最近は拒否が減った?ドラフトは野球選手の大きな分岐点【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第192回

日米のドラフトについて語った山本キャスター

最近は拒否が減った?ドラフトは野球選手の大きな分岐点【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第192回

11月14日(金) 14:15

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先日、愛媛県松山市で行なわれているヤクルトの秋季キャンプの見学に行きました。

メンバーは若手を中心に構成されており、一番キャリアが長くても、奥川恭伸投手や武岡龍世選手など2019年のドラフト組。それぞれが来季のレギュラーを掴むべく、細かく指導を受けながら練習する姿を見て、あらためてプロ入りは彼らにとってゴールではないと思い知りました。

先日の「西武、ドラフト5位指名、山村学園高の横田蒼和内野手と入団合意」というニュースを見て小さな驚きを感じました。最近では、ドラフトで指名されたらそのまま入団するケースがほとんどですから、あらためて入団が報じられたことが目についたのかもしれません。

ドラフトは、指名した選手と独占的に交渉できる権利を手にするということ。つまり選手側は、入団を拒否する選択肢もあるということです。

今年のドラフトでは、有力選手がなかなか指名されずに逆サプライズとなったケースがいくつもありましたが、「指名の順位にこだわったから」という声もあるようですね。「上位指名じゃないと入団しない」という"しばり(制約)"のようなものを選手や学校側が設ける場合もあるのだとか。

育成指名の場合は、最近でも入団を拒否するケースがありますね。2024年には、日本学園高からソフトバンクに育成1位で指名された古川遼選手が入団せず、桐蔭横浜大学へと進学しました。「まだプロの世界に飛び込む決心がつかない」という理由だったようですが、先日、2年生ながら大学日本代表候補に選出されたというニュースが流れました。

昔は、入団したい球団に強いこだわりがあり、指名を拒否して社会人に進むというケースもありましたね。江川卓さんや、元木大介さん、今年に引退された長野久義選手など、のちに巨人に入団する方が多かったですが、それだけ実力と人気を兼ね備えた選手ということですね。

風邪も流行っているようですね、みなさまどうかお身体気をつけて!

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海の向こうのアメリカではどうでしょう?30球団あって、指名数も莫大になります。日本とは規模感、制度も違いますね。

高校卒業のタイミングでドラフト下位指名されても、大学進学を選択して上位指名を狙うことがあるのは日本と同じです。4年制大学では3年生か2年生を終了、または21歳以上であれば指名対象となります。また、大学だけでなく、ジュニアカレッジ(日本でいう短大にあたります)経由という場合もありますね(1年生終了時にドラフトかかる)。

MLBでもドラフト拒否はありますが、特に上位指名や注目選手において数は少ないです。FAまでの期間が日本より短いので、「実力で移籍すればいい」と思っている選手が多いのかもしれません。ドラフトはあくまで、人生の選択肢のひとつと考えているのかも。自分の人生を切り開くのはあくまで自分ということですね。

ドラフト指名を拒否する選手に対して否定的な意見が出ることもありますが、それはちょっと違うのかなと思います。確かに、拒否されたチームのファンからしたら、複雑な気持ちになることもあるでしょう。しかし、プロは本当に厳しい世界。新しい選手が入団したら、同じくらいの数の選手が退団する実力社会です。だから選手がどんな選択をしようと、やさしく受け入れたいですね。

今年のドラフトは、1巡目でアメリカのスタンフォード大学に通う佐々木麟太郎選手が2球団から指名されるサプライズもありました。ただの戦力均衡だけじゃなくて、ドラフトに対する考え方が変化する時期にあるのかもしれません。

秋季練習の話に戻りますが、グラウンドにいる選手たちは当然、ヤクルトが指名し、入団した選手たち。つまりはヤクルトと"縁があった"選手たちです。それはファンにとって、本当に特別なことです。ドラフトで指名されてプロの門を叩くのは"選ばれし者"。そんななか、不思議な縁で一緒に戦うことになった新人、若手選手たちの明るい前途を願ってやみません。

2026年シーズンに思いを馳せながら、筆をおきたいと思います。それではまた来週。



MLB, セ・リーグ, プロ野球, ヤクルト, 山本萩子, 野球,ドラフト

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