11月14日(金) 7:00
股関節のケガとその手術の後遺症により、左足の股関節から下にまひが残る河合。合併症の進行により、2024年6月に大腿部を切断した圧巻の優勝だった。全勝で決勝に駒を進めた河合は、決勝で右足にまひがあるマンディープ・コール・マンディープ・コール(インド)を21-2、21-0で退け、公言通りの「完全優勝」を成し遂げた。
ケガをした後、パラフェンシングを経てパラバドミントンの日本代表に国際大会は3大会目だが、パリ2024パラリンピック金メダリストであり、今大会は不出場の肖祖賢(中国)に2戦1勝している。今大会決勝でも相手の戦意を喪失させた「SL3クラス世界一の技術」をさらに磨き、次の対戦では1敗した悔しさを晴らしたいと考えている。
大会終盤は、義肢装具士の臼井二美男氏が用意した新しい義足で戦った今大会は義足が壊れるアクシデントもあったが、攻撃的なスタイルを貫き、観る者を魅了した。河合は誓う。
シングルスで優勝した里見東京、パリの金メダリストで、ロサンゼルスでは三連覇がかかる女子のエース里見も、危なげなく試合を進めて優勝。「プレッシャーはあるが、(梶原)大暉と(河合)紫乃さんと3人で引っ張っていきたい」と改めて決意を語った。
シングルスで優勝した梶原。ロサンゼルスでは、まだ手にしていないダブルスの金メダル獲得を目指している男子のエース梶原は、シングルスに加え、今年結成した“ニシカジ”ペアで優勝。国際大会は5大会目で、自分たちの色をまだまだ模索中だ。現在は、フィジカル面とラリー力を課題に挙げて、強豪の韓国と中国ペアと渡り合えるように取り組んでいる。
男⼦ダブルスの新ペア、⻄村啓汰/梶原大暉そんな中、決勝では強敵のマレーシアペアに勝利。チェアワークが持ち味の⻄村啓汰(WH1)は、「打つ場所が以前よりも洗練され、ポジショニングもしっかり考えられるようになってきた」と成長点を挙げ、中国・韓国勢不在の大会ながら優勝を素直に喜んだ。
パリパラリンピック出場を逃した西村は、危機感を持って練習に取り組んでいることが成果につながっているダブルスは、障がいの重い選手が狙われがちで、障がいの軽い梶原がどれだけカバーできるかがカギになってくる。「相手がどこを狙っているか、見えた部分もあった。今後はカバーリングに終わらず、自分が触れたときにしっかり攻めに転じられるようにしていきたい」と、梶原も手ごたえを語った。
“ニシカジ“ペアはロサンゼルスに向けて成長中だ今大会は、西村がシングルス3位に終わり、落ち込む場面もあったが、梶原が意識的に笑顔で接するなどペアとしてサポート。ダブルスの決勝では西村も高いパフォーマンスを発揮し、来年2月の世界選手権(バーレーン)、10月のアジアパラ(愛知・名古屋)に向けて明るい材料を示した。
静岡で初開催。今年は、草薙総合運動場体育館(このはなアリーナ)で行われ、シングルスとダブルスで日本選手4人が優勝を果たしたtext by Asuka Senagaphoto by X-1
