼなことはないのでやめておこう。

このコラムを読んでくれているのであれば、サブスクで聴けるのだから試しにでも聴いてみてほしい。

クオリティは保証する。

現行ではやっているスタイルでもなければ、その先を行くような先鋭的な挑戦があるわけでもない。

ホワイトスミスとも15年ほどの付き合いだが、その中で獲得し、自分たちで確信した正解だけを何に目配せすることもなく、この5曲で表現した。

こうやって週プレでコラムを書かせてもらっていることも象徴的だが、今の俺の活動はラッパーとして類を見ないほどに極めて多岐にわたっている。

ふざけた面から真面目な面まで、俺のパーソナリティはアーティストとしては致命的なレベルまで露呈していると言っていい。

簡単に言うとカッコつけていられないのだ。

その上でやる本業のラップ。さまざまなレイヤーで俺を見るリスナーや視聴者に意外性を見せたり、誤解を解いたり、または逆に混乱させたり、さまざまな側面を感じながら楽しんでもらえたら本望だ。

撮影/田中智久

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