サッカー日本代表ワールドカップメンバー入りは三笘薫や守田英正も危ない!? 福田正博が考察するチームの新陳代謝

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サッカー日本代表ワールドカップメンバー入りは三笘薫や守田英正も危ない!? 福田正博が考察するチームの新陳代謝

11月28日(金) 10:05

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福田正博フットボール原論

■サッカー日本代表は、年が明けて2026年になるといよいよW杯本番に向けて機運が高まっていく。6月のメンバーは誰になるのか?福田正博氏が考察した。

>>前編「福田正博が感じたガーナ戦、ボリビア戦で存在感を発揮した選手」

【新陳代謝が顕著なボランチ】 日本代表の2025年を振り返ると、新陳代謝という言葉が浮かぶ。

9月から11月の強化試合6試合で、日本はブラジルに勝利し、開催国のメキシコとは引き分けたものの相手を押し込む試合ができた。収穫の多い6試合だったが、最大のポイントは主力メンバーだけで戦ったわけではないということだ。

サッカー日本代表のワールドカップ本番のメンバーはどんな顔ぶれになるのかphoto by Nakashima Daisuke

サッカー日本代表のワールドカップ本番のメンバーはどんな顔ぶれになるのかphoto by Nakashima Daisuke



W杯アジア最終予選で主力だった選手が不在でも、その穴を感じさせないほど新たな選手が台頭し、日本代表という大きなグループ全体が底上げされた1年だったと思う。

顕著なのがボランチだ。W杯予選までは遠藤航と守田英正が不動で、田中碧が控える構成だった。しかし、いまや佐野海舟が加わり、藤田譲瑠チマも成長。さらに鎌田大地が2列目からボランチにポジションを変えて活躍している。

遠藤航の存在感は大きいが、仮に先発メンバーに名前がなくても不安を感じなくなってきた。また、守田に至っては故障の影響や自チームで出番が得られないこともあって、今年3月の代表活動を最後に招集が見送られているが、その不在を忘れてしまうほど新たな選手たちがボランチで結果を残してきた。

もちろん、守田にしたらW杯を諦めたわけではないだろうし、日本代表にとっても守田が本来の輝きを取り戻すことは大きい。冬の移籍期間にクラブを変えるのか、チーム内でのヒエラルキーを覆す道を選ぶかは本人次第だが、コンディションを戻してもう一度メンバー争いに加わってもらいたい。

同じことは三笘薫にも言えるかもしれない。9月の強化試合には出場したものの、その後はチームでも故障が影響して出場機会がない。それでも日本代表では中村敬斗が三笘不在を感じさせない働きをし、前田大然や相馬勇紀は、三笘とタイプは違うもののそれぞれの持ち味を発揮している。

【DFラインはどんな顔ぶれに?】 これまでの日本代表ならW杯予選の主力がふたりもいなければ、不安の声が挙がっていただろう。だが、いまやこの2選手だけでなく、DFラインまで含めるとW杯予選の主力がごっそり不在であっても、そうした声はほとんど聞かれない。

それは森保一監督が日本代表を「先発11人+交代選手」という小さなグループではなく、もっと大きなグループで強化してきたからだろう。だからこそ誰かが不在になってもチーム全体の戦い方がブレないで穴を感じにくいし、代わりに出た選手たちもしっかりと持ち味を発揮している。

森保監督のすごさは、主力選手を欠いた時にこそ発揮される。DFラインで言えば、冨安健洋、伊藤洋輝、高井幸大、町田浩樹といった実力ある選手たちが不在になっても、しっかりとDFラインを構築してきた。

渡辺剛、鈴木淳之介が頭角を現したのは収穫だったし、なにより左アキレス腱断裂の大ケガから今季復帰した谷口彰悟を招集したことはもっと評価されるべきだろう。

クレバーさ、ロングボール時のヘディングの強さ、さまざまなタイプのFWに対応できる経験値、そういうものを発揮できるフィジカルが戻ってきたことをアピールした谷口もさすがだが、Jリーグ、海外組にかかわらず日本選手たちの動向をつぶさに追っている森保監督だからこその招集だった。

谷口に限らず、故障やコンディション不良で日本代表から離れていた選手たちが戻ってきたら、彼らが不在の間に成長を遂げた渡辺や鈴木淳之介がいるなかで、誰をW杯メンバーに選ぶかで森保監督は頭を悩ませることになるはずだ。

実際、伊藤洋輝はブンデスリーガの戦線に戻ってきたし、高井幸大もトレーニングには復帰できるところまで戻っている。今季開幕戦で左膝前十字靭帯断裂した町田はリハビリ次第ではあるものの、冨安健洋はボールを蹴れるところまで回復しているという情報もある。

彼らがどういう選手でどんなプレーができるかなどの情報は、すでに森保監督にはインプットされているだけに、コンディションさえ万全なら3月の代表活動に招集しても不思議ではない。彼らのなかからひとりでもふたりでも戦線に戻ってきてくれたら、それだけで戦力は大幅な底上げになるので期待している。

【来年3月の強化試合のメンバーに注目】 日本代表が次に活動できる機会は、来年3月の強化試合になる。その次は6月の大会直前の合宿や強化試合で、ここは最終確認の場だ。そうなると3月の強化試合は、W杯でのメンバー入りが濃厚な選手たちが招集されるはずだ。

例外があるとすれば、GKの鈴木彩艶だろう。11月の日本代表活動直前のセリエAで左手を骨折した。すでに手術を終えているが3月には間に合わない可能性もある。それでも故障箇所が手だったことは幸いで、ボールを使ったトレーニングなどはできないが走ったりはできるだろう。この離脱期間中に鈴木彩艶がフィジカル面でどこまでパワーアップして戻ってくるかは楽しみでもある。

そのほかに、3月時点でコンディション的には難しくても、本番までに計算が立つ選手であればメンバー入りという選手は、三笘くらいかもしれない。ポジション的にほかの選手とかかわらずに独力で打開するケースが多く、本番直前で戻ってきてもやれてしまうからだ。ただ、そのためにはやはり故障を治し、コンディションとパフォーマンスが本番までに上がることが見込めないと厳しいだろう。

W杯代表メンバーに入れるのは26人で、そのうちGKは3人。フィールドプレイヤーは各ポジションでふたりずつ選べば、残る枠は3人だ。もちろん、実際には全ポジション同数ではなく、厚みを持たせるポジションと、ユーティリティーな選手を入れて対応するポジションは出てくるとはいえ、計算ができない選手を選べるほど余地があるわけではない。

日本は2024年頭のアジアカップで敗れたことからの反発で現在の強さを手にした。来年3月の強化試合は、FIFAランキング上位の超強豪と対戦してガツンとやられて、気を引き締め直して本番に向かう流れになればいいと個人的には思っている。

いずれにせよ、どんなメンバー構成でW杯本番へのカウントダウンを切るのか注目していきたい。

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