『ウマ娘』でも周囲から畏怖されるほどの強さを見せるナリタブライアンが「怪物」ぶりを発揮した5馬身差の圧勝劇

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『ウマ娘』でも周囲から畏怖されるほどの強さを見せるナリタブライアンが「怪物」ぶりを発揮した5馬身差の圧勝劇

11月30日(日) 18:00

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蘇る名馬の真髄

連載第24回:ナリタブライアン

かつて日本の競馬界を席巻した競走馬をモチーフとした育成シミュレーションゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)。2021年のリリースと前後して、アニメ化や漫画連載もされるなど爆発的な人気を誇っている。ここでは、そんな『ウマ娘』によって再び脚光を浴びている、往年の名馬たちをピックアップ。その活躍ぶりをあらためて紹介していきたい。第24回は、史上5頭目の三冠馬であり、他を寄せつけない強さから「シャドーロールの怪物」と呼ばれたナリタブライアンを取り上げる。

日本ダービーを圧勝したナリタブライアンphoto by Kyodo News

日本ダービーを圧勝したナリタブライアンphoto by Kyodo News



『ウマ娘』のナリタブライアンは、走ること以外に興味がなく、圧倒的な走力を誇る。その強さは「トレセン学園」に集う数多くのウマ娘たちからも畏怖されるほど――こうしたキャラクターは、モデルとなった競走馬・ナリタブライアンから作り上げられたものだ。

同馬は1993年、3歳(現2歳。※2001年度から国際化の一環として、数え年から満年齢に変更。以下同)の夏にデビュー。年末にはGI朝日杯3歳S(中山・芝1600m)を完勝した。

4歳になった翌年には、牡馬クラシックのGI皐月賞(中山・芝2000m)、GI日本ダービー(東京・芝2400m)、GI菊花賞(京都・芝3000m)を制して史上5頭目の三冠を達成。さらに、GI有馬記念(中山・芝2500m)も勝ってGI5連勝を飾った。

この間のレースはほとんどが圧勝だった。強豪馬ぞろいのGIレースであっても、あっさりと他馬を突き放したのである。その走りっぷりと、同馬がつけていた馬具のシャドーロールにちなんで、いつしか「シャドーロールの怪物」と言われるようになった。

ちなみに、『ウマ娘』のナリタブライアンは鼻に白いテープをつけているが、これはシャドーロールがモチーフになったものだろう。

ナリタブライアンが"怪物ぶり"を発揮したレースは数多いが、世代の頂点を決するダービーで見せた走りも圧巻だった。

3歳王者になったあと、牡馬三冠初戦の皐月賞でも後続に3馬身半差をつける完勝劇を披露したブライアン。もはや同世代に敵はいない状況にあり、この時点で三冠を期待する声が非常に高まっていた。

迎えた日本ダービー。ブライアンは単勝1.2倍という断然の1番人気でこの大舞台に挑んだ。

18頭立ての8枠17番ゲートから発走し、道中は6~7番手を追走。主戦の南井克巳騎手を背にして、白いシャドーロールをつけた怪物はいつものスタイルでレースを進めていった。

淡々とした流れのなか、ブライアンは4コーナーあたりで抑えきれない手応えを見せて、大外から進出。直線入口時点で早くも先頭に立った。

印象的だったのは、ここからの進路だ。ブライアンは4コーナーで外へ膨らんでいった勢いのまま、直線も外へ。ライバルたちから離れるように、どんどんアウトコースへと寄っていった。

まるで一頭だけ違うレースをしているかのように、ブライアンはライバルたちから離れた大外を駆け抜けていく。直線半ばすぎにはエンジン全開となり、別次元の末脚でさらに加速。最後は後続に5馬身もの大差をつけてゴールへ飛び込んだ。その破壊的な強さは、まさしく"怪物"そのものだった。

その後、ナリタブライアンは菊花賞でも驚異的な強さを見せて三冠達成。続く有馬記念では歴戦の古馬まで撃破して、この年の年度代表馬に選ばれた。

翌年、古馬となったナリタブライアンは始動戦を快勝。怪物伝説はまだまだ続くと思われたが、その後に股関節炎を発症し、以降はなかなか能力を発揮できないレースが続いた。

そんな状況のなか、1996年のGⅡ阪神大賞典(阪神・芝3000m)ではマヤノトップガンとの熾烈なマッチレースを制覇。怪物復活を思わせるレースも披露している。この一戦は今でも語り草になっており、「名勝負」に挙げるファンも少なくない。

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