12月4日(木) 5:00
公的な統一基準はありませんが、家計の専門家が推奨する小遣いの目安は「手取り収入の5~10%」です。この黄金比を使えば、簡単に適正額が計算できます。
月2万~4万円が適正範囲となります。4万円だと手取りの10%になり、やや高めの設定です。子どもの教育費や住宅ローンがある場合は、2万5000円程度に抑えるのが現実的でしょう。
月2万5000~5万円が目安です。4万円は中間の水準となり、妥当な金額といえます。共働きで余裕があれば、5万円まで増額しても問題ありません。
月3万~6万円が適正範囲です。4万円なら控えめな設定となります。貯蓄に余裕があれば5万円まで増やしてもよいかもしれません。
小遣いは「月4万円で足りるの?」という疑問に答えるため、実際の支出を見てみましょう。
会社員の昼食代は1日約700円といわれており、月20日勤務なら約1万4000円かかります。これだけで小遣いの3分の1以上が消えてしまう計算です。
月平均1万3000円が相場です。1回の飲み会で約5000円かかるといわれており、週に1回飲みに行く場合は月で2万円かかるという人もいるかもしれません。
趣味の一例として、有料動画サービスとフィットネスジムを検討してみましょう。有料動画配信サービス利用者のうち、Amazon Prime Videoの利用率は66.2%となっており、約3人に2人は月600円(2025年10月時点での料金)の出費があると考えられます。
また、健康維持でジムに通っている人は、会費などで月約8800円~1万5000円必要です(東京都世田谷区の場合)。家計収支の統計結果において、趣味や娯楽にかける金額平均は約2万5000~6000円であり、ランチ代や飲み会代の平均値を合計すると約5万3000円です。
したがって、4万円では足りない人もいると考えられます。お弁当や水筒を持参してランチ代を節約する、飲み会の回数を減らす、有料コンテンツサービスや運動の方法を見直すなどの対策が必要となるでしょう。
小遣いの話で夫婦げんかは避けたいものです。小遣い額をスムーズに決めるコツを紹介します。
まず、家族のライフプランを作成し、生活費や住居費、教育費、イベント費などに今後いくらかかりそうかを予測します。
次に、現時点の家計全体の収支を夫婦で共有しましょう。「何にいくら使っているか」が分かれば、ライフプランとの整合性を確認しながら、小遣いに回せる余裕の有無も見えてきます。
「ランチ代は小遣い? 家計費?」という線引きを明確に決めます。昼食を小遣いに含めるなら、その分増額が必要です。逆に家計費扱いなら、純粋な自由費として2~3万円でも十分かもしれません。
小遣いの金額は年1回のペースで見直すと良いでしょう。昇進や転職、子どもの進学など、ライフステージの変化に応じて金額を柔軟に調整することが大切です。
夫の小遣い4万円が妥当かどうかは、世帯の手取り収入によって大きく変わります。手取り40万円なら「やや多め」、50万円なら「ちょうど良い」、60万円なら「むしろ控えめ」というのが結論です。
家計全体のバランスを見ながら、夫婦で納得できる金額を決めることが重要です。手取りの5~10%を参考にしつつ、ランチ代や飲み会費用などの実支出を考慮して、家庭に最適な金額を見つけてください。
株式会社SBI新生銀行 2024年会社員のお小遣い調査
総務省統計局 家計調査 家計収支編 総世帯
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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50代、中小企業の部長です。旧友との飲み会で「年収600万円だ」と言ったら微妙な反応でした。友人は大企業に勤めていますが、そんなに年収に差が出るのでしょうか?