『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は2007年ポルシェ997GT3に乗るジョーダンが、予期せぬ異音からの修理と出費にまつわるエピソードをお届けする。
【画像】異音の原因を専門ショップのリフトでチェック(写真4点)
予期せぬ新たな異音ほど、スポーツカーのオーナーを震え上がらせるものはない。しかもそれがポルシェのGTモデルとなれば、たいていは金銭的な痛みが伴うことを覚悟しなければならない…
かくいう私もそのひとりだ。前の車は997カレラ2Sだったので、「ポルシェ出費」の世界には精通しているつもりだ。そして2007年997 GT3クラブスポーツを手に入れてもうすぐ1年が経ち、今回が初めての本格的な予期せぬ出費となった。トータルでみれば決して悪い車ではないと思うが、予期せぬ出費は痛い。
GT3の一般的な問題点は、ほとんどの足まわりの構造の多くがカレラと共通ではないことだ。そのため、サスペンション関連のトラブルが起きたら、我慢して支払うしかないという点だ。
つい先日、私は愛車のGT3をオックスフォード近郊のSTR8 ペイント社へ修理に出して引き取った。前オーナーがナンバープレートを無理に固定したことで損傷したフロントバンパーの修理と再塗装を依頼したのだ。
ところがその後、フロント側で何かが寿命を迎えたようだ。路面が少しでも荒いと、ガラガラゴロゴロと異音がする。さらには低速で曲がるたびに、恥ずかしいほどのきしみ音が出る始末だった。そして案の定この音は、自分の誕生日のランチパーティーに出かけた素敵な夏のドライブで、ピークに達した。私はケーキのロウソクの炎を吹き消すときでさえも、修理代の全額がいくらになるかが気になって仕方がなかった。
数日後に点検と修理のため、バンベリー近郊のスポーティング・アンド・ヒストリック・カー・エンジニアズ社(sportingandhistoric.com)に預けた。こういった車を任せられる、信頼できる専門工場を見つけることはとても困難だが、同社の工場に出入りするマシンのレベルを見るに、ここが正しい場所だと確信した。いつ訪れても、D2カラーのメルセデスCLK LMや、リスター・ストームGT1といった伝説的なGT1レーサーの間に、完璧な状態のフェラーリ・ディーノが並んでいるようなことも珍しくない。グッドウッド・リバイバルの優勝車も常連で、彼らはポルシェにも非常に精通している。しかも、歴史的なポルシェ限定レースである「2.0リッターカップ」チャンピオンシップの参戦車両の整備も任されている。
リフトに載せて数時間調べてもらった結果、原因が判明した。フロントサスペンション両方のトップマウント、つまりローズジョイント(球関節)の交換が必要だった。 日付の刻印を見ると、最後に交換されたのは2013年だった。ポルシェ社へ新品のOEMパーツを注文し、翌日には取り付けが完了。オイル交換をし、サスペンション全体のボルトとナットの総点検をして、ほかに問題がないかも確認してもらった。
そして再びドライブしてみると、このGT3は別物になっていた。ノッキング音は消え、ハンドルの切れ味も鋭くなった。お祝いとして、GT3では初めてとなる”トラックデイ”を、数週間後にベッドフォード・オートドロームで予約した。さらにどんな性能を引き出せるか、確かめるためだ。ただしその前に、ベッドフォードでの走行音規制値87.5dBをクリアするため、排気音を少し抑える方法を捻り出さなければならない。幸運を祈ってくれ!
文・写真:Jordan Butters
【関連記事】
・FIVAとフェラーリ・クラシケのコラボが発表|フェラーリ・クラシケ認証でFIVA IDカードが取得可能に!
・連載:アナログ時代のクルマたち|Vol. 64フィアット・アバルト750ザガート シリーズⅡ
・フィアット500「Titine」と生きる|ヴァンセンヌ旧車会の小さな女王
・太陽が恋しいBMW320iコンバーチブル|『Octane』UKスタッフの愛車日記
・1950年代の「ハイパーカー」を公道で試す|メルセデス・ベンツ300SLガルウィング【後編】