航続距離295kmを誇る軽EVを公道試乗!ホンダ「N-ONE e:」は低迷市場の起爆剤となるか!?

丸形ヘッドライトの上部をカットした独特の目元が印象的な顔面。レトロだけど、今っぽい。ホンダの遊び心が炸裂

航続距離295kmを誇る軽EVを公道試乗!ホンダ「N-ONE e:」は低迷市場の起爆剤となるか!?

11月12日(水) 11:30

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丸形ヘッドライトの上部をカットした独特の目元が印象的な顔面。レトロだけど、今っぽい。ホンダの遊び心が炸裂

丸形ヘッドライトの上部をカットした独特の目元が印象的な顔面。レトロだけど、今っぽい。ホンダの遊び心が炸裂





ホンダが本気で仕掛けてきた!初の乗用軽EV「N-ONE e:」がついにデビュー。見た目はキュート、でもその中身は......!?週プレ自動車班が試乗会で体感した、"軽の常識をぶっ壊す"その走りとは!?専門家の証言も交えて、ホンダ渾身の一台を徹底解剖!

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【ホンダ渾身の軽EVの実力】 ホンダ初の乗用軽EV、爆誕!

2025年9月12日、ホンダが放った軽EVの新星・N-ONE e:がついにデビューした。ベースは長年ガソリン仕様で親しまれてきたホンダの軽N-ONEだ。

N-ONE e:は、見た目はキュートだが、航続距離はWLTCモードで295km。急速充電なら約30分で80%まで回復する。ちなみにライバルの日産サクラは180km。この差だけでも、N-ONE e:の本気度がビリビリ伝わってくる!

今回、週プレ自動車班は神奈川県横浜市で開催された報道陣向け試乗会に参加した。N-ONE e:で走り始めて、思わず「これ、マジで軽?」と声が漏れた。しっとりとした乗り心地に加え、EVならではの静けさが相まって、まるでワンランク上のクルマに乗っているような錯覚すら覚える。ホンダ、ハンパねぇ!

噂のEVが2025年9月12日に発売。気になる価格は269万9400~319万8800円

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ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1545mm。取り回しが楽!

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丸みを帯びたリアビューに、シンプルで力強いライン。懐かしくて新しい

丸みを帯びたリアビューに、シンプルで力強いライン。懐かしくて新しい





自動車ジャーナリスト・桃田健史氏もこう語る。

「N-ONE e:に試乗してまず感じたのは、全体として非常にナチュラルな仕上がりだということ。走行性能、外観、インテリア――いずれも過度な演出がなく、EVとしての本質を自然体で表現している。マイルドという言葉がしっくりくる」

ベースはN-ONEだが、内外装には随所に違いが見られ、単なるEV化ではない独自の個性がある。街の風景に違和感なく溶け込むデザインは、日常使いのクルマとして非常に好ましい。クルマを自己表現のツールと考える人には、ちょっと控えめに映るかもしれないが、実はターゲット層にそのヒントがある。

「購入を検討する際には、ターゲットユーザーが40代、50代、あるいは20代の女性であるという点を理解しておく必要がある。もちろん、男性が乗っても違和感はないが、全体として女性的な感性に寄り添ったモデルであることは否定できません」

それにしても、なぜホンダは初の乗用軽EVにN-ONEを指名したのか?普通に考えれば、ホンダには〝軽の絶対王者〟N-BOXがある。2025年度上半期(4~9月)の販売台数は9万7958台。登録車を含む新車販売台数で堂々の第1位に輝いている。にもかかわらず、なぜN-BOXではなくN-ONEなのか?



桃田氏がこう解説する。

「ホンダがN-BOXではなくN-ONEをEV化した理由には、ユーザーの行動傾向が深く関係しています。実はホンダが独自に集計しているビッグデータによると、N-BOXユーザーは地域コミュニティ内の移動にとどまらず、長距離移動を頻繁に行なっているそうです」

つまり、N-BOXは軽でありながら、ファーストカーとしての役割を果たしているケースが多いのだ。

「一方で、N-ONE e:は地域コミュニティ内での移動を主眼に置いたセカンドカー的な位置づけ。EVプラットフォームを共有する商用車N-VANe:と同様、満充電での航続距離が重要な要素となるが、現状の技術では、N-BOXのようなスーパーハイトワゴンをEV化した場合、車重や空力の影響で航続距離が不足する可能性が高い」

ホンダ初の乗用軽EVにN-ONEを選択したのは、単なる製品戦略ではなく、ユーザーのリアルな使い方に即した合理的な判断というわけ。

EV化による静粛性が、会話や音楽をより豊かに響かせる。視認性も高い

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ボンネットの中に収まるEVユニット。スムーズな加速の源

ボンネットの中に収まるEVユニット。スムーズな加速の源





一方、自動車誌の編集者からはこんな声が飛ぶ。

「もしホンダがN-BOXのEV版を市場に投入すれば、日本のEV普及において大きな転換点になる可能性は高いでしょう。というのも、ご存じのようにN-BOXは〝日本で一番売れているクルマ〟。もちろん、EV化によって車両重量は増加し、価格も相応になるでしょう。

しかし、それでもN-BOXの最上級グレードとしてEVが登場すれば、日本のユーザーのEVに対する認識や購買意欲に変化をもたらすはず」

桃田氏はこう総括する。

「今後はホンダを含めて、日産、三菱、スズキ、ダイハツ、そして中国BYDが軽EV市場を盛り上げる構図になる。国内販売の約4割を占める軽は、日常生活や業務の中で人々が気軽にEVと触れ合うツールになりえる。

軽EVがEV需要全体を押し上げる基盤となることは確かであり、軽の王者N-BOXを擁するホンダの軽EV市場に対する影響力が、N-ONE e:を通じて試されることになる」

ちなみに、日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表によると、2025年1~6月のEV国内販売台数(軽含む)は前年同期比で7%減の2万7321台で、2年連続のマイナス成長。

補助金は潤沢に投入されているものの、充電インフラ不足などもあり新車全体に占めるEVの割合は1.4%(前年比0.2ポイント減)。この停滞するEV市場に、ホンダのN-ONE e:は風穴をあけることができるか!?

取材・文・撮影/週プレ自動車班

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