「まさか“ズートピア”の世界に入る日が来るなんて…!」
山田涼介(「Hey! Say! JUMP」)にとって、ディズニー・アニメーション・スタジオ作品「ズートピア2」(12月5日全国公開)への“日本版声優”としての参加は“ひとつの夢”が叶った瞬間だった。
US本社のオーディションを勝ち抜き射止めたのは、新キャラクター・オオヤマネコのパウバート。ディズニー作品初参加となり、アフレコ現場では試行錯誤を重ねて、役に“命”を注ぎ込んだ。
“夢の現場”でこだわったことは?そして、周囲の反響はどうだったのか――インタビューに応じた山田が「ズートピア2」の魅力ととともに語り尽くしてくれた。
【「ズートピア2」あらすじ・概要】
動物たちが高度な文明社会を築き、人間のように暮らす世界「ズートピア」を舞台に描き、第89回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞した人気ディズニー・アニメーション「ズートピア」の続編。前向きで夢をあきらめないウサギのジュディと、皮肉屋だが頼れるキツネのニックが再びバディを組み、ズートピアの謎に迫っていく姿を描く。
あらゆるタイプの動物たちが平和に暮らし、「誰でも夢をかなえられる」という理想の楽園ズートピア。ウサギで初めて警察官になるという夢をかなえたジュディは、以前にも増して熱心に任務にあたり、元詐欺師のニックも警察学校を無事卒業して警察官となった。再びバディを組むこととなったふたりは、ズートピアに突如現れた指名手配犯のヘビ、ゲイリーを捜索するため、潜入捜査を行うことになる。ゲイリーは一体何者なのか。やがてジュディとニックは、ゲイリーと爬虫類たちが隠すズートピアの暗い過去にまつわる巨大な謎に迫っていき、その中でふたりの絆が試されることとなる。
●久々のオーディションは“緊張”――でも「こういう感覚っていいな」という境地に
――今回はUS本社のオーディションを勝ち抜いての参加となりました。合格を知らされた時の率直なお気持ちを教えてください。
オーディションを受けてからの数日間は「これは一体、どうなるんだろう」という状況でした。オーディションを受けること自体久しぶりでしたし、緊張しながら結果を待っていたんです。やがて「ディズニー作品に参加できる」と知ってとても嬉しかったです。またひとつ夢が叶ったなというか――。ディズニー作品は、この仕事をしていたら誰もが「携わってみたい」と夢物語のように思い描いていると思いますが、僕もそのひとりでした。
――オーディションを受けた際の手応えはありましたか?
正直わからなかったです。声優経験も一度しかなかったですし(3Dアニメ映画「スマーフ」に参加)、判断基準が何なのか、何が判断材料になるのかもよくわかっていない状態。手探りの中で、とにかく全力でやるしかないなと思っていました。なので、合格を聞いた時は、本当に嬉しかったです。
――久々のオーディションということですが、緊張されましたか?
緊張はしましたね。でもなんだか“こういう感覚っていいな”というか……。“自分の声”で作品に参加できるという、自分への挑戦にもなりましたし、ディズニー作品に入れるという喜びを噛みしめながら、パウバートに命を吹き込ませてもらいました。本当にありがたい機会でした。
●“セリフ”と“表情”をどう同期させるのか――吹替え時に苦労したポイントは?
――吹替えで難しかった場面などはありますか?
オリジナル版は“英語”じゃないですか。となると、キャラクターも“英語を話している時の表情”なんです。実際の英語のセリフは、日本版のセリフよりも長かったりすることもあります。息のため方、どういう表情でセリフを言えばいいのか――色々考えながらやっていましたし、パウバートはとても表情豊かなキャラクターなんです。(日本語版演出の)監督とも話していたんですが「キャラクター史上“いちばん難しいキャラクター”かも」と言われたくらいで……。自分でも“これどうやってやろう”と悩みながらやっていました。
――どのあたりが特に難しかったのでしょうか?
表情がコロコロ変わるんですよ。おちゃらけている時もあれば、真剣な時もある。口角の上げ方によって出る音が違ったり……どのキャラクターもそうだと思うんですが、とにかくその振り幅が特に大きいキャラクターでした。アフレコ中の身振り手振りも結構オーバーになっていて。あまり意識してないんですが、多分表情はすごいことになっていたと思います(笑)。
――パウバートは、保守的な一族に生まれながらもジュディの理想に共感し、「世界をよりよくしたい」という熱い想いを胸に秘めて捜査に協力するという役どころです。山田さんご自身も、実は表立っては出してはいないが「こういう熱い思いを抱えている」というものはございますか?
ありますね。野心だったり、常にやりたいことを頭の中に置いておくようにしています。オフの日でも“これ面白いんじゃないかな”とインプットするようにしていて。それがパウバートの役作りに繋がるかはわからないのですが、ずっと自分の中でやっていることです。
●周囲の反響は?メンバーは大喜び!声に気づかなかったファンの存在を受けて「“うまくできているのかな”と感じた」
――念願のディズニー作品初参加です。“ディズニー”にまつわる思い出はありますか?
そうですね、たとえばディズニーランドに行くことは“山田家の一世一代の大イベント”でした。田舎に住んでいたので距離もあって、父親の休みの日に家族全員で早朝4時くらいに出て、6時頃に到着してチケット売り場に並んで、眠たいけれどみんなで楽しんで、また2時間かけて家に帰ってくる――1年に1回あるかないかのイベントだったんです。今では自分の車で行けるようになりましたし、パーク内を散歩しているだけでも楽しい。知念と一緒に行ったりもしますよ。そんな“思い出の場所”の世界観に参加できること自体不思議で……嬉しいんですが、まだ実感が湧かないんです。
――日本版声優としての参加が発表された後、周囲の反応はいかがでしたか?
