日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。 死んだはずの最凶連続殺人鬼の恐怖が再び!***
『ブラックフォン 2』
評点:★4点(5点満点)
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ホラー映画には無限の可能性がある一口に「ホラー映画」と言っても、そこにはさまざまなサブジャンルがある。
前作『ブラック・フォン』は子どもたちを誘拐しては殺す連続殺人鬼グラバーの恐怖を描く映画であると同時に、黒電話を通じてあの世とこの世が接続するというファンタスティックな要素も内包し、さらに主人公の妹には夢を媒介として予知・遠隔視を行う能力があった。
今回はその兄妹が、前作で死んだグラバーに再び脅かされる物語であるがゆえに、生身の殺人鬼を相手にする映画とは異なるファンタスティックな感覚がさらに追求されている。
その結果、そういうファンタスティックなホラー映画の筆頭たる『エルム街の悪夢』(1984年)、ならびにシリーズの方向性を決定づけた『エルム街の悪夢3 惨劇の館』(1987年)へと本作が接近するのは必然でもあった。
筆者は本作を『エルム街の悪夢』の最良のリメイクとみなしても良いと思うし、80年代に一世を風靡した「観ていてワクワクさせられるファンタスティックなホラー映画」の血脈が21世紀にこのような形でカムバックを果たしたことが喜ばしい。
ホラー映画には無限の可能性がある、と感じさせてくれるサブジャンルがついに堂々たる復活を遂げたのである。
STORY:殺人鬼に誘拐されるも、断線した黒電話に届く「死者からのメッセージ」と、妹の不思議な力に助けられ生還を果たしたフィニー。4年後、妹は3人の子供が殺される悪夢を見るようになる。そして兄妹は現場となった地へと向かう
監督:スコット・デリクソン
出演:イーサン・ホークほか
上映時間:114分
全国公開中
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