12月6日(土) 4:40
株式会社LIFULL seniorが実施した「1都3県の有料老人ホームの費用相場調査」によると、東京都の有料老人ホーム費用相場は表1のとおりです。高級老人ホームと低価格老人ホームの差額は、入居一時金で2400万円、月額費用で約17万円でした。かなりの差額があることが分かります。
表1
| 入居一時金 | 月額費用 | |
|---|---|---|
| 高級老人ホーム | 2449万5000円 | 33万6690円 |
| 低価格老人ホーム | 49万5000円 | 17万640円 |
| 差額 | 2400万円 | 16万6050円 |
出典:株式会社LIFULL senior「1都3県の有料老人ホームの費用相場調査」を基に筆者作成
表1から、今回の事例のように、入居一時金“1000万円以上”・月額“30万円以上”というケースは、高級老人ホームでは一般的な金額といえそうです。
一方、「特別養護老人ホーム(特養)」は介護保険制度に基づいて介護サービスが利用できる公的施設のひとつであり、「介護老人福祉施設」とも呼ばれます。公的介護施設のため、原則として初期費用や入居一時金はかからないようです。
表2は特別養護老人ホームの利用料金目安をまとめたものです。
表2
| 費目 | 月額費用目安 |
|---|---|
| 居住費 | 2万5000円~6万5000円 |
| 共益費・管理費 | 0円~9000円 |
| 食費 | 4万2000円~4万4000円 |
| 水道光熱費 | 0円(居住費に含む場合)~7000円 |
| 合計 | 6万7000円~12万5000円 |
※筆者作成
公的介護施設のため、原則として初期費用・入居一時金がかからないことを考慮すると、「特別養護老人ホーム」は「有料老人ホーム」と比べて費用負担が軽い傾向にあるといえます。ただし、居室タイプや地域によっては料金差が生じることもあります。
株式会社LIFULL seniorの「介護施設入居実態調査 2025【お金編】」によると、入居した施設の入居一時金の割合は表3のとおりでした。では、この入居一時金は誰が負担することが多いのでしょうか。
表4によると、入居一時金の負担者は「入居者とお子様」の割合が一番多く、ほとんどが「入居者と家族・親族」のパターンでした。介護施設に入居するにはまとまった資金が必要になる可能性もあるため、家族で話し合いをして準備することが大切でしょう。
表3
| 入居した施設の入居一時金 | 割合 |
|---|---|
| なし | 25.4% |
| 50万円未満 | 17.2% |
| 50万円~100万円台 | 17.0% |
| 200万円~300万円台 | 14.0% |
| 400万円~500万円台 | 9.3% |
| 600万円以上 | 9.9% |
| わからない | 7.2% |
出典:株式会社LIFULL senior「介護施設入居実態調査 2025【お金編】」を基に筆者作成
表4
| 入居一時金の負担者 | 割合 |
|---|---|
| 入居者ご本人のみ | 26.9% |
| 入居者とお子様 | 28.9% |
| 入居者と配偶者 | 21.9% |
| 入居者と兄弟・姉妹 | 11.5% |
| 入居者とお子様、配偶者、兄弟・姉妹など複数 | 5.4% |
| 入居者を除く家族・親族 | 4.7% |
| その他・わからない | 0.8% |
出典:株式会社LIFULL senior「介護施設入居実態調査 2025【お金編】」を基に筆者作成
介護施設に入居する際の費用は、特別養護老人ホームと有料老人ホームで大きな開きがあることが分かりました。特に有料老人ホームでは、高級化と低価格化という二極化が進んでいるようです。
月々の費用だけでなく、施設のタイプや提供されるケアの範囲は、入居後の生活を大きく左右するため、日頃からご家族で話し合い、準備を進めておくことが大切です。
株式会社LIFULL senior 1都3県の有料老人ホームの費用相場を調査。高級老人ホーム・低価格老人ホームが多い地域ランキングも発表
株式会社LIFULL senior 【お金編】LIFULL 介護が 「介護施設入居実態調査 2025」を発表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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