メンバーにも黙っていたんですよ。スケジュール帳にも“ディズニー”なんてことは書かれていなくて、“山田”とだけ(笑)。家族はとても喜んでくれていましたし、何よりもファンの方が一番びっくりしていたかな。予告編の声だけでは僕だと気づかなかったみたいで、その反響を知って「うまくできているのかな」と感じました。
――メンバーは誰が一番驚いていましたか?
有岡と伊野尾かな。物理的に声が一番大きかったんですよ。「えーーー、山田さんディズニーやるの!?いいなぁ!!」という感じで、まるで子どもみたいに反応してくれて(笑)。それほど皆ディズニーが好きなんです。今までにないほどの反響を感じています。
●パウバートの姿から学べること
――パウバートを通じて、観客に伝えたいことはございますか?
これが難しいんですよね。まずは「とにかく見て!」って感じです(笑)。
――(笑)。
言葉で表現しきれない部分があって。パウバートは穏やかで優しい部分もあるんですが、葛藤も抱えている。これは、誰にでも当てはまることだと思うんです。この葛藤について「何が正解なのかは、やってみなないとわからない。やってみないと答えは生まれない」という部分を、パウバートを通じて感じてもらえるんじゃないかな。人生の岐路に立たされる瞬間って、誰にだって絶対にあると思うんです。そこに立った時にどういう判断ができるのか。これをパウバートの姿から学べるんじゃないかなと思っています。
●最強の相棒はいる?「Hey! Say! JUMP」内の“推しコンビ”も明かす
――ジュディとニックは、互いが“最強の相棒”ともいえる存在ですよね?山田さんには“最強の相棒”はいますか?
ありきたりな回答かもしれませんが、メンバーだと思います。これは別にきれいごとではなくて。阿吽の呼吸でなんでもできますし、言いたい事・やりたい事は言葉にしなくてもわかってくれる。19年も一緒にやらせてもらっているので「こいつらじゃないと」という思いはあります。
――ジュディとニックのようにタイプは違うけど、一緒にいるとパフォーマンスが向上するというメンバーはいますか?
全員タイプが違うんです。だからこそ、それらが“合わさる”と最強じゃないですか。それがうちのグループの良さですし、居心地の良さも感じています。
――ちなみに“推しコンビ”は?
伊野尾と髙木です。
――どうしてですか?
元々仲が悪かったんですよ(笑)。ある時期は口もきいていなかったほどで「大丈夫なのかな?」と思っていたんですが、気づいたらめちゃくちゃ仲が良くなっていて。メンバー全員で飲みに行った時も、最後まで残っているし、気づいたら2人で肩を組んでいたり。自分たちが懸念に思っていた部分がいつ解消されたんだろうなという点も含めて、今の2人を見ているとほっとして――やっぱり“お兄ちゃん”なんでね、2人が一緒にいてくれると安心感があります。
●誰しもが抱える“葛藤”について信念は「自分の周りにいる人たちを大切にする」
――先ほど葛藤は誰しもが抱えるものだけども“自分だったらどうするか”という点を考えてほしいというお話がありました。山田さんご自身が葛藤や悩みを抱えた時、どのように対処していますか?
最終的な決断は、結局自分でしなければならないと思っているのですが、「ズートピア2」には“学び”があると思うんです。結局は、“大切な仲間”が最後には助けてくれるんです。だからこそ「自分の周りにいる人たちを大切にするべきだ」という考えは、自分の中にはずっとあります。でも“助け”というバトンを渡されますが、そのバトンを最終的にどうするかは自分の判断。その点も映画から学べると思っています。
(自分の生きる場所は)ひとりでは何もできないところですし、たくさんの人の支えがあって輝けてると思っています。もちろんファンの方もそうですし、スタッフさんもそう。僕1人の力でやれたことなんて、今まで何ひとつなかったと思うからこそ、「自分の周りにいる人たちを大切にする」という考えは忘れてはいけないんです。
●“ズートピアの住人”になれるとしたら、何になる?
――少し毛色の変わった質問になりますが、山田さんが“ズートピアの住人”になれるとしたら、何になりたいですか?
難しいな……(熟考したうえで)「ズートピア2」には“爬虫類の街”があるんですが、そこで暮らしたいですね。爬虫類は大好きで飼っているので、やっぱり劇中に出てきた時は興奮しましたよね。何だこの町、最高じゃん!と思って(笑)。
なりたい職業だったら「警察」かな。動物たちがどんな事件を起こすのかを見てみたいというか。人間界で起こる事件とはまたちょっと毛色が違うことが起きるじゃないですか。“人間の視点”そのままで入って「可愛らしい事件だな」「ほっこりする事件だな」って観察してみたいです。
――反対に、現実世界に連れてこれるとしたら誰を連れてきたいですか?
カメレオンです!実際、次に飼おうとしているのもカメレオンなんですよ。
――なるほど!では、なぜ爬虫類に心奪われるのでしょうか?
犬とか猫もそうだと思うんですけど、同じ種類でもやっぱり性格って全員違うじゃないですか。顔も違いますしね。爬虫類も同じで、やっぱり性格も違うし、表情だったりとか動作も全部違うんですよ。ウチには17匹いるんですが「あー、こいつは寝坊助さんなんだな」とか「こいつはすぐに餌をくれっていうタイプだな」と、やっぱり全然違うんです。その性格の違いみたいなのがものすごく明確に分かれている部分が、かなり僕のツボにきていて。あとは同じ種類なのに何万通りというバリエーションがある部分も、面白くて、見ていて全然飽きないんです。
【作品情報】
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ズートピア2
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