横浜流星“蔦重”が井上祐貴“定信”をやり込める策士ぶり、これまでをつなぐ脚本の鮮やかさ<べらぼう>

蔦重(横浜流星)は定信(井上祐貴)にあることを願う/(C) NHK

横浜流星“蔦重”が井上祐貴“定信”をやり込める策士ぶり、これまでをつなぐ脚本の鮮やかさ<べらぼう>

11月25日(火) 17:00

蔦重(横浜流星)は定信(井上祐貴)にあることを願う
【写真】定信(井上祐貴)たちの仇討ちの相手、治済(生田斗真)

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第45回「その名は写楽」が11月23日に放送された。定信(井上祐貴)たちの密かな計画をきっかけに“写楽”が誕生することに。それを定信に報告したときの蔦重(横浜)は見事な策士だった。(以下、ネタバレを含みます)

■数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。

蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎の一つといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

美人画が大評判となる喜多川歌麿役で染谷将太、蔦重の妻・てい役で橋本愛らが出演。語りを綾瀬はるかが務める。

■蔦重が定信に「写楽」のことを報告

松平定信(井上祐貴)や元大奥総取締役の高岳(冨永愛)らから、“操り人形の傀儡好きの大名“=一橋治済(生田斗真)への仇討ちのため、「平賀源内(安田顕)が生きているのではないか」と世間を騒がせるように命じられた蔦重。

蔦重が思い付いたのは、役者絵を出すこと。芝居小屋が建ち並ぶ芝居町で、素の顔のままの役者たちが通りで総踊りする「曽我祭」が行われると聞き、人気役者の素の顔に人々は熱狂するはずで、絵として売り出せば多くの人の手に渡るはず。そして、それが描いたのが源内とうわさになれば…というのだ。

蔦重は北尾重政(橋本淳)や北尾政演(古川雄大)ら、なじみの絵師や戯作者に協力してもらうことにし、その画号を「写楽」と決めた。朋誠堂喜三二(尾美としのり)が考えた源内が言いそうな言葉である「しゃらくさい」という案から、「この世の楽を写す」または「ありのままを写すことが楽しい」という思いを込めた。

その報告を受けた定信は、「悪くはないが、役者絵と源内はうまく結びつくのか?」と懸念。蔦重は「源内先生の浄瑠璃は芝居にもなってますし、二代目瀬川菊之丞との仲、役者好きだったことは江戸っ子に知れた話ですので、大事ないかと」と答えた。

■定信と皮肉の言い合いになった蔦重の策士ぶり

「まぁ、源内は蘭画もやっておったしな」と納得する定信。蔦重が「おや、ご存知で」と言うと、「絵は武家のたしなみの一つだからな。写したような役者絵ということは、勝川の流れか。源内と言わせたいのなら、勝川のものに寄り過ぎぬようにせよ。策は認めたゆえ、進めるがよい」と告げた。

すると蔦重、「しかしながら…なかなか、こちらがかかることにございまして」と懐に手を当てた。金の無心だ。

定信は「然様なもの、お前のほうで工面せよ」と突き放そうとする。しかし、蔦重は「あいにく、質素倹約のあおりを受け、身上を半減されまして」と、かつて定信が下した沙汰を皮肉る。

だが、それで引き下がるような定信ではない。「商人のくせに商いもできないのか。江戸一の利き者と言われたのも、今は昔か」と皮肉で返した。

蔦重も引き下がらない。「では、商いのうまい本屋にお頼みになってはいかがですか」。

「脅しのつもりか」と定信が少しすごんだように言うと、「めっそうもない」と蔦重。しかし「ただ、吹けば飛ぶような本屋は金繰りの厳しさに耐えかね、つい愚痴の一つ漏らしちまうかもしれません。あぁ…そういえばこの仇討ち、奉行所にお届けはお出しに?」と、いわゆる“脅し”文句を続けた。

突如始まった蔦重と定信の応酬は、蔦重の勝ちだった。定信は家臣に目で合図をすると、蔦重の前に千両箱が出された。もちろん、中にはぎっしりと小判が入っていた。さすが“利き者”の蔦重である。

■これまでのエピソードを回収する脚本に感動

定信が治済への仇討ちに蔦重を引き込んだ展開。もともと本好きで、蔦重のことも認めていたが、己の信念で政にまい進することによって蔦重が出した本を「ご公儀をたばかった非常に由々しきもの」として、定信は異例ながら自らお白州で蔦重と対面。そのときも蔦重は定信に意見していたが、そこから再び2人が向き合って座るさまを想像できただろうか。まさか、身上半減とした相手からお金を引き出すとは…。史実を基にしつつエンターテインメントドラマとしての面白さだ。

利き者の蔦重とエンタメに精通する定信。対峙シーンから、過去に描かれてきた2人のことが浮き彫りになって楽しめるのも長編の大河ドラマの醍醐味。その醍醐味は、本話はさらに色濃く、源内は前回から続いてもちろんのことだが、その源内が愛した役者にも触れられたことにより、蔦重の幼なじみの花魁・花の井(小芝風花)がその役者にふんした第2回もよぎった。そして恐ろしさに何度も震えさせられた治済の憎々しさは増幅し、その治済への仇討ちから“写楽”誕生で、その写楽となる絵師や戯作者の存在、蔦重が考えた「ありのままを写すことが楽しい」という写楽は幼い時に妖怪画の大家である鳥山石燕(片岡鶴太郎)に出会って写す楽しさを知った歌麿にも通じ、ていが歌麿を説得するシーンでは今は亡き登場人物たちの名前も出た。約1年かけて物語を追ってきた楽しさにあふれていた。

SNSには写楽誕生に至る展開に「今まで描かれてきたエピソードを全部回収」「グッとくる回収劇」といった声が上がり、その物語をつむいできた脚本への称賛があらためて寄せられている。

◆文=ザテレビジョンドラマ部




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