『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。ジェシー・クロスが敢行中の1968年フォード・マスタングGT390のレストアプロジェクトは、ようやく内装のレストアが一段落したようだ。
【画像】マスタングの内装レストアのビフォー&アフター(写真7点)
私の1968年マスタングGT390の、金属パーツのレストアと前後のシートの張り替えがようやく終わった。大事にストックしておいた新品のカーペットの敷き込みとシートの取り付けをして、やっとのことで内装を完成させる段階に入った。他にもいくつかの作業があった。トランク側から開くトラップドアの取り付けなどもそのひとつだ。リアシートはカーペット張りの折りたたみ式で、スチール製の2つのパーツがクローム仕上げのピアノヒンジで連結され、張り替え済みのシートフレームが取り付けられている。
リアシートのパネルを分割すると、どれも薄く、奥行き20mmほどのボックス構造になっている。表面の軽い錆を処理し、隠れた内部面に下地塗装を施した後、元通りに組み直した。3つ目のセクションは荷物スペースの背面を形成し、ボディにネジ止めされている。幸いなことに、この3枚のパネルはすべて皿ネジと、ほんの数カ所のスポット溶接で組まれているだけだった。
埃だらけのカーペットの残骸は、簡単に削り落とせた。表面処理をした後、スプレーの接着剤で新しいカーペットを貼り付けた。その後に取り付けたのは、クロームのトリム類だ。各パネルの四辺すべてにネジで固定した。そして、ピアノヒンジでパネルを連結した。
完成した2分割のユニットは、かなり重量があった。車内に設置するには、塗装面やタイトに成形されたガラス繊維製のサイドパネルに合わせる必要がある。それに、自分の指を傷つけずに取り付けるには、時間をかけて慎重に行う必要があることは明白だった。シートを起こして元の直立の位置に戻すと、両側の二箇所のラッチにカチッとはまった。そして、ユニットを床にボルトで固定する頑丈なヒンジは、位置が合うようにくさびで合わせられている。
これは実にクールで革新的な仕組みだ。ハッチはトランクから素早く開くし、たった一つのラッチを引くだけでハッチが持ち上がってロックされ、スマートな荷物スペースが作られる。
私は、アフターマーケットのカーペットセットにはいつも不安を感じる。今回用意したカーペットは、フロントシートのボックス部分とトランスミッショントンネルにぴったり合うように成形されていた。あまり期待はしていなかったし、ずいぶん前にアメリカから届いた箱から取り出した時は、かなりくしゃくしゃだった。しかし、敷いてからヒートガンで温めてみたら、ぴったりとフィットした。かなりホッとした。
ギアレバーのゲートカバーを見たときには、思わず立ち止まって考え込んでしまった。てっきり、カーペットの上にネジ止めされ、その上にクロームの仕上げパーツが被さっているものだと思っていたからだ。実際には、カバーは床に直接ネジ止めされていて、仕上げパーツはカバーの折り返し部分に固定されて、カーペットの穴を覆っていたのだ。
さて、これで一通り完了だ。ガラスを取り付ける前に、新品のヘッドライニングと上部のコンソールは取り付けていた。なので、あとはサンバイザーをネジ止めし、シートをボルトで固定するだけだ。そのほか、微調整が必要な細かいトリムの隙間があちこちにあるし、ミラーをフロントガラスに接着するための接着剤を待っているところだが、それ以外の内装については、正式に「作業完了」と言えそうだ。
文:Jesse Crosse
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