12月4日(木) 4:10
まずは餃子の王将から見ていきましょう。
【株主優待】
王将フードサービスの株主優待は、100株以上保有で年2回食事券が贈呈されます。贈呈される枚数は保有株式数によって異なりますが、100株保有の場合は年間で4000円分を受け取れます。
【配当金】
直近(2025年3月期)では、配当金は1株あたり159円(2024年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っており、株式分割を反映しない場合の2025年3月期期末配当金は84円で、中間配当75円と合計し年間配当金159円)です。
そのため、100株保有している場合、年間で1万5900円の配当金を受け取れます。
【総合利回り】
王将フードサービスの株価は現在約3000円ですので、100株保有するには約30万円必要です。
そして、この30万円に対し、株主優待で4000円、配当金で1万5900円、合計で1万9900円の恩恵を受けられます。つまり、総合利回りとしては次の通りです。
・1万9900円÷30万円=約6.6%
普通預金の金利と比べると、かなり魅力的な水準といえるでしょう。
続いて、大阪王将を展開するイートアンドHDを見ていきましょう。
【株主優待】
イートアンドHDの株主優待は、年2回実施されます。優待内容は、自社グループ店舗で使える食事券と自社製品(冷凍食品など)で、年間5000円相当です。
【配当金】
直近(2025年2月期)の配当金は、1株あたり15.5円です。そのため、100株保有している場合、年間で1550円の配当金を受け取れます。
【総合利回り】
イートアンドHDの株価は現在約2000円ですので、100株保有するには約20万円必要です。
そして、この20万円に対し、株主優待で5000円、配当金で1550円、合計で6550円分の恩恵を受けられます。総合利回りは次の通りです。
・6550円÷20万円=約3.3%
餃子の王将ほどではありませんが、こちらもうれしい水準だといえるでしょう。
続いて、両社の株価の推移を、株式分割も踏まえて比較してみましょう。
まず「餃子の王将」は、2015年の株価が約4000円でした。そして、当時は1株のままでしたが、2024年に1→3の株式分割を行ったため、実質的には4000円→1300円相当と換算できます。現在の株価は約3000円ですので、分割後ベースでは 実質2.3倍となり、堅調に伸びています。
「大阪王将」を展開するイートアンドHDは、2015年の株価が約2000円で、2018年に1→2の株式分割を実施しています。分割後ベースでは1000円相当→現在2000円 と、こちらの伸び率も実質2倍程度です。
なお、両社とも10年という長期スパンで見ると伸びていますが、短期的に見れば株価は上下しています。今後も長期的に伸びるかは、社会情勢などによって変わることは認識しておきましょう。
餃子の王将と大阪王将は、いずれも全国展開する人気チェーンですが、株主優待・配当・株価の動きには違いがあります。
優待と配当を組み合わせた総合利回りでは、餃子の王将が約6.6%、大阪王将が約3.3% と、年間のお得度に明確な差が出ます。特に餃子の王将は配当金が高く、安定した株主還元が魅力です。
株価の推移を10年スパンで見ると、いずれも株式分割を考慮した実質ベースでは餃子の王将は約2.3倍、大阪王将は約2倍と堅調に成長しています。
どちらを選ぶべきかは、今後の成長性を考慮することはもちろん、「利回り・配当の高さを重視するか」「優待の内容や使いやすさを重視するか」などによって変わります。普段利用する店舗との相性も踏まえて、自分に合った銘柄を検討するとよいでしょう。
株式会社王将フードサービス 株主優待
株式会社イートアンドホールディングス 株主優待情報
株式会社イートアンドホールディングス 株主還元(配当等)
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
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