40代の年収中央値はどれくらい?

40代の年収中央値はどれくらい?

12月5日(金) 22:30

40代は働き盛りであると同時に、教育費・住宅ローン・老後資金など将来に向けた支出が増える時期です。そのため、自分の年収がどの程度の位置にあるかを把握することは、家計の見直しやキャリアの方向性を考えるうえで重要です。 本記事では、転職サービス 「doda」の登録者データから算出した年齢別の年収中央値をもとに、40代の収入の実態やその収入をどのように生かしていくべきかを整理します。

データで見る40代の年収中央値

パーソルキャリア株式会社(東京都港区)が運営する転職サイト「doda」が実施した調査(2024年9月〜2025年8月にdodaに登録した20~65歳まで約60万人の年収データ)によると、40代の年収中央値は450万円(男性550万円、女性380万円)となっています。
 
中央値とは、年収を低い順に並べた際に中央に位置する人の年収を指し、極端な高収入者に影響されにくい特徴があります。いわゆる典型的な年収層を知るうえで、平均値よりも実態に近い数値といえます。
 
ただしこのデータは「doda に登録した正社員」が母集団であり、日本全体の全労働者(非正規・パート等を含む)を代表するわけではありません。その点を踏まえたうえで、正社員として働く40代の実感値に近い水準として捉えることができるでしょう。
 

年収中央値が示す40代のリアル

40代の年収中央値が450万円という数字の背後には、働き方やキャリアのステージに特有の構造が隠れています。より実態に近づいて見るためには、次のようなポイントを押さえる必要があります。
 
1. 給与の伸びが鈍化する年代
doda のデータでも、40代前半から後半にかけて大幅な年収アップは確認されず、むしろ横ばいです。役職や職種の転換がないかぎり、40代以降は給与の伸びが緩やかになる傾向が見られます。
 
2. 業界や職種で大きな差が出る
同じ40代でも、技術職や専門職では中央値より高い水準に分布するケースが多く、サービス業や事務系職種では中央値を下回る分布が見られます。収入を判断する際は、自分が働く業界の給与水準や成長性を踏まえる必要があります。
 
3. 年収450万円前後での家計の現実
年収450万円は手取りに換算すると、おおむね350~370万円台となり、家族構成や居住地によっては自由に使えるお金が少なくなってしまうことがあります。特に教育費や住宅費が重なる世帯では、計画的な支出管理が不可欠です。
 

収入をどう生かすか -40代の家計戦略

40代は収入の安定と将来の支出増が重なるため、限られた収入をどのように配分し、家計を整えていくかが生活の余裕を大きく左右します。具体的に意識したいポイントは、次のとおりです。
 
1. 支出の最適化
年収450万円前後の場合、大きな支出の割合が高すぎると家計は不安定になります。特に住宅費や教育費は生活に占める割合が大きいため、ここを適正な範囲に保つことが重要です。
 
2. 貯蓄・投資・保険の見直し
老後資金づくりは、40代が勝負どころです。資産づくりは早く始めるほど効果が出やすいので、40代のうちに方法を見直すことが重要です。また、保険も過不足が起きやすい年代のため、保障内容を見直すことで家計の固定費を削減できる場合もあります。
 
3. キャリアの選択肢を持つ
doda のデータは転職希望者を含む特性があるため、40代でもキャリアチェンジや年収改善を狙う人は一定数存在します。専門スキルの習得や業界選択によって、年収が中央値から大きく上がる例も少なくありません。収入の伸びが鈍化する年代だからこそ、キャリアの軌道修正が選択肢になり得ます。
 

40代は収入を軸に将来計画を立てよう

40代の年収中央値が450万円前後という事実は、決して悲観すべきものではありません。大切なのは、その収入をどのように管理し、将来のリスクや目標に備えていくかです。支出のバランス、貯蓄や投資の仕組み、キャリアの方向性を見直すことで、今後の家計と生活に安定をもたらすことができます。
 
収入をただ比較するのではなく、よりよい未来をつくるための指標として捉えることが、40代に求められる姿勢といえるでしょう。
 

出典

パーソルキャリア株式会社 doda 正社員の年収中央値は? 男女別・年齢別・都道府県別にも解説 平均年収ランキング【最新版】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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