青木タカオ氏がBMWの新型バイクを試乗!
BMWモトラッドが日本市場で快進撃を続けている。今年上半期の販売台数は過去最高を更新!というわけで今回は、そんな話題のBMWの新型バイクを一気に試乗!その走破性、快適性、そして"冒険力"を現地で体感してきた!!
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【BMWが快進撃!首位ハーレーに猛追】
――BMWのバイクが、上半期絶好調だったそうで?
青木
はい。国内登録台数は3099台を記録しました。これは前年同期比で7.8%の増加となり、過去最高の数字です。今年1月にBMWモトラッドジャパンの責任者に就任した大隅 武氏が、7月に都内で開催された新型モデル発表会で、報道陣に向けて力強く発表していましたね。
――ちなみに昨年の年間販売台数は?
青木
過去最高の5986台でしたが、今年はすでに7月時点で3476台に到達。輸入二輪車市場でのシェアは24.2%にまで拡大し、〝輸入車の絶対王者〟ハーレーダビッドソン(3953台/27.6%)の背中が、射程圏内に入ってきました!
――販売好調の理由をどう分析されています?
青木
新型モデルの投入ラッシュが大きかったですね。マイナーチェンジや特別仕様車を含めると、今年だけで11車種が登場するんです。
――怒涛の攻勢!
青木
さらに、海外で先行発表されたR 12 G/Sについては、国内限定200台がわずか5日間で完売したと、大隅氏が耳打ちしてくれました。
――販売方法にも変化が?
青木
在庫を持たないストックロケーター方式(新車在庫検索)が導入されました。
――具体的には?
青木
ユーザーは希望の車種とカラーをネットで注文し、指定した正規ディーラーで受け取る仕組みです。人気モデルを確実に手に入れられ、販売店側も在庫リスクを抱えずに済むメリットがあります。
BMWR 12 G/S1980年代の伝説的モデル「R 80 G/S」をオマージュして誕生したのがR 12 G/S。ファン歓喜の一台。価格は245万4000円~
――特に注目の新型があるそうですね?
青木
R 12 G/Sは間違いなく大ヒットします。1980年のR 80 G/Sをオマージュしたスタイルとカラーに、発表時、バイクファンは大悶絶。まさに世界中のオフロード好きが欲しがるモデルです。
――試乗は?
青木
群馬県高崎市にあるモトフィールド榛名で開催されたジャーナリスト向け試乗会で試しました。GSシリーズは「ゲレンデシュポルト(オフロードスポーツ)」の名のとおり未舗装路に強いですが、今回は本格的なマウンテンコースでの試乗。これは異例!
――その背景には何が?
青木
実は12歳からオフロードを楽しむ大隅氏が、R 12 G/S、R 1300 GS/アドベンチャー、F 900 GSの実力をしっかり見せたいと企画したそうです。
――実際に乗った感想は?
青木
R 12 G/Sの戦闘力に驚きましたね。ジャンプも余裕です。水平対向2気筒エンジンは1200ccで、専用フレームによりダートでのハンドリングも抜群でした。
BMWR 1300 GS145馬力の空水冷ボクサーツインエンジンを搭載。スポーツ性能と快適性を高次元で融合。先進装備も充実している。価格285万円~
――フラッグシップのR 1300 GSはいかがです?
青木
BMW独自のテレレバーサスペンションで安定性が高く、見た目の大きさに反してダートも走破可能。停止時にシート高が30mm下がるアダプティブ車高制御で足つきも安心。
クラッチ操作を自動化した、ASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)により、シフトペダルだけでギアチェンジが可能。トラクションコントロール(タイヤの空転を防ぐ制御システム)も電子制御で、急坂やぬかるみも問題なし。
R 1300 GSアドベンチャー仕様は約30リットルの巨大タンクを標準装備し、まさに地の果てまで行ける〝横綱バイク〟という感じ。
BMWF 900 GS週末の林道も、長距離ツーリングもF 900 GSなら、どこまでも自由に楽しく走れてしまう。充実装備満載。価格208万9000円~
BMWF 800 GSオンロード寄りの快適性と軽快な操作性を両立したモデル。通勤も週末のツーリングも快適にこなしてくれる。価格138万5000円~
――ほかのマシンは?
青木
新型F 900 GSはスリムな車体を生かし、獣道のような幅が狭く細い道でも軽快に走破します。スタンディングポジションに最適化されたハンドル位置により、凹凸のある路面も難なく乗り越えられます。
さらにF 800 GSも試乗しましたが、オフロード性能ではF 900 GSが一枚上手。F 800 GSはオンロード寄りのセッティングで、両者のキャラクターが明確に差異化されていましたね。
――では、最後に総括を!
青木
BMWモトラッドの快進撃は続きそうです。
青木編集長作のBMWのムック本。今年9月にモーターマガジン社から刊行
撮影/柴田直行
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