ベテラン・笠りつ子は覚悟のQTを辛くも通過した(撮影:福田文平)
12月5日(金) 18:05
<JLPGAファイナルQT最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
今季メルセデス・ランキング(MR)56位に終わったツアー通算6勝の38歳・笠りつ子が、16年ぶりにQTへ出場した。この日「69」で回りトータル2アンダー。前日の63位タイから38位に浮上し、来季前半戦のほぼ全試合に出場できる位置で4日間を終えた。
久しぶりのQTに「初日はちょっと緊張したけど、プレーに支障はなかった」と振り返ったが、初日から「72」「72」「73」と伸ばせずにいた。「ずっとアンダーで回ろうと思っていたんですけど、なかなか…」。伸ばすしかない最終日に4バーディ(1ボギー)を奪い「きょうは自分のプレーができた。やっとスコアが出てくれた。(順位的にも)十分です」と明るい表情を見せた。
2010年に初シードを獲得した笠は、16年には年間2勝を挙げて賞金ランキング3位に入った。18年には同52位でシード権を手放したが、翌年にすぐさまシード復帰。昨季もMR55位で再びシード権を手放したが、18年と同様に前半戦出場権(MR55位以内)は確保していたため、今回が09年以来のQT参加となった。
38歳にとって、覚悟の4日間だった。「(レギュラーツアーに)出られなかったら、一回終わりにしようと思っていました」。オフ恒例のハワイ合宿をキャンセルすることも考えていたという。
2006年のプロテストに合格して、今年でプロ生活20年目。生涯出場試合数は590試合を数え、生涯獲得賞金は7億7271万円超(歴代14位)。「いつかは(プロ生活が)終わると思っているので。メルセデス・ランキングも(この2年は)55位とか56位と同じような位置でやっている。そろそろ考えなきゃいけないかなと思っています」と胸の内を明かした。
ファイナルQTに出場すれば、下部ステップ・アップ・ツアーの出場権は手にできるが、「ステップはあんまり考えていないです」とベテランの頭の中にはない。
覚悟を持って臨んだ最終日、見事なまくりを見せた。来季前半戦はほぼすべての試合に出場が可能。「出られる試合は全力で、やれるところまでやります」。プロ21年目も元気にレギュラーツアーで戦う姿が見られる。(文・小高拓)
