FIFAワールドカップ2026出場国紹介ガーナ
来年北中米で行なわれるFIFAワールドカップ2026の出場国を紹介。今回は日本と対戦するガーナの近況をお伝えする。
【2大会連続W杯出場。2010年にはベスト8】
"ブラックスターズ"の愛称を持つアフリカの強豪ガーナ代表が、W杯アフリカ予選グループIを首位通過し、2大会連続5度目の本大会出場権を手にした。
W杯5度目の出場のガーナ。攻守にタレントを揃えた好チームだphoto by Getty Images
ガーナが初めてW杯の舞台に立ったのが2006年ドイツ大会。初出場ながらベスト16に進出する大躍進で、一躍世界にその名を轟かせた。2010年南アフリカ大会でもその勢いは止まらず、ベスト8進出を果たした。
ウルグアイとの準々決勝では、ルイス・スアレスによるハンドでゴールを防がれ、それで得たPKを失敗。当時としてはアフリカ勢初のベスト4進出を惜しくも逃すという、悲劇的な大会となった。
2014年ブラジル大会ではグループリーグ敗退。2018年ロシア大会は予選敗退するなど、一時の躍進から低迷期を迎えた。2大会ぶりの2022年カタール大会は、才能ある若きタレントが台頭してきたものの、ポルトガル、ウルグアイ、韓国と同組になり、1勝2敗でグループ最下位。宿敵ウルグアイへのリベンジも果たせず、敗退となった。
今大会の予選のガーナも決していいスタートではなかった。初戦の格下マダガスカルに後半アディショナルタイムのゴールでかろうじて辛勝。2023年11月末に行なわれた第2戦では、FIFAランキング128位(当時)のコモロにアウェーでまさかの敗戦。
2024年1月のアフリカネイションズカップでグループリーグ敗退になると、クリス・ヒュートンを解任。カタール大会で解任されたオットー・アッド監督が再登板で指揮を執ることになった。
【若手とベテランが融合】

新体制で迎えた第3節マリ戦では、先制を許しながら後半アディショナルタイムにジョルダン・アイェウが決勝点を決めて逆転勝利。そこからは強烈な攻撃陣を中心に、中央アフリカに4-3、チャドに5-0、マダガスカルに3-0と4連勝した。
次のアウェーのチャド戦は引き分けたが、その後は3連勝で走りきった。終わってみれば8勝1分1敗と、2位に勝ち点6ポイント差をつける圧倒的な強さで本戦出場を手繰り寄せた。
今大会のガーナは、アントワーヌ・セメンヨ(ボーンマス)、モハメド・クドゥス(トッテナム)というプレミアリーグでも驚異的な突破力を見せつける、今もっとも勢いのあるタレントを擁する。そこにトーマス・パーティ(ビジャレアル)、ジョルダン・アイェウ(レスター・シティ)、イニャキ・ウィリアムス(アスレティック・ビルバオ)らベテランが経験をもたらし、若手とベテランが融合した非常にバランスの取れたチームとなっている。
多くの選手がヨーロッパ5大リーグでプレーし、アフリカ特有の身体能力を持ちながら、組織的で固い守備で予選はわずか6失点。攻撃も23得点と爆発した。今大会、攻守にタレントが噛み合ったアフリカ希望の星が、南アフリカ大会以来の躍進を遂げるか注目である。

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