下半期のダート王決定戦となるGIチャンピオンズカップ(中京・ダート1800m)が12月7日に行なわれる。
過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は4勝、2着3回。比較的安定した成績を残している。しかし一方で、人気薄馬の激走も頻繁に見られ、波乱含みのレースと言える。
実際、一昨年は1番人気のレモンポップが勝利しながら、12番人気のウィルソンテソーロが2着、9番人気のドゥラエレーデが3着に入って、3連単の配当は190万円超え。他にも3連単で30万円超え(2015年)、15万円超え(2017年)、20万円超え(2020年)といった高額配当が度々飛び出している。それゆえ、日刊スポーツの太田尚樹記者はこう語る。
「舞台となる中京・ダート1800mはスタートしてすぐに坂があるコース形態もあってか、波乱傾向の強いレースです。過去5年の結果を見ても、そのうち4年で9番人気以下の伏兵が馬券に絡んでいます。
残りの1年(2022年)も、3番人気のジュンライトボルトが勝利し、4番人気のクラウンプライドが2着、6番人気のハピが3着という結果になって、3連単は8万円超えの好配当となりました。そういう意味では、穴党にとってはたまらないレースと言えるのではないでしょうか」
では、今年はどうか。一昨年、昨年と連覇を果たしたレモンポップが引退し、日本調教馬として初めてアメリカのブリーダーズカップクラシック(11月1日/デルマー・ダート2000m)を制したフォーエバーヤングや、地方交流GIのJBCクラシック(11月3日/船橋・ダート1800m)を完勝したミッキーファイトらが不在。やや混戦模様となっており、太田記者はこんな見解を示す。
「実績断然の有力馬は不在ですが、前走で地方交流GIのジャパンダートクラシック(10月8日/大井・ダート2000m)を制したナルカミ(牡3歳)をはじめ、GⅢみやこS(11月9日/京都・ダート1800m)を勝ったダブルハートボンド(牝4歳)、GⅢ武蔵野S(11月15日/東京・ダート1600m)を快勝したルクソールカフェ(牡3歳)など、新興勢力が続々と台頭。そのうえで、今回は未対戦の顔合わせが多く、比較の難しい一戦となりました。今年もひと筋縄ではいかないレースになると思います」
まさに激戦必至の状況。再び人気薄馬の大駆けは十分に考えられ、あえて思いきった穴狙いに徹してみるのも悪くない。そこで、太田記者は好配当の使者となり得る候補馬を2頭、ピックアップした。
「1頭目は、
アウトレンジ
(牡5歳)です。
チャンピオンズカップでの一発が期待されるアウトレンジphoto by Eiichi Yamane/AFLO
2走前の地方交流GI帝王賞(7月2日/大井・ダート2000m)では、JBCクラシックで3馬身差の圧勝劇を演じたミッキーファイトにクビ差の2着と奮闘。勝負どころでいったんは前の3頭に置かれながらも、最後に巻き返したレースぶりには、管理する大久保龍志調教師も『ちぐはぐになりかけたけど、よく反応してくれました』と高く評価していました。
帝王賞で株を上げた直後の前走・みやこSでは7着と期待を裏切ってしまいましたが、敗因は不良馬場による高速決着にあったと見ています。翻(ひるがえ)って、時計がかかってパワーを求められる中京コースは合いそうですから、ここは狙い目でしょう」
太田記者が注目するもう1頭は、
サンライズジパング
(牡4歳)だ。
「昨年のレースでは3歳の身で挑んで6着。後方から終始外を回って、まくっていった3コーナーから4コーナーにかけては外へ膨れるような幼さを見せていました。
しかしその後、4歳になって同じ舞台のGⅡプロキオンS(1月26日/中京・ダート1800m)ではアタマ差の2着と好走。続くGIフェブラリーS(2月23日/東京・ダート1600m)でも4分の3馬身差の2着という結果を残しました」
今春までは音無秀孝厩舎所属だった同馬。音無調教師の定年後は、新谷功一厩舎に転厩し、前走後に今年開業した前川恭子厩舎に転厩している。
「この秋の2戦は案外でしたが、まだ見限るのは早いでしょう。なにしろ、新たな転厩先の前川厩舎には音無厩舎時代の担当スタッフがいますからね。心機一転、変わり身への期待が膨らみます。昨年以上の結果を残すことも可能だと思います」
高額配当も見込めるダートの大一番。ここに挙げた2頭がビッグなボーナスをもたらしてくれるかもしれない。
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