セルジオ越後が語る、今のサッカー日本代表で「欠かせない選手」「試したいダブルボランチ」「もっと自由を与えたい選手」

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セルジオ越後が語る、今のサッカー日本代表で「欠かせない選手」「試したいダブルボランチ」「もっと自由を与えたい選手」

11月24日(月) 6:50

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セルジオ越後の「新・サッカー一蹴両断」(21)

セルジオ氏が10月のブラジル戦でMVPに挙げていた堂安。今回の2連戦でも充実のプレーを見せたphoto by Yanagawa Go!

セルジオ氏が10月のブラジル戦でMVPに挙げていた堂安。今回の2連戦でも充実のプレーを見せたphoto by Yanagawa Go!





年内最後の強化試合、ガーナ戦(14日)、ボリビア戦(18日)を終えたサッカー日本代表。2試合とも危なげない戦いぶりで、2-0、3-0と勝利を収めたが、来年に迫る北中米ワールドカップに向けての課題と収穫は?おなじみのご意見番、セルジオ越後氏に話を聞いた。

【正直、ガーナもボリビアも物足りない相手だった】 【正直、ガーナもボリビアも物足りない相手だった】

2試合とも勝ったのはよかった。ただ、正直、相手がちょっと物足りなかったね。

ワールドカップ出場国のガーナは主力数人が不在。体格は大きいけど、スピードはないし、ボール際の激しさもなかった。日本にプレスをかけられると、後ろでダラダラとボールを回すだけ。昔はもっと強い印象があったんだけどね。ワールドカップの出場国が32から48に増えていなければ、本大会に出られなかったんじゃないか。そう思わせるレベルだった。

ボリビアはワールドカップ南米予選を通過できず(7位)、プレーオフを戦うチーム。南米予選最終節、ホームでのブラジル戦に勝っているとはいえ、標高4100メートルという高地での試合開催。参考にはならないだろうと考えていた。日本に先制点を奪われてからは、引いて守るのではなく、積極的に攻撃を仕掛けてきたけど、真ん中でボールが収まらないし、サイドでキープするので精一杯。怖さはなかった。

逆に言えば、日本はもう少し前からプレスをかけ、早い段階で2点目、3点目を決めてトドメを刺すべきだった。後半に入り、相手が疲れてくるなか、どんどん選手交代をして追加点を奪ったけど、そこまで相手のペースに合わせてしまったのは反省点だね。

ただ、それでも日本の選手個々のプレーぶりを見れば、収穫もあった。

まずは右ウイングバックの堂安律。9月のメキシコ戦、10月のパラグアイ戦、ブラジル戦に続いて、今回の2試合もよかった。もともと攻撃面での貢献度が高い選手だけど、最近は守備もすばらしい。日本がここをやられたら危ないという場面では、彼がしっかり戻って守っている。運動量も多く、所属クラブでの好調ぶりがうかがえる。同じポジションに伊東純也がいるなか、出場時間が長くなっているのは、森保一監督の信頼が厚い証拠だろう。それも納得だし、今の日本代表に欠かせない選手だ。

同じく所属クラブで好調な上田綺世もたくましくなった。彼の課題は、強い相手と対戦した時に結果を出せるかどうか。それが、10月のブラジル戦で点を決めたのが自信になったのか、今回もボリビア戦で途中出場からゴールを決めた。このまま来年まで調子をキープしてほしい。

【佐野海舟はガットゥーゾみたいな選手だね】ボランチの佐野海舟とDFの鈴木淳之介という新戦力ふたりの台頭も好材料。

佐野海は「第2の遠藤(航)」だね。いわゆる潰し屋で、ボール際の強さが似ている。もちろん、ふたりには違いもあって、遠藤はゲームの流れを読み、チームのバランスを考えながら、つねにリスクの少ないプレーを選ぶ。攻撃参加は少ない。

一方、佐野海は守備だけでなく、攻撃面でも魅力のある選手。ボールを奪えば、そのまま前線まで持ち上がれるし、シュートも打てる。ガーナ戦での南野へのアシストもすばらしかった。イエローカードをもらわないファウルの仕方もいい。まるでガットゥーゾ(現イタリア代表監督)みたいな選手だね。

一部では、遠藤と佐野海のどちらを先発起用すべきかという議論もあるようだけど、押し込まれる時間が長くなりそうな強い相手と対戦する時には、ふたりにダブルボランチを組ませてもいいと思う。来年3月の開催が噂されるイングランドとの強化試合で、ぜひ試してほしい。

3バックの左サイドに入った鈴木もいいプレーを見せていたね。センターバックとしては身長180㎝と小柄だけど、身体能力が高く、ヘディングでも負けていなかった。両足で蹴れて、ミスパスも少なく、チームに迷惑をかけるようなプレーは一度もなかった。ケガ人の多い最終ラインにあって、彼と右サイドの渡辺剛が戦力として計算できるようになったのは大きい。

一方で、少し心配な選手もいた。久保建英だ。ケガの影響もあるのかもしれないけど、9月、10月、11月の日本代表6連戦で、アシストはしたけど、ゴールがなかった。ストライカーではないとはいえ、物足りなく感じてしまう。

ただ、それは彼個人のプレーに問題があるというよりも、チームとしての問題だね。久保の守備の負担が大きすぎると思う。攻守の切り替えを早くして、みんなで攻めて、みんなで守るのが今の時代のサッカー。でも、選手の特長を生かすことも忘れてはいけない。

アルゼンチンのメッシみたいなスーパースターじゃないにしても、久保にももっと前の位置で、攻撃に専念させてあげたい。今の日本代表での久保は、ボールを持ってもゴールから遠い位置にいることが多く、相手からすれば「とりあえずファウルで止めればいい」となり、久保の仕掛けの怖さが半減している。それこそ、前述した遠藤と佐野海のダブルボランチにして、久保をより自由にプレーさせることも試す価値はあると思う。

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