12月2日(火) 8:30
結論から言うと、ノンアルコールビールには酒税はかかりません。
なぜなら、酒税法で酒類と認められるのは「アルコール度数1%以上」の飲料のみであり、ノンアルコールビールは通常アルコール度数0.00〜0.9%の範囲で作られているため、法律上は清涼飲料水として分類されるからです。この点はたとえビール風味であっても変わらず、酒類扱いにはなりません。
また、ビールテイスト飲料にはさまざまな種類がありますが、アルコール1%未満であればすべて酒税の対象外です。例えば「アルコール0.5%」の低アルコール飲料は“微アル”カテゴリでありながら、酒税は発生しません。この点を理解しておくと、商品選びの際に混乱せずに済むでしょう。
酒税がかからないため、ノンアルコールビールは一般的に通常のビールより安く販売されています。では、その差は実際どれほどなのでしょうか。以下はスーパーやコンビニで見られる一般的な価格帯の例です。
・普通のビール(350ml)→200〜250円前後
・ノンアルコールビール(350ml)→120〜160円前後
もちろんブランドや販売店によって差はありますが、平均すると1本あたり40〜100円ほどノンアルが安い傾向にあります。この差を生んでいる最大の要因は酒税ですが、その他にも製造工程の違いや使用原料のコストなども影響しています。
なお、発泡酒や新ジャンル(第三のビール)の価格が比較的安い理由も酒税の違いによるものです。ビールは麦芽比率が高く、酒税額も大きいのに対し、ノンアルは酒税ゼロであるため、メーカーとしても価格設定により自由度があるのです。
価格面のメリットはもちろんですが、ノンアルコールビールが支持される理由はそれだけではありません。以下のようなニーズに応えられることが大きな強みです。
・運転前でも飲める
・仕事中や昼食時でも気軽に楽しめる
・体質的にお酒が弱い人でもビールの雰囲気を味わえる
・カロリー・糖質を抑えた商品が増え、健康志向にもマッチ
特にカロリーゼロ・糖質ゼロのノンアル製品は、ダイエット目的で選ぶ人も増えています。味の進化とともに「飲みたいけれど酔いたくない」シーンにおける新しい選択肢として定着しつつあります。
ノンアルコールビールには酒税は一切かからず、そのため普通のビールより40〜100円ほど安価で手に入ることが一般的です。価格の違いだけでなく、健康面やライフスタイルに合わせて選べる点も魅力のひとつです。
もしこれまで「味が物足りない」と思っていた人でも、近年のノンアルは驚くほど品質が向上しているため、一度試してみる価値は十分あります。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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