12月5日(金) 4:30
電気毛布は、エアコンや電気ストーブに比べて消費電力が小さく、比較的省エネな暖房器具とされています。一般的な電気毛布の消費電力はおよそ30~60ワット程度とされており、仮に50ワット(0.05キロワット)の電気毛布を8時間つけた場合、消費電力量は0.4キロワットアワーになります。
1キロワットアワーあたりの電気料金を31円とすると、0.4キロワットアワー×31円=約12円となります。
つまり、電気毛布を寝てる間8時間連続使用しても、一晩あたりの電気代はわずか10〜15円程度に収まる可能性があり、1ヶ月間毎日使ったとしても、電気代は300円~450円程度と、他の暖房手段に比べて経済的でしょう。
ただし、長時間肌に直接触れることによる低温やけどのリスクや、睡眠中の体温調整への影響が懸念されるため、設定温度を「弱」以下に下げる、あるいは寝入りだけ使用してタイマーで切るといった工夫が勧められます。
電気を使わずに保温できる道具として、“湯たんぽ”が挙げられます。近年では、エコ志向の高まりや電気代節約の観点から、電気毛布の代わりに湯たんぽの使用を検討しているという方もいるのではないでしょうか。
湯たんぽを使う際には、お湯を沸かすためにガスや電気が必要ですが、そのエネルギーコストも比較的低めです。
例えば、2リットルのお湯を電気ポットで沸かす場合、一般的に必要な消費電力量は0.2キロワットアワー程度とされています。これを電気料金31円/キロワットアワーで換算すると、約6円になります。
前述の電気毛布1晩あたりの電気代(約12円)と比較すると、今回の試算では、湯たんぽのほうが1回あたりおよそ半額のコストで使用できる可能性があることが分かります。1ヶ月毎日使うと、電気毛布が約360円、湯たんぽは約180円です。
このように、湯たんぽに切り替えることで、1ヶ月あたり180円程度の節約が可能となる場合があります。
また、湯たんぽは基本的に電源不要で災害時にも活用できるうえ、設置場所を選ばないというメリットもあります。しっかりと保温性のある布袋などに入れておけば、就寝中もほどよい暖かさが持続します。
電気毛布も湯たんぽも、それぞれにメリットと注意点があります。電気毛布はスイッチひとつで温度調節ができ、寒さが厳しい日でも安定した暖かさが得られます。一方で、電源を使用する以上、消費電力がわずかでも電気代はかかり続け、使い方によっては健康面のリスクも伴います。
一方、湯たんぽは使用中の電気代がかからず安全性も高い反面、毎回お湯を用意したり湯たんぽ自体を温めたりする手間がかかります。特に高齢者や一人暮らしの方には負担に感じられるかもしれません。
電気代の節約を優先するのであれば、湯たんぽが有利といえますが、「冷え性で夜中に目が覚める」「布団に入ってもすぐには温まらない」といった場合には電気毛布の方が適しているでしょう。
なお、両者を併用するという選択肢もあります。就寝前に電気毛布で布団を温め、寝る際には湯たんぽを抱えて眠るといった方法なら、快適さと節電のバランスを取りやすくなるでしょう。
電気毛布と湯たんぽは、どちらも冬の就寝時に活躍する便利な暖房手段です。コスト面では湯たんぽの方がやや有利で、今回の試算によれば、条件によっては1ヶ月で180円程度の差が出ることもあるようです。ただし、使用目的や生活スタイル、安全性の観点から、どちらが合っているかは人それぞれです。
どちらか一方に決めるのではなく、それぞれの特性をうまく組み合わせて利用することで、暖かさと節約の両立が可能になる場合があります。電気代が気になる冬こそ、日常の小さな工夫が大きな節約につながります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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