4月26日(土) 21:00
家賃の適正額は、一般的に「手取り収入の3分の1以内」が目安とされていますが、近年は生活費の増加などを踏まえ「手取りの4分の1(25%)」や「5分の1(20%)」を推奨する専門家もいます。この目安は、残りの収入で生活費・貯金・交際費などをまかなうためのバランスを考慮したものです。
例えば、手取り月収が20万円であれば、家賃の理想はおよそ6万6000円(3分の1)程度です。仮に10万円の家賃を支払っていると、収入の半分を家賃に充てていることになり、生活費や貯蓄に充てられるお金が足りなくなる可能性が高く、家計が圧迫されるリスクがあります。
特に、ひとり暮らしでは光熱費や通信費、日用品などの固定費もかかります。これらをすべて手取り収入の残り10万円以内でまかなうのは、余裕のある生活とはいえないでしょう。
家賃が高いと感じ始めたときは、以下の点を見直してみましょう。
1.家計簿をつけて支出を「見える化」
まずは、毎月の収入と支出を把握することが大切です。何にどれだけ使っているかを確認し、不要な支出がないか見直しましょう。たとえば、コンビニの利用やサブスクリプションの契約を見直すだけでも、毎月数千円の節約につながる可能性があります。
2.会社の住宅手当や福利厚生を確認
企業によっては、住宅手当や家賃補助制度が用意されていることがあります。これを利用できれば、実質的な家賃負担を軽くすることが可能です。人事部に確認してみると良いでしょう。
3.契約更新のタイミングで家賃交渉を検討
物件によっては、更新時に家賃の値下げ交渉が可能な場合もあります。築年数が経過していたり、周辺の相場が下がっていたり場合などは、交渉の余地があることも。ダメもとでも、一度管理会社や大家さんに相談してみる価値はあります。
上記の見直しをしてもなお家計が厳しい場合は、思い切って引っ越しを検討するのも選択肢の一つです。家賃を2〜3万円下げるだけでも、年間で数十万円の節約になります。その分を貯金に回せば、急な出費にも備えられますし、将来の資産形成にもつながります。
ただし、引っ越しには初期費用(敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し代など)がかかります。次の物件の条件も慎重に選びましょう。「駅から遠くなって通勤が不便になった」「周辺の治安が悪くなった」など、生活の質が大きく下がると、別のストレスが増えることにもなりかねません。
理想は、手取りの3分の1以内に収まる家賃で、かつ現在の生活水準を大きく落とさない物件を探すことです。最近では、オンライン内見や初期費用を抑えられる物件も増えてきているので、引っ越しの選択肢は以前よりも広がっています。
家賃10万円の物件に住み始めたものの、後になって負担が大きいと感じるのは珍しいことではありません。むしろ、実際に生活してみて気づくことの方が多いものです。
家賃は毎月の支出の中でも大きな割合を占めるため、収入に見合っていないと感じたら早めの見直しが大切です。まずは家計を把握し、必要に応じて家賃交渉や引っ越しも検討してみましょう。無理のない住居費に見直すことで、毎月の生活に余裕が生まれ、将来への備えもしやすくなります。
「ちょっときついな」と感じたその直感は、家計を見直す絶好のタイミングかもしれません。より安心できる暮らしのために、今できることから始めてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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