40代の友人Aさんは、夫の誕生日プレゼントに洋服をあげることにしました。日ごろから夫の好きなブランドや、好みの系統を理解していた友人は、なじみの店で、スムーズにプレゼントを購入。「早く喜ぶ顔が見たい」と楽しみにしていました。しかし、誕生日当日、プレゼントを見た夫は「好みじゃない。返そう」のひと言。モヤモヤ感を抱える中、返品に出向くと、お店の機転対応で、予想外の展開に……。
「誕生日には服が欲しい」夫の要望通り購入
私の友人Aさんは同級生の夫と結婚し、夫婦2人暮らし。結婚後、大きな喧嘩はありませんが、友人には夫の気になる点が1つありました。それは、
持ち物へのこだわりが強い
こと。自分の持ち物だけでなく、時にはAの服装についてまで意見することもあったようです。そんな夫でしたが、Aさんは「自分のセンスと合わないわけではないし、まぁいいか」と聞き入れていました。
そんなある日、夫の誕生日が近づき、Aさんは誕生日プレゼントを買いに行くことに。「洋服が欲しい!」と夫からリクエストをもらっていたので、夫がお気に入りのブランドショップに向かいました。夫の付き添いで何度か店を訪れていて、常連の仲間入りをしていたAさん。店員も「いつもありがとうございます。今日はプレゼントですか?」と声をかけ、夫に似合いそうな洋服を数点ピックアップしてくれました。
日ごろから夫の好みを刷り込まれているAさんは、プレゼントのチョイスにもさほど苦労せず、満足のいく洋服をゲット。「早く誕生日が来ないかな~!」と、プレゼントを渡す日を楽しみにしていました。
贈り物を見た瞬間、夫の表情が曇り始め…
そして迎えた誕生日当日。「今日は早く帰って来てね! 今夜はあなたの誕生日パーティだよ!」とAさんが言うと、夫は「そんな盛大に祝われる年でもないよ~」と返し、うれしそうに仕事に向かいました。
その晩、帰宅した夫はテーブルに並ぶAさんが準備した料理を見て、「僕が好きなものばかり! Aちゃんは僕のことわかっているな~」と笑顔。2人で食事をとりながら、楽しい時間が流れ、食事を終えたころ、Aさんはプレゼントの入った紙袋を夫に渡しました。それを見るなり夫は「僕の好きなブランドだ!Aちゃん、ありがとう」と大喜び。と、それもつかの間、中を開けた途端に表情が一変しました。
「あなたの好きそうな洋服を選んだんだけど、気に入らなかった……?」とAさんが聞くと、夫は
「うーん、僕の趣味じゃないなあ。この服は返品して他の商品を買い直そう」
と言うのです。夫のまさかの言葉にAさんはあぜん。しかし、夫のこだわりの強さを知っていたAさんは、モヤモヤした気持ちをこらえ、仕方なく夫の提案を受け入れることにしました。
返品する前に店員に促され試着。すると…
後日、夫と共にプレゼントを購入したお店に向かったAさん。購入時に接客担当だった店員がAさんを見るなり「先日のお洋服は気に入っていただけましたか?」と笑顔で話しかけてきます。Aさんは少し気まずいと思いながらも事の経緯を説明。
店員は「なるほど……」とうなずき、続けて
「ご主人さま、その服を試着してみましょう!」
と言ったのです。夫もAさんもあっけにとられていましたが、押しの強い店員に促され夫は試着室へ。不安そうなAさんをよそに店員は「私に任せてください!」と自信満々です。
洋服を着て出てきた夫の姿を見ると、店員は「とってもお似合いです!」と絶賛。店員の言葉を受け、鏡でまじまじと自分の姿を見た夫は「あれ? なんかいいかも」とポツリ。店員はAさんに向かって小さくガッツポーズし、
「奥さまの見立てに間違いはありませんでしたね!」
と夫に言いました。夫は少し照れくさそうに「そのようですね」と答え、Aさんに頭を下げたのでした。その夫の姿と店員の計らいに、Aさんのモヤモヤもスッと晴れたそうです。
その後、洋服は返品することなく、帰路に就きました。帰り道、夫から「ほんとにAちゃんは僕のことをわかってるんだな。今回は悪かったよ」と謝罪の言葉もあったようです
まとめ
今回は店員が機転を効かせた粋な計らいがありましたが、心を込めて選んでくれたプレゼントを前に「返品しよう」と伝えるのは、やはり思いやりに欠ける行為です。自分のために行動してくれた人への配慮や感謝の気持ちをまず示すべきでしょう。そして、時には第三者の視点が、凝り固まった考えをほぐし、より良い関係を築く助けになることを学んだ出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:一ノ瀬 なつき/30代女性。1人娘とマイペースな夫と暮らす。肌のエイジングにあらがい、さまざまなスキンケアを試している。
イラスト/もふたむ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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