2024年のモントレー・カー・ウィークでワールドプレミアされたランボルギーニのハイブリッドスーパースポーツカー「テメラリオ」。約10年に渡って生産されたV10エンジンのスーパースポーツカー「ウラカン」の後継にあたるモデルだ。これでV12ベースのフラッグシップスーパーカー「レヴエルト」、SUVの「ウルスSE」とあわせてランボルギーニの現行3モデルすべてがハイブリッド化したことになる。
【画像】ランボルギーニのハイブリッドスーパースポーツカー「テメラリオ」をTHE MAGARIGAWA CLUBで試乗(写真14点)
エクステリアデザインは、短いオーバーハング、低くのびたシャークノーズ、六角形のデイタイムランニングライトとランボルギーニのDNAを受け継ぐもの。1960年代以来、ランボルギーニのシンボルの1つとして用いられてきた六角形のモチーフは、サイドエアインテークやテールライト、そして特徴的なエグゾーストパイプなど車両全体にわたって見ることができる。
インテリアはFeel like a pilotというデザイン哲学のもと、スタート/ストップボタンをはじめ航空機からインスピレーションを得た物理スイッチが人間工学にのっとり手の届く範囲内に配置されている。デジタルメーターや縦長になったセンタースクリーンなど、デジタルとアナログの要素をバランスよく組み合わせている印象だ。
パワートレインは、4リッターV8ツインターボエンジンとフロントアクスルに2基、リアアクスルに1基の計3基のモーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド(PHEV)。トランスミッションは新設計の8速DCT。前輪を2基のモーターで左右独立制御し、後輪はエンジンとリアモーターで駆動する4WDだ。内燃エンジンはリッターあたり200PSの800PSを発揮、最大トルクは730Nm。これにモーターを加えたシステム最高出力は920PS、0−100km加速2.7秒、最高速343km/hというスペックを誇る。
センタートンネル内には長さ 1550mm、高さ301mm、幅240mm で総容量3.8kWhの比較的コンパクトなリチウムイオンバッテリーが収められている。家庭用のAC充電(最大7kW)または前輪の回生ブレーキかリチャージモードを使えばV8エンジンを使って充電することも可能となっている。
ドライブモードはステアリングホイールの左上にある赤いローターで切り替える。「チッタ」、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」、「コルサプラス」(ESCオフ、電子制御解除)から選択可能。ローター中央にあるチェッカーフラッグボタンを2秒間押すと、ローンチコントロールが起動する仕組みだ。そして右上にある黒いローターでPHEVになって新たに追加された3つのエネルギーモード「リチャージ」、「ハイブリッド」、「パフォーマンス」の切りかえを行う。これらの組み合わせは13パターンにもなる。
今回は会員制のドライビングコース、THE MAGARIGAWA CLUBにて限られた周回数のみの試乗だったため走行モードをはじめ機能のすべてを試すことはできなかったが、テメラリオの凄さは十分に体感することができた。
まずは「チッタ」+「ハイブリッド」でコースインする。バッテリー残量はほぼ満タンだったこともありEV走行が可能だった。フロントアクスルの2基のモーターがメインに駆動するだけあってどことなく前輪がひっぱっているような感覚もある。EV走行のまま140km/hくらいまで加速する。そこからさらにアクセルペダルに力を込めるとエンジンが始動するが、ショックや違和感のようなものはない。「スポーツ」に切り替えると、ハンドリングの俊敏性が増しエグゾーストノートが高まる。綿密にチューニングされているというだけあってハイブリッドとは思えない実にいい音がする。
次にAlleggerita(アレッジェリータ:軽量化)パッケージを試した。サーキット志向のユーザーに向けて用意されたオプションで、カーボン製のエアロパーツなどを装着しており、ダウンフォースは67%増加、25kg以上の軽量化を実現するという。この仕様では走行モードを「スポーツ」と「コルサ」の順に切り替え「パフォーマンス」の組み合わせで走行する。
正直いってたまげた。明らかにエアロダイナミクスが改善されており接地感が高い。そして、フロントeアクスルとリアのトルクベクタリングを含むモーターを組み合わせたe-4WDシステムは盤石のスタビリティをもたらし、ハイスピードでコーナーをクリアすることができる。直線に入ってアクセルペダルを全開にすると、V8エンジンはきっちり1万回転まで吹け上がる。AlleggeritaのリアのダウンフォースはウラカンEVO比で+158%まで増加しているというだけあって直進安定性も抜群で、途中メーターを見て思わずアクセルを戻してしまったけれどストレートでは速度計は270km/hを超えていた。
最初に「チッタ」モードで電動走行していなければ、ハイブリッドカーだとは気づかなかったかもしれない。それほどに内燃エンジン車っぽいナチュラルな感じもあり、それでいてターボやトルク制御などに生じるラグタイムを電動化によって違和感なく消し去っている。これぞ新世代のスーパーカーだ、と感銘を受けた。
文:藤野太一写真:アウトモビリ・ランボルギーニ
Words: Taichi FUJINOPhotography: Automobili Lamborghini
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