引退後に「脱ぎません」と宣言すると“ギャラ激減”…元セクシー女優が語る「逃れられない壁」

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引退後に「脱ぎません」と宣言すると“ギャラ激減”…元セクシー女優が語る「逃れられない壁」

12月6日(土) 15:51

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元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。

セクシー女優に「脱ぎ役」以外の活躍領域はある?

セクシー女優のメディア進出が著しく、最近はVOD配信の有名ドラマ等にも出演する演者も増えている。活動の幅は年々広がっており、今や彼女たちが地上波に姿を現すのも至って普通のこと。賛否両論はあれど、オトナの女優業が“可能性に満ち溢れた商売”と変化するなど昭和の時代では考えられなかった事態だ。これは素直にすごいことだと思うし、何よりも夢がある。

しかし、セクシー女優がビデオの枠を出ると「脱ぎ役」以外のポジションを狙うのが難しいところ。今は地上波や有名ドラマの出演も可能だが、大抵は入浴・ベッドシーンのオファー。これは引退をしても同じことが言えて、なかなか従来の立場から脱却できない。

「そりゃセクシー女優なんだから当たり前だろう」「“セクシー”を名乗り続けるのだから、仕方のないことだ」という声もあるだろう。確かに私もそう思うし、“セクシー”の肩書を持つ以上脱ぎ役は避けられない。ただ素肌をさらす以外の強みが何もないと、いくら活動の幅が広がってもワンランク上に行きづらい。

偏ったオファーに縛られていく現実

セクシー女優は美しい身体を魅せてナンボの商売。だからこそ肩書きの通り、セクシーな仕事を引き受けるのは当然のことだし、露出の範囲によっては彼女たちにしかできないものがある。NGの少なさが良い方向に転び、唯一無二の存在になれるのは大きなメリットだ。

ただ、一部の人しかできない仕事の場合、その仕事が受けられる人に集中する。仮に母数が少ない内容を一度でもOKすれば「引き受けてくれる人」と認識され、どうしても似たり寄ったりの依頼が来てしまうのだ。

これは一回ハードプレイを解禁すると、同じオファーがどんどんくるオトナ向けビデオのパターンと同じ流れである。「何でもできる」は時に弱みとなり、下手すると“そればかり”の状態にハマってどんどん首が締まっていく。

「脱ぎ専門」はセクシー女優の強みか弱みか…

「セクシー女優引退後は裸にならず、真の女優として勝負すると決意したものの……。結局依頼されるのは脱ぎ仕事ばかり」なんて例は少なくない。仕事がほしいから致し方なく受け続けていると、気づいた頃には脱ぎ専門ポジションからの脱却が困難を極める。

だからといって、かつてのオファーを断り「もう脱ぎません」と宣言すれば、魅力のない人物は仕事がなくなるだろう。これがセクシー女優という職業の悩ましい部分である。あくまで「セクシー」だからそれを全うしたのに、その先も延々と似たような流れが続き、在り方を変えていくのが本当に難しいのだ。

「脱ぎポジ」から脱するための課題

あくまで私の考えだが、“セクシー”を名乗る以上、今のポジションから完全に脱するのは無理だと思う。もし引退後一切脱ぎたくないのなら、過去の芸名を変えるor経歴を隠すか、脱ぐ以上の力を持つべきだ。前者は過去が捲れた時に非常にめんどくさいことになるが、後者は強い武器があれば脱がなくて済む。

「セクシー」の肩書きは、見方を変えたらある意味有効的で、トークの際に男性が好きそうなネタを振りやすい。特にシモの話題は多くの女性がNGを出すため、そこに乗れる女優はどうしてもYouTubeのお色気ネタに呼ばれがち。しかもアッチ系のトークが面白いとなれば何度もオファーがきて、何度も似たような下ネタを擦ることとなる。

「散々脱いで、アッチ系の話をしまくったからいい加減飽きた」「いつも脱ぎ役だし、たまには違うことをしてみたい」 という意見を持つ現役or元セクシー女優は、きっと多いはず。

しかし、世間から見た適任であろうポジションからの脱却は想像以上にハード。“脱ぎ”以外に注目する新規ファンも獲得せねばならず、デビュー時のような「イチからの土台作り」をする必要が再度出てくるのだ。

脱ぎ仕事を封印した後に直面する“収入減”

また、脱ぎ仕事はやはりギャラが高いので、露出を封印した後の収入のギャップに耐えられないかもしれない。悲しいかな、脱がなくなった瞬間に一気にギャラ下げ&登場シーンの激減などあり得る話なので、覚悟を決めないまま現在の立ち位置を捨てるのはとても危険なのだ。

個人的には「脱ぎポジ」から抜ける事よりも有効活用するほうが、労力が少ないような気もする。しかし、こればっかりは本人の問題なので、現役も引退も関係なく、露出以外の武器を持たねば飛躍が難しい……という話だ。

セクシー女優のセカンドキャリアは広がったものの、まだまだ各方面のハードルが高い。課題が山積みだからこそ、自らの手で切り開く力はいつの時代も必要なのである。

文/たかなし亜妖

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

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