あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第186回】
毎週、人生相談を楽しく拝見させていただいております。私は穴党で馬券をよく買います。穴党の理由は秋華賞のカムニャックのように人気馬でも負けるときは負けるからです。一番人気は3連単だとうま味が少ないと考えて、1着を外して2着買いを行います。そのうえで穴馬を探すため競馬新聞4紙(競馬ブック・エイト・勝馬・研究)を読み比べています。
先週のエリザベス女王杯ではパラディーヌが良く走り、一番人気2着ライラックが紐荒れと考えてはずれ、今週のマイルチャンピオンシップではガイアフォースが良く走り、一番人気2着ウォーターリヒトが紐荒れと考えはずれ、両レースとも3連単一番人気1着で買えば取れたレースでした。
ここで質問です。自分なりに穴馬と走りそうな上位人気をうまく選択できていると思いますが、馬券購入点数を無理に減らして的中を逃していると考えてしまいます。払い戻し一万円以下の3連単ならあきらめがつきますが、今週の52000円は、精神的に辛く感じました。穴党のこだわりを捨てて3連単一番人気1着を買うべきでしょうか?それとも今まで通り、穴党として購入点数を減らすべきなのか?じゃいさんにご教授願いたいです。
(PN:黒スズンカ兄・35歳・男性・会社員)
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ジャパンCは20年ぶりに外国馬のカランダガンが優勝!僕も本命にしてたので本当に嬉しかった。日本の競馬界、ジャパンC的にも、この結果は凄く良かったと思う。本命カランダガンでほぼほぼ1着固定で馬券を買ってたのに、ヒモを穴に狙いすぎて外しましたが、なんの悔いもありません。と同時にマスカレードボールの強さを改めて思い知らされた感じです。
個人的にはカランダガンは相当強いと思っているので、肉薄したマスカレードボールは評価に値します。ホーリックス、オグリキャップを思い出しました。ジャパンCはこうでなくっちゃね。
僕が競馬を始めた頃のジャパンCは外国馬がもっと出走していたし、好走していた。ゴールデンフェザント、マジックナイト、ランド、シングスピールとか。最近は国際レースとしての意味をほとんど成してなかった。今年だって一頭だしね。これを機に外国馬の参戦が増えてくれるといいなと思います。
では質問へ。
まず
馬券に後悔は付きもので、どんな買い方をしたとしても、どんな結果になったとしても後悔は生まれます
。単勝で買った馬が2.3着に来たら複勝にしとけばよかった! 複勝で買って1着に来たら単勝にしとけばよかった! マルチにしとけばよかった! 総流しで買えばよかった! などなど。仮に的中したとしても、もっと大きな額で買えばもっと儲かったのにー! とキリがありません。
結論から言えば質問者の買い方については全く問題はありません。むしろ
こだわりを捨ててはいけません
。馬券は一喜一憂が一番怖いです。後悔、反省、裏目など毎レースで考えていたらスタイルは確実にブレます。長い目で見て損か得かを考えないと多分勝ちづらくなります。
例えば毎回本命馬から1着固定で買う人がいたとしましょう。本命馬が2.3着だと馬券は外れます。マルチで買っておけば的中率は上がります。しかし、仮に本命馬から1着固定で4頭に流すとした場合、12点になります。これをマルチにすると3倍の36点買う必要があります。100円ずつ買うとして1着固定なら1200円。マルチだと3600円必要です。ということは、的中時の3回に1回以上1着固定で当たるなら、そちらの方がトータルでプラスになります。
年間で1着固定で買って30レース的中したとします。ただマルチで買っていたら70レース当たっていた場合、一見マルチの方が勝ってるように思いますが、1着固定で買った方がお得になるのです。
もっとわかりやすくしましょう。例えば1レースに3連単1点勝負10000円をする人が100レースやって1レースだけ200倍が当たりました。的中率はたったの1%です。ところが回収率は200%になります。
かたや1レースに3連単100点を100円ずつ勝負する人は、2レースに1回200倍の配当が当たります。的中率は50%です。そして回収率は100%です。大抵の人はいっぱい当たる方がいいと思いがちですが、勝ってるのは的中率1%の人なんです。
今週のギャンブル格言【柔軟でブレないが最強。】
僕の場合、もはやブレることはありません。ジャパンCも外れましたが、マスカレードボールを相手にしておけばとは思いません。それは買う前に考慮した上で購入しています。結果が出た後にこうしておけばよかったというのはナンセンスなんです。結果と擦り合わせてるだけなんです。これが
予想時に明らかな見落としがあったなら、反省して次に活かせばいいと思います
。それは予想力の向上に繋がるでしょう。
僕は外れることなんかは当たり前くらいに思ってます。1、2週間当たらないこともあります。それでも最終的に勝つ自信はあります。ただ世間の人はとにかく的中が大好きです。これが「罠である」ということを受け入れられない人が多いんです。
別に穴党がいいとか、点数が少ない方がいいとか、一番人気を1着に入れなくてはいけないとか、そこに正解はありません。ただ
馬券の買い方のセンスは大事
です。いくら予想が上手くても馬券の買い方が下手な人はそれほど勝てないです。なんなら負けます。たまたま自分のスタイルの買い方がハマらない結果になっただけのことです。いつかはそのスタイルで大物が釣れるはずです。
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。
構成・撮影/キンマサタカ
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