ファイナルQTを15位で突破した川崎春花(撮影:福田文平)
12月5日(金) 17:48
<JLPGAファイナルQT最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
来年も開幕戦から出場できる。シードを喪失した川崎春花がQT15位に入り、来季の前半戦フル出場権を得られるボーダーライン(35位付近)を突破。自らの手で権利をつかみ取った。
2021年のプロテストに一発合格。同年に初めて受けたQTは62位で、ルーキーイヤーの序盤は下部ステップ・アップ・ツアーが主戦場だったが、9月「日本女子プロゴルフ選手権 コニカミノルタ杯」でツアー初優勝。シードを獲得し、そこから一気にスター街道を駆け上がった。
年間3勝を挙げた昨季は、メルセデス・ランキング9位で終えてキャリアハイの一年に。だが、開幕前に女王候補のひとりに挙げられていた今年は、ランキング76位でシードを喪失した。
自身のスキャンダルもあって、開幕から5試合は出場を自粛。6試合目からシーズンインとなったが、序盤から予選落ちが目立ち、トップ10入りは8月「北海道meijiカップ」での9位のみ。持ち味のショット力が復調しないまま、シーズンが終わってしまった。
日本女子プロ優勝による3年間の複数年シードを保有しており、QTを回避することもできたが、その行使は「今年は考えていなかったです」。“切り札”を残して、来季の出場権をかけた戦いにやってきた。「ここに来る時は『頑張るぞ』って思っていたけれど、いざ来るとめっちゃ不安でした。試合で考えないようなことばかりを考えてしまった。やっぱり独特な雰囲気だなと。自分がそうさせてしまっているんかなとも思っていました」。
プレッシャーもあったのか、初日は「73」と出遅れた。しかしその後は「70」「68」と丁寧に伸ばし、突破圏内の16位タイで最終日へ。4バーディ・2ボギーの「70」で回り、トータル7アンダーと余裕を持ってフィニッシュ。「初日から考えると満足です。少しずつ順位を上げられたのは良かった。すごく疲れました…」と、肩の荷を下ろしてため息をついた。
そして、すぐさま次を見据える。「今年は(調子が)全然良くなかったけど、いいショットを打てる回数がだんだん増えていった。来年につなげられるようにしっかり練習したい。このオフが勝負だと思います」。2003年生まれのダイヤモンド世代は、来年再び、輝きを放つ。(文・笠井あかり)
