11月4日(火) 2:10
NHKの受信契約は、NHKの放送を受信できるテレビなどの受信設備が設置されている限り継続される仕組みになっています。そのため、たとえ契約者本人が亡くなったとしても、受信機がそのまま使われているのであれば、契約の義務は引き継がれます。
この場合、契約の「解約」は認められず、代わりに契約者の名義変更を行う必要があります。例えば、父親が契約者であり、母親が今後もテレビを使用するのであれば、契約者を母親へ変更する手続きが必要です。
名義変更は、NHKのふれあいセンターまたは受信料窓口への連絡から始まります。変更にあたっては、新しい契約者の氏名・住所などの基本情報に加え、故人の契約内容(契約番号など)も必要です。状況によっては、死亡を証明する書類(戸籍謄本や住民票の除票など)の提出が求められる場合もあります。
名義を正しく変更しておくことで、今後の請求がスムーズに行われ、契約に関するトラブルも回避しやすくなります。
一方で、母親が今後テレビを使用するつもりがなく、テレビそのものを撤去する予定であれば、NHKの受信契約を解約できる可能性があります。
NHKの契約は、「NHKの放送を受信できる機器が設置されていないこと」が解約条件のひとつです。テレビがない、または今後も設置予定がない場合は、契約を終了するための手続きを取ることができるでしょう。
解約を希望する場合は、NHKに連絡したうえで、所定の解約届の提出が必要です。解約理由として「契約者の死亡」と「受信設備の撤去」を伝え、必要書類を提出します。必要に応じて、受信設備がないことを証明する書類や、故人の死亡が確認できる書類が求められる場合があります。
また、すでに受信料を前払いしていた場合は、返金対象となるかどうか、返金額の算定方法などについて、NHKに確認するとよいでしょう。
ただし、解約後に再びテレビを設置する場合は、再契約が必要になります。あくまで「受信機がない」という状態で初めて解約が認められる点には注意が必要です。
母親がその家に住み続け、テレビを使用する場合には、名義変更のための準備を整えておくとスムーズです。具体的には、現在の契約内容が父親名義のままであるかを確認し、契約番号や過去の請求書など、契約に関する情報を手元にそろえておくことが重要です。
また、父親が受信料を年間などで前払いしていた場合、どこまで支払い済みなのかを把握しておくことで、名義変更後や解約時の手続きも確認しやすくなります。
加えて、万が一、父親に未払いの受信料がある場合、それが相続対象となる可能性もあります。契約の整理とあわせて、相続の観点からも確認しておくと安心です。
NHKの契約者が亡くなった場合、そのまま放置するのではなく、視聴状況に応じた対応が必要です。母親がテレビを使い続ける場合は「名義変更」、テレビを使う予定がなく撤去する場合などは「解約」の手続きを行うことになるでしょう。
いずれにせよ、契約を放置すると請求トラブルなどが起こる可能性もあるため、早めにNHKに連絡し、適切な手続きを取ることが大切です。不明点があれば積極的にNHKふれあいセンターなどへ問い合わせるとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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