■これまでのあらすじ
夫婦共働きにもかかわらず、夕飯ができていないだけで文句を並べ立てる夫。パートで残業して疲れ切った妻に向けられるのは、「たかがパートでしょ?」「出勤前に作っておけばいいじゃん」といった心ない言葉ばかりだった。小言を聞き流していたそのとき、「聞いてるの!?」と突然距離を詰められ、思わず妻は夕飯の支度へと足を向ける。しかし、胸の鼓動は別の理由で高鳴っていた。手元の宝くじの番号が──まさかの“3億円当選”と一致していたのだ。
■息子の文句には父親としてきっちり叱る
■夫婦二人になるとまた始まる小言
■間違いなく当選…でもこの事実は胸に秘めたまま
夕飯のメニューに文句を言う息子に対し、「お母さんがせっかく作ってくれたんだから」と父親らしくたしなめる夫。
しかし、ひとたび息子がいなくなると、「手を抜くのだけは一流だな」と、また妻に嫌味を言い放ちます。妻は「気を付けるね」と笑顔で返しますが、こんな日々が続けば心が疲れてしまいます。
そんな中、トイレで改めて宝くじの当選番号を確認した妻は、3億円が間違いなく自分に当たっていることを確信します。
そして静かに心の中で決意するのです。「このお金は、あの人には絶対に渡さない」と。
(ちなきち)
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