杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。
11月30日(日)の放送テーマは「冬こそご用心! ノロウイルスによる食中毒」。厚生労働省 食品監視安全課の中原健人(なかはら・たけと)さんから、ノロウイルスの危険性や食中毒を防ぐためのポイントを伺いました。

(左から)杉浦太陽、中原健人さん、村上佳菜子
冬の訪れとともに注意が高まるのが、ノロウイルスによる食中毒です。食中毒の原因として毎年上位に挙がる感染症で、吐き気やおう吐、下痢、腹痛、発熱といった症状が1〜2日続きます。特に乳幼児や高齢者は体力がないため、より症状が重くなる可能性もあります。
また、ノロウイルスによる食中毒が増える時期は、例年11月から2月と言われていますが、今年は既に9月1日の時点で、ノロウイルスによる患者数が昨年1年間の数を超えています。これから本格的な流行期を迎える冬に向けて、改めて注意が必要です。
◆ノロウイルスの危険性
中原さんがノロウイルスの危険性として挙げたのが、ノロウイルスの小ささです。ノロウイルスは、大腸菌と比べて約30分の1という極めて微細なウイルスで、手や指につくと、シワや指紋、爪のすき間に入り込み、洗っても落ちにくいのが特徴です。その小ささゆえに、拡散しやすいことも大きな問題で、「おう吐物が乾燥し、チリやホコリとともに空気中に舞い上がり、長時間浮遊してしまうこともあります。その浮遊したウイルスを吸い込むことにより、感染することもあります」と説明します。
ノロウイルスが怖いもうひとつの理由は、感染に必要なウイルス量が非常に少ないこと。食中毒で知られる「腸管出血性大腸菌O157」も感染力が強く、100個程度の菌で発症するといわれていますが、ノロウイルスは10個からでも感染が成立するといわれており、わずかな汚染でも大規模な感染症を引き起こしてしまいます。さらに、症状がおさまっても、便とともにウイルスが排泄される期間は、通常1週間程度、長いときは1ヵ月を過ぎても続く場合があります。“症状が治った”といって安心せず、しばらくは感染拡大に気をつけましょう。
◆ノロウイルスに感染しないための“4原則”とは?
では、ノロウイルスに感染しないためには、どのようなことに気を付ければ良いでしょうか? ノロウイルス対策の基本となる4原則を紹介します。
【ノロウイルス対策その①「持ち込まない」】
「ノロウイルスによる食中毒は、感染した人が調理した食べ物を介して広がるケースが多いといいます。そのため、まずはウイルスをキッチンや食卓に持ち込まないことが大事です」と中原さん。そのために、日頃から手洗いと体調管理を意識し、下痢やおう吐、風邪のような症状があったときは、食品を直接扱うことを避けると良いでしょう。
【ノロウイルス対策その②「つけない」】
中原さんによると、特に徹底すべきは「手洗い」です。トイレに行った後や調理前、盛り付け前、作業の切り替え時、手袋着用前など、手洗いのタイミングは多岐にわたります。また、家庭内のおむつ交換後も手洗いをしましょう。
手洗いの際は指輪や時計を外し、指先や爪のすき間、親指の周り、手首、手の甲など、汚れの残りやすいところをしっかり洗ってください。「石けんは、ウイルスを直接やっつけるわけではありませんが、汚れを落とすことでウイルスが手からはがれやすくなります」と補足します。
【ノロウイルス対策その③「やっつける」】
食品に付着したノロウイルスを死滅させるには、中心温度85〜90度で90秒以上の加熱が必要です。食品工場などでは、食中毒予防のため加熱調理の際にしっかり温度管理をしますが、家庭でも、中心温度計を使えば十分に確認できます。また、アサリやカキといった二枚貝には、特に内部にウイルスが潜んでいることがあるので注意しましょう。
【ノロウイルス対策その④「ひろげない」】
調理後に使った包丁やまな板、ふきん類は洗剤で洗った後、85度以上の熱湯で1分以上加熱、または塩素系消毒液で消毒することが推奨されています。また、汚染を避けるために調理器具を用途別に使い分けることも効果があります。
身近にノロウイルス感染者が出た場合は、感染者が使った物品やおう吐物が付着した物を他と分けて洗うことが重要です。汚染された物は優しくもみ洗いし、十分にすすぎをおこなったうえで、高温の水で洗濯したり、塩素系消毒したりすることで効果が高まります。
おう吐物の処理をする際は、ウイルスが乾燥して空気中に舞うのを防ぐため、使い捨てのマスクやガウン、手袋を着用し、乾燥する前にペーパータオルで除去します。処理後は、おう吐物が付着していた場所に浸すように塩素系の消毒液で拭き取り、着用していたマスクやガウンなどと一緒にビニール袋に入れ、密閉して廃棄してください。その後、屋内への拡散防止のために換気をおこない、手は石けんで丁寧に洗いましょう。
改めて、中原さんは「ノロウイルスによる食中毒は冬に多発しています。感染のリスクを減らすためには、予防対策を徹底するしかありません。普段から『持ち込まない』『つけない』『やっつける』『ひろげない』の4原則を守るように心がけてください」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「ノロウイルスによる食中毒」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上は注目ポイントに“ノロウイルス 冬こそ要注意”とスケッチブックに書き、「冬というイメージがなかったのですが“冬こそ”でございます!」と話します。続いて、杉浦は“ノロウイルスによる食中毒を防ぐための4原則「持ち込まない」「つけない」「やっつける」「ひろげない」”と注目ポイントを挙げ、「ノロウイルスの予防法について詳しく知りたい方は、
厚生労働省のWebサイトをご覧ください」とコメントしました。

(左から)杉浦太陽、村上佳菜子
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/manabiyori/番組公式X:
@manabiyori_tfm