【プロ野球】ヤクルト育成159キロ右腕の成長曲線「もう夢しかない!」 由規コーチも驚いた

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【プロ野球】ヤクルト育成159キロ右腕の成長曲線「もう夢しかない!」 由規コーチも驚いた

11月17日(月) 6:55

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ヤクルト投手陣の未来を担う剛腕とサブマリン(前編)

ヤクルトの廣澤優(24歳)と下川隼佑(25歳)は、昨年のドラフトで育成選手として指名され入団した。

身長193センチから150キロ台中盤のストレートを投げ下ろす廣澤は、二軍の中継ぎとして26試合に登板し、26回1/3を投げて防御率3.76ながら27奪三振、被本塁打0本と魅力的な数字を残した。

一方、アンダースローの下川は5月1日に支配下登録されると、一軍で2勝をマークした。

剛腕とサブマリン──ヤクルト投手陣の新しい力として、期待を寄せるふたりの未来予想図を思い描いた。

最速159キロを誇るヤクルト・廣澤優photo by Sankei Visual

最速159キロを誇るヤクルト・廣澤優photo by Sankei Visual





【自己最速の159キロをマーク】今季、ふたりの育成過程は投球スタイルと同じく、対照的なスタートを切った。

廣澤は、今年1年を「体づくり」、「投げる体力づくり」に費やした。育成を担当した由規二軍投手コーチは、次のように語る。

「彼は体格的に恵まれているのですが、ポテンシャルだけでやってきた感が否めなかった。課題は明確で、ブルペンに一回入ったら次の日は投げられないという体力面でした。そこで、投げる頻度、球数、試合数を設定しました。支配下選手になりたいという意欲が人一倍強いので、たくさん投げて、早く一軍で......という気持ちはあったと思います。

でも、そこに反発することなく黙々とやってくれました。僕は、育成選手とは本来そういうものだと思うんです。紙一重というか、まだ一軍で活躍できないけど、本当に投げられるようになったら、飛び級で活躍できる素材やポテンシャルを持っている」

廣澤は日大三高2年夏に甲子園出場。その後、「プロを目指すために」と社会人のJFE東日本へ進み、最速158キロを計測した。3年間在籍したのち、NPBへの道を切り開こうと独立リーグの愛媛マンダリンパイレーツに入団。そして昨年のドラフトで指名され、念願のプロ野球選手となった。

今年4月で24歳になった廣澤は、育成中心の指導方針にも「年齢とかでの焦りはなかったです」と言い切った。

「そのとおりにやっていけばよくなると信じてやっていました。実際、体力もついてきて、最初は1週間に1回くらいしか試合で投げてなかったのですが、ブルペンにはコンスタントに入れるようになりました。トレーニングや練習にも慣れて、体も追いついてきました。登板間隔も詰まってきて、真っすぐの質もよくなった感じがあります。シーズン中盤あたりから、苦しいカウントでも真っすぐを投げて、空振りやファウルが取れるようになりました。ここまで順調に成長できているのかなと」

その手応えは、顕著に数字となって表われた。廣澤は、二軍での初登板から4試合で4イニングを投げて、防御率13.50だったが、その後は11試合連続無失点など、最終的に防御率3.76まで良化。9月に入ると、登板間隔も中2日や中1日も増え、10月のフェニックスリーグでは連投も経験した。

そして10月のフェニックスリーグで圧巻のピッチングを見せた。7試合に登板して無失点。155キロ以上の球速が多く、自己最速となる159キロも2回計測した。

「ただ、スピードは出ましたけど、もっと真っすぐで空振りを取ったり、押せていけたらと思うので、ここで満足しないように。160キロも出せるのであれば出したいですけど、その球が打たれてしまったら意味がないので、まずは打者を抑えることを重要視して、ストレートでどんどん押せるようにしたいですね」

【相手を圧倒できる真っすぐ】前出の由規コーチは、「真っすぐだけで相手を圧倒できる力がありますよね」と言って続けた。

「加えて、変化球でも意外とカウントが取れますし、決め球として使えるようになってきました。フェニックスでも連投しましたし、シーズン中も登板の頻度が増えるにつれてパフォーマンスが上がっていった。これは正直、想像以上で驚いています。一軍でいいポジションで投げるには、6連戦なら4試合に登板できるくらいの体力が必要になってきます。

来年、いきなりそこまでとはいきませんが、こちらである程度制限を設けながら進めていければと思っています。あれだけ打者を圧倒できるのは、チームにとっても流れを引き寄せる力になる。セットアッパーや抑えとして大いに期待しています。もう夢しかないですね(笑)」

廣澤は自身の未来予想図についてこう話す。

「やっぱり自分は身長があるので、その高さを生かした投げ下ろすボールと、変化球の大きな変化量をアピールしていければと思っています。自信のある変化球はフォークです。今は二軍でクローザーのようなポジションを任せてもらっているので、まずは支配下を勝ち取り、一軍でも同じような役割を担えるように頑張りたいです。

中日の松山(晋也)さんも同じ育成出身の投手なので、自分もその背中を追っていければと考えています。同世代のピッチャーには負けたくないという気持ちもありますし、常にいいボールを投げたいと思っています」

つづく>>

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