勇気、忠義、そして揺るがぬ意志——。古き日本の武士の心を今に映した「サムライネーム」が、男の子の名付けで注目を集めています。力強さのある漢字、伝統を感じさせる名、武将を思わせる凛々しい響き。こうした要素を取り入れた令和の「サムライネーム」は、昔ながらの武士道精神と現代的なセンスを美しく融合した名付けスタイル。子どもの未来に「強さ」と「誠実さ」を願う親御さんの思いが込められているようです。

10月生まれの男の子3,722名の名前から、現代に馴染む勇ましい令和版「サムライネーム」を紹介します。
大和（やまと）
「大和」は、古代日本を指す言葉で、“日本そのもの”を象徴する歴史ある名です。「大和魂（やまとだましい）」は日本人の精神的象徴であり、平安末期〜幕末にかけては「武士の心」・「忠義」・「誠」を示す概念として使われてきました。誇り高く生きる武士の姿を象徴する言葉で、名前としても堂々たる気品があります。「やまと」という読みには、伝統や歴史、精神の強さを感じさせます。
仁（じん）
「仁」は、武士道の中でも特に重視された概念の一つです。儒教の教えで大切にされる「仁義礼智信」の中でも、もっとも中心にあるのが「仁」です。新渡戸稲造の著書『武士道』でも、慈愛と思いやりを備えた武士の理想像として語られています。

力強さだけでなく、「人を思う力」を重視する現代の名付けでも人気が高く、穏やかさと凛とした誠実さをあわせ持つ名前です。
凱（がい）
「凱」は、「勝利して帰る」という意味をもつ力強い漢字。「凱旋（がいせん）」の凱に用いられるように、武運・戦功を象徴する字として知られています。

勇敢さと前進力を感じさせる響きで、「勝利に向かって力強く歩んでほしい」「困難に打ち勝ってほしい」という願いを込めて名付けられたのかもしれません。
桔平（きっぺい）
「桔」は桔梗（ききょう）に由来する漢字で、戦国武将・明智光秀の家紋「桔梗紋」に由来する漢字。桔梗は、古くから誠実・気品・変わらぬ心を象徴する花として武家文化に親しまれてきました。「平」は泰平・平らぐといった意味を持ちます。

「桔平」という名には、品格や義を重んじる精神が感じられます。また、「きっぺい」という和風かつ古風、そして力強さのある男らしい響きも魅力です。
理仁（りひと）
「理」は筋道・道理・正しさ、「仁」は武士道で大切にされた徳・慈愛を意味する漢字。この二つの漢字が組み合わさることで、「理にかなった正しい判断ができる人」「仁の心をもって人にやさしく接する人」という、知と徳を兼ね備えた人を思わせます。

知性と温かさを両立した「りひと」という響きも魅力。「聡明で思いやりのある人に育ってほしい」という願いを込める親御さんに選ばれているようです。
伊織（いおり）
「伊織」は、武家社会で長く親しまれてきた伝統的な名前です。「織」は、織りなす・積み重ねるという意味を持つ漢字です。布を織るように丁寧に物事を積み上げていくイメージから、鍛錬・研鑽・誠実な努力を象徴する字としても解釈できます。落ち着いた響きの中に強さが感じられ、賢さと勇ましさをあわせ持つ印象があります。どこか大人びた雰囲気もあり、和風の名前として幅広い世代に人気です。

古くからある名ながら、令和の現代でも多く名付けられている名前の一つです。

▼2025年10月のサムライネームでは、「大和」「仁」など精神性を象徴する名前から、「凱」「桔平」「伊織」のように武士ゆかりの歴史ある名まで、多彩な名前が見られました。力強く美しい「サムライネーム」は、古き良き武士の美徳を現代に受け継ぎながら、堂々とした未来を歩んでほしいという願いが込められているのかもしれません。

photo：@akito_lion_mamaさん（べビカレメイト）
＜調査概要＞
調査対象：株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方
調査期間：2025年10月1日(水)〜2025年10月25日(金)
回答件数：男の子：3,722件

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