【漫画】本編を読む
バスにベビーカーで乗車したら「邪魔なんだよ!畳め!」と怒鳴られ、ベビーカーを蹴られたという事件が話題に。交通機関などでのベビーカー利用をめぐるトラブルが後を絶たないことから「こんな世の中だったらいいのに…」と自らの思いを発信する、イラストレーター志水吹歌ことオカン羊(@shimizoon)さんの漫画「バスとベビーカー」を紹介するとともに制作の経緯を聞く。
■暴言男を降車させられる時代は来るのか
混雑していないバスで、ベビーカーを所定の場所に置いて座っていた女性が、乗車してきた男性から「邪魔なんだよ!」と怒鳴られ、ベビーカーを蹴られるという出来事があった。Xに投稿されたこのエピソードは瞬く間に拡散し、議論を呼んだが、今もなお公共交通機関でのベビーカートラブルは絶えない。
本作「バスとベビーカー」の作者志水さんは、「赤ちゃんを守らなければいけない。1番不利な人をひとりで戦わせる社会であってほしくない」という強い思いを持ち、ヒーローが現れる世界を願って作品を制作したという。作中では、女子高生やカメラ好きの男性、そして運転手がそれぞれの形で母子を守り、加害者に毅然と立ち向かう。読者からは「これが現実ならいいのに」「自分も行動したい」という共感の声が多数寄せられた。
志水さんは「悪いことを悪いと言える空気が広がってきた」と社会の変化を感じているという。かつては、弱い立場をかばうと真面目すぎると笑われる雰囲気があったが、今は若い世代ほどマナーを守り、人助けに迷いがないように感じると話す。一方で、理不尽に怒鳴る人が完全にいなくなるわけではなく「他人を思いやれない人は、空気が変わっても気づけない。だからベビーカーを邪魔者扱いする人はゼロにはならないのかもしれません」とも語る。
それでも志水さんは「弱い者いじめをしたとき、止めてくれる人が”3人”いればいい。そんな社会に近づいていると信じたい」と希望を持っているのだそう。見て見ぬふりをしない人が増えることで、世の中は必ず変わっていく、本作はそう感じさせてくれる作品である。
取材協力:志水吹歌(@shimizoon)
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