【欧州年度代表馬が参戦】11月30日(日)、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅠジャパンC(芝2400m)が行なわれる。
有馬記念と並んで1着の賞金が5億円、古馬中長距離戦線の最高峰レースに位置づけられているこのレース。今年もすばらしいメンバーが揃った。
出走予定の外国馬は1頭だが、そのカランダガン(フランス)が超大物。今年の欧州年度代表馬に選出され、最新の世界ランキングでトップに立っている。日本馬にとってはかなりの強敵と言えるが、同馬はこれまで欧州を中心に走っているため、日本の馬場適性に関しては未知数。凡走の可能性もあるだろうし、人気薄の日本馬にも十分チャンスはあるだろう。
それでは、血統的視点からこのレースを占っていこう。今年の出走馬のなかで、過去のジャパンC勝ち馬と深い縁のあるのが、サンライズアース(牡4歳、栗東・石坂公一厩舎)だ。
今年3月の阪神大賞典を勝利したサンライズアースphoto by Sankei Visual
同馬は従兄に2017年のジャパンCを勝ったシュヴァルグランがいる血統。シュヴァルグランは5歳時に5番人気でジャパンCを勝ったほか、GⅠ天皇賞・春で2年連続2着、GⅠドバイシーマクラシックでも2着に入るなど、国内外の芝中距離戦線で活躍した。ジャパンCには4回出走し、3着、1着、4着、9着の成績だった。
そして、サンライズアースの父レイデオロは、シュヴァルグランが勝ったジャパンCで2着に入っている。当時3歳だった同馬は2番人気で出走し、1番人気だったキタサンブラックにクビ差で先着している。同馬はジャパンCと同じ年、同じ「東京・芝2400m」のGⅠ日本ダービーを勝利。4歳秋にはGⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)を勝利し、GⅠ有馬記念(中山・芝2500m)でも2着に入るなど、この馬も芝中距離戦線のトップクラスで活躍していた。
レイデオロ産駒はここまで3世代の産駒が出走している。産駒は芝長距離の適性が高く、11月23日現在、芝2300m以下の859戦82勝、勝率9.5%、連対率17.2%に対し、2400m以上は103戦14勝、2着18回で勝率13.6%、連対率31.1%。2400mでは61戦5勝、2着9回で勝率8.2%、連対率23.0%という数字が残っている。
サンライズアースは今年のGⅡ阪神大賞典(阪神・芝3000m)を6馬身差で圧勝し、重賞を初制覇。その後はGⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)で4着、秋初戦のGⅡ京都大賞典(京都・芝2400m)で逃げて2着に入り、ここに臨む。気性的に幼い面があり、前走も直線入り口で外に膨れていたが、それでいて粘りを見せたのは悪くない走りだった。叩いて良化するタイプだけに、試走としては十分な内容と言えそうで、充実の4歳秋の本格化に期待する。
【もう1頭は2年連続の挑戦になる6歳馬】もう1頭は
ジャスティンパレス
(牡6歳、栗東・杉山晴紀厩舎)を推す。同馬は2023年のGⅠ天皇賞・春の勝ち馬。それ以来勝利がないが、2023年のGⅠ天皇賞・秋2着、今年のGⅠ宝塚記念(京都・芝2000m)3着、GⅠ天皇賞・秋3着と、GⅠでは上位争いを繰り返している。
ジャパンCは5着だった昨年に続く2回目の出走だが、今年は前走の天皇賞・秋で上がり3F32秒6と自己最速のタイムを出したように状態はいい。鞍上は昨年と同じC.デムーロ騎手なので、瞬発力勝負で敗れた昨年の敗戦を踏まえた乗り方をしてくるだろう。
父ディープインパクトはジャパンCの勝ち馬であり、産駒も2012、13年ジェンティルドンナ、2015年ショウナンパンドラ、2021年コントレイルと4勝。種牡馬別では歴代最多勝を誇る。昨年の暮れも、6歳のシャフリヤールがGⅠ有馬記念で2着と激走した。
以上、今年のジャパンCは、レイデオロ産駒サンライズアース、ディープインパクト産駒ジャスティンパレスの2頭に期待する。
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