【画像で確認】やるのとやらないのとでは味の入り方がまるで違う!厚揚げが爆速で味染みになる方法
テレビや雑誌を中心に活躍する料理家のきじまりゅうたさんが、料理の基礎やコツをご紹介!
調理がラクになるちょっとしたコツや、料理が飛躍的に上手くなるノウハウ、誰も教えてくれないマル秘テク、目からウロコの簡単レシピなど「料理はおもしろい」ことを伝えたいと語るきじまさんのyoutubeチャンネル「きじまごはん」から、編集部厳選の記事をお届けします。
食卓がちょっと物足りないなと思うときに、パパッと作れる一皿があると助かりますよね。今回は、厚揚げを5分煮るだけの簡単副菜をご紹介します。火加減の調整は不要、上下を返す必要もないので、煮ている間にほかの調理に集中できますよ。寒い季節に嬉しい厚揚げのあったか煮物、ぜひ作ってみてください!
■厚揚げの煮物の革命!“あの切り方”を応用すれば短時間で味しみ〜!
お財布に優しく、ダイエットや健康にも最適な厚揚げは、冷蔵庫に常備しておきたい食材のひとつですね。そんな厚揚げを爆速で煮る方法を思いついたのでご紹介します。ポイントは、焼肉屋さんでよく見かける“あの切り方”!厚揚げに応用すれば、短時間で味しみ煮物に仕上がります。簡単な油抜きの方法も紹介します。
【材料】
厚揚げ:1パック(200g)
しょうゆ:大さじ1.5
砂糖:小さじ2
みりん:小さじ2
水:適量
かつお節:適量
青のり粉:少々
ときがらし:適量
■作り方
下処理で、厚揚げの油抜きをします。
厚揚げは揚げ物なので、表面に油がついています。その油が煮汁を弾いて味がなじまなかったり、煮汁が油っこい味になるのを防ぐために、油抜きをします。
油抜きは、熱湯をかけたり、茹でることが多いですが、今回はとにかく短時間ですませたいので、ぬるま湯を使います。
ボウルにぬるま湯を入れ、厚揚げを優しく揉み洗いします。油抜きはこれだけでOKです!蛇口から出るぬるま湯をかけながら洗ってもいいですよ。ぬるま湯でさっと洗うだけですが、やるとやらないのとでは、味の入り方がかなり変わります。
短時間で味染みさせる方法が今回のちょいコツポイントです。
厚揚げにダイヤモンドカットの切り目を入れる
ダイヤモンドカットは、焼肉屋さんで見かけることがあると思います。厚切り肉に切り目を入れ、蛇腹(じゃばら)状に肉を広げる切り方のことです。そのダイヤモンドカットを厚揚げに応用します。
厚揚げの片面に斜めの切り目を細かく入れ、裏返し、もう片面には垂直に切り目を入れます。両面から切り目を入れることで、蛇腹状に広がります。
まず片面は、厚揚げの半分の高さまで斜めに切り目を入れます。
7〜8ミリ間隔で切り目を入れます。
裏返し、厚揚げの半分の高さまで垂直に切り目を入れます。
再び裏返し、斜めに入れた切り目に沿って引っ張ると、蛇腹状に広がります。
厚揚げの半分の高さまで切り目を入れることが難しい場合は、厚揚げの両端に菜箸を置き、菜箸に当たるまで包丁を入れてください。
裏返し、菜箸に当たるまで切り目を入れます。
「厚揚げのダイヤモンドカット」ができました!厚揚げは四角くて、表面が硬いので切りやすいです。お肉でダイヤモンドカットをやりたい場合は、厚揚げで練習するといいですよ。
ダイヤモンドカットした厚揚げを煮ます。
今回は20センチのフライパンを使います。まず、調味料を入れます。
しょうゆ大さじ1.5、砂糖小さじ2、みりん小さじ2
調味料を入れたフライパンに厚揚げを並べ、水を注ぎます。水は、厚揚げの半分くらいの高さまで入れます。水の代わりに出汁を入れてもいいですよ。
厚揚げの煮物の場合、厚揚げがかぶるくらいまで水を入れることが多いですが、今回はダイヤモンドカットにしてあるので、水は少量で大丈夫です。
フライパンを弱めの中火にかけ、煮立ってきたら、厚揚げの切り目を蛇腹状に広げ、隙間を開けます。
煮立った厚揚げを見ると、切り目を入れたところから煮汁が湧き上がり、煮汁が対流しているのがわかると思います。ダイヤモンドカットしたことで、厚揚げの切り目にも火と味が通りますし、厚揚げの上の面にも煮汁が流れて味がからみます。なので落とし蓋をせずに、短時間で全体に味が馴染みます。
5分煮ると厚揚げが柔らかくなり、全体的に色づき味が染みています。
かつお節、青のり粉をかけ、お好みでときがらしを添えれば「厚揚げの煮物」の完成です。
■試食
いただきます!ダイヤモンドカットに切れていますね。
たった5分煮ただけですが、30分くらい煮たのかと思うほど味が染みています。切り目のおかげで箸で切れて、とてもやわらかいですね。
今回の料理だけでなく、おでんや炊き合わせのときにも厚揚げのダイアモンドカットは使えます。味がよく染みますし、見た目もおもしろいので、食卓が盛り上がりますよ!
今回、教えてもらった「厚揚げの煮物」について、気になるポイントをきじまさんに伺いました。
__厚揚げを煮るとき、上下は返さないのでしょうか?
きじまさん:切り目がたくさん入っているので、煮汁がそこから上に対流して上側にも煮汁が流れますし、口の中で上も下も混ざるので、裏返す必要はないと考えています。それに切り目が多いので、裏返しづらいんです。
__難しそうに思っていたダイヤモンドカットが意外に簡単にできて驚きました!もう少しボリュームを出したいとき、なにか食材を加えたいのですが、きじまさんのおすすめはなんでしょうか?
きじまさん:厚揚げ自体、手頃な金額で買える食材なので、思い切って倍量で作るのをおすすめします。野菜を入れるなら、玉ねぎやきのこなど味が出る野菜を一緒に煮ればいいですし、水菜やかいわれなどを仕上げに載せてボリュームを出すのもいいと思います。
きじまりゅうた
料理研究家。
祖母と母が料理研究家という家庭に育つ。
オリジナリティあふれるレシピと、わかりやすいトークを武器に、男性のリアルな視点から考えた「若い世代にもムリのない料理」の作り方を提案。現在は「NHKきじまりゅうたの小腹すいてませんか」「NHKきょうの料理」「NHKあさイチ」「CBCキユーピー3分クッキング」などのテレビ番組へのレギュラー出演をはじめ、WEB・雑誌 上でのレシピ紹介や、料理教室やイベント出演などを中心に活動している。著書『極狭キッチンで絶品!自炊ごはん』(新星出版社)。youtubeチャンネル『きじまごはん』を配信中。
取材・文=ジョッキー
【関連記事】
・
大根の細切りが爆速でできる裏ワザも!きじま流「大根のごまマヨサラダ」
・
ごぼうの細切りがあっという間に作れちゃう!?フライパンひとつでできる「ごぼうサラダ」
・
白菜の甘みと食感で新定番に!?きじま流「白菜コールスローサラダ」
・
鶏ひき肉でごちそうハンバーグ!あふれ出るチーズに家族の歓声が聞こえてくる、きじま流「チキンでチーズ イン ハンバーグ」
・
鶏むね肉がパサパサしない切り方伝授!繊維の向きを知るだけでこんなにプリッと柔らかく