「ニッポン男児はもっと喘ごう!」と語るラランド・ニシダさん
小説家としても活躍しているお笑い芸人・ニシダ(ラランド)が、ファンの方々とただただセックスの話をしていくシリーズ連載「ラランド・ニシダと『みんなのセックス大全!』」。
特にお悩みには答えないし、何かしらの答えも出さないし、ジャッジもしません。ただただ、セックスの、話を、していきます。
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【No.016】
――前回、前々回に引き続き、ゲストは30代女性のPさんです。女性はイキ方に種類があるけど、男性はイキ方が基本的にひとつしかない。それなら演出を加えてみるのはどうか?という話をしています。
ニシダ
男性にもできる演出ってあったりするんですかね。Pさんは「こういう射精してほしい」みたいなのありますか?
P
さん
こういう射精してほしい!?
ニシダ
例えば、射精した後に力尽きちゃうとか。男性って射精はするから「イったフリ」とかはできないけど、射精以外の部分にエロい演出は加えられるかもしれないな、と。男も演技すべきかもなって
P
さん
うわー、男性にも演技してほしいです!
ニシダ
演技してほしいんだ。
P
さん
「男性は射精の瞬間にIQ2になる」みたいな言説あるじゃないですか。ああいうの、めっちゃやってほしい。
普段からアホっぽい人だったら別に何も感じないですけど、働いている男性とかは毎日朝から晩までピシッとスーツ着て、敬語をしっかり使ってるわけじゃないですか。
そんな人が、「赤ちゃんじゃん......!」って感じになるの、女性は皆好きだと思う。「普段そんなことない人がIQ2になってる!かわいい!」みたいなのは超ポイント高いです。
ニシダ
なるほど。基本的にギャップっていいけど、そのギャップを生み出した原因に自分も加わっているっていうのがグッとくるんですかね。
P
さん
そうですそうです。自分とふたりだけの空間で、相手の脳が溶けている感じ。
ニシダ
じゃあ演技するとすれば、IQ低くなってる感じを出せば女性は喜ぶかもしれないんだ。
P
さん
かわいいIQの低さというか。限界っぽい感じ。
ニシダ
そう考えると、男だけセックスのときに身の丈でふるまおうとしているのおかしいっすもんね。
P
さん
そうですね。女性も全然余裕なくなるときもあるわけだから、男性も余裕がなくなる感じを演出してくれたらいいのに。
ニシダ
声が出ちゃうはどうですか?
P
さん
そんなん爆喘ぎだろ。
ニシダ
爆喘ぎだろ?(笑)
P
さん
めっちゃ喘いでほしいです。「あはーん、うふーん」みたいなのはイヤですけど。男性もありません?「演技っぽいな」「うるさいな」みたいな萎えちゃう女性の喘ぎ声。
ニシダ
グッとくる喘ぎ声と、こない喘ぎ声はありますね。
P
さん
女性も「子宮に来る......」みたいな喘ぎ声とか言葉があります。
ニシダ
子宮にくる言葉かあ。
P
さん
笑っちゃうようなキモい言葉の人もいれば、「それいい塩梅!」っていう言葉を選ぶ人もいて。前者は一生、女子会で酒のツマミにされます。セックス中に言った単語があだ名になったりします。
ニシダ
こええ(笑)。そういうのって女子会でバカにされちゃうんだ。
ラランド・ニシダさんと対談相手のPさん(30代、女性)
P
さん
それこそ女性用風俗を使ったときにも思いました。よくニシダさんって「イケメンは面白くない」って話されるじゃないですか。私それすごいわかるなーって思って。
イケメンとかそういう見た目で売ってきた男性って、「女性はこれをされたら喜ぶだろうな」「うれしいんだろうな」みたいな顔をするんですよね。
私が頼んだ男性も、もちろん顔はかっこいんですけど、プレイの後に添い寝して頭をなでながら「さっきはすごくかわいかったよ。また、そういうところを見せてね♡」みたいな。それで自分は「うわ~......」って思っちゃって(笑)。
ニシダ
あー、なるほど。ちょっと営業感ありますね。
P
さん
そうなんですよ。ホストとかにハマる人だったら楽しいのかもしれないんですけどね。だから、かっこつけて変なことを言うくらいだったら、シンプルに言葉にもなってないような喘ぎ声がいいと思います。
ニシダ
日本ってまだどうしても「ニッポン男児たれ!」みたいなセックスが主流というか、「甘えんな!」って思考の男性のほうが多い気がするから、喘ぐのはハードルが高いと感じている男性が多いかもしれないですね。
P
さん
そうなんだ。ちなみにニシダさんってセックス中しゃべります?
ニシダ
しゃべりますね。
P
さん
そういえばよくYouTubeでセックスユーモアについて話してますよね。セックス中にボケる、みたいな。
ニシダ
あれはセックスを盛り上げるためというより、「ウケるだろうな」って思って言っちゃうんですよね。シャワーとか浴びて、ベッドに入って、完全に始まりそうなタイミングで、「よし、じゃあ寝よっか!」って言うやつとか。
P
さん
それパンパンなのにできるんですね(笑)
ニシダ
それくらい言える余裕がある感じを見せたいだけなのかもしれないです。だからなんか、芝居というよりは俯瞰に近いかも、ボケるって。
「まだ余裕ありますよ」ってポーズ。これもセックス中なのに身の丈でふるまおうとするのと同じ思考なんでしょうね。
――次回も引き続きPさんと。次は、妄想の性癖と現実の性癖の違いについて話していきます。
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■ニシダ(ラランド)
1994年7月24日生まれ、山口県宇部市出身。2014年、サーヤとともにお笑いコンビ「ラランド」を結成。著書に小説集『不器用で』『ただ君に幸あらんことを』(いずれも角川書店)
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撮影/鈴木大喜
